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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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続・熱愛  10

2009-11-01 Sun 00:10

【夢の途中 10】

この日で、正月シフトが終わる。そして、その終了時間になろうとしていた。
正社員のメンバーが、研修生に近付くと
「ご苦労様、少し早いけど変わるよ!お茶でも飲んで帰ると良いよ。」
「エッ?でも、あと10分・・・・・」
「良いよ。お客様も切れた所だから。僕らも研修の時は、緊張したし焦り捲くりで、正月シフトはクタクタだった。
だから、特別さ!正社員になれば、金輪際無いから、気が変わらないうちに上がった方が良いよ。」
「「はい。」」
「「お疲れ様でした。」」
「お疲れ様。」
休憩室に戻ると、関谷仁がつくしに
「良かったら、お茶だけでも行きませんか?」
「うん。良いですよ!お礼もしたかったし。あたしにご馳走させて下さい。」
「いえ、僕が!」
「じゃあ、それは行ってからで、まずは出ましょうか?」
「そうですね。」
2人は店から数分のカフェに寄った。向かい合って座り、漸く気楽に話せる間柄に思える。
「お疲れ様でした。」
「牧野さんこそ!体調が大変だっただろうに、本当にご苦労様でした。」
「ううん。関谷さんのお陰ですっかり元気です。ありがとうございました。」
「良かった。この2・3日は出られるのかなって心配だったから。」
「それなら。根っから丈夫な性質ですから。」
「あの家の事で、話しておこうかと想いまして!」
「ううん。無理しなくて良いです。こう見えても、家の事情には慣れっこです。後継者になる様な家柄に生まれると、色々有るの知ってますから。」
「後継者って!やっぱり・・・?」
「あれっ!そうだったんですか?」
「エッ・・・・・知らないで言ったんですか?」
「はい。」
「そう言う人が、廻りに多いんですか?」
「そうですね。だから、何となく。」
「そうですか。牧野さんは、恋人いますか?」
「ストレートに来ますネ。・・・・・はい。います。将来も誓った人です。」
「そ・・・・そうですか・・・・・・」
「驚きました?こんなあたしにいるって事?」
「その逆です。」
「その逆って?」
「僕が、立候補したかったから。」
「何、言ってるんですか?冗談が好きですね。」
「牧野さんて、天然?」
「へっ?」
「良いです。そうですね。聞き流して下さい。なんか言えてスッキリしました。でも、牧野さんの恋人ってどんな人ですか?」
「優しくて、あったかくて、心の大きな人です。」
「そうですか。きっと素敵な人でしょうね?」
「はい。あたしには勿体無い人です。なのに、とても大切にしてくれる人です。何時か、一緒にお酒でも飲みましょう。」
「はい。是非。」
その時、つくしの携帯が鳴り、店の外に出て通話にすると
「うん。終わったよ!見て無い。ごめん。えっ?近く。うん。そこだよ。解った。」
店内に戻り
「関谷さん、ごめんなさい。迎えが来るの。何だか急いでるみたいで、これで帰らないと。」
「良いですよ!行って下さい。」
「あっ・・・今、向かっているので、あと10分はいられます。」
「そうですか。良かった。」
「変な関谷さん。」
「来週から研修会場になりますネ。」
「はい。明日から少しゆっくり出来ますネ。」
「ええ。何処かに行かれますか?」
「ううん。家でゆっくりします。」
「そう言えば、アパートを聞けませんでしたね!」
「そうですね。そのせいでご迷惑を掛けてしまってすみません。」
「いいえ。こうして、仲良く慣れたのは、その賜物ですから。」
「優しいんですね!」
そう言っていた時だった。2人のテーブルの横にスラリと伸びた足が視線を捉え、上を見上げた。
「類!」
「早く着いたから、一言ご挨拶しようと想って。」
「エッ・・・・・牧野さんの恋人の?」
「はい。花沢類です。つくしがお世話になっています。先日は、手厚い看護をして頂き、ありがとうございました。
ご挨拶に行かなくてはいけないと想いつつ、行けないままで申し訳ありません。今度、機会を持ちまして、食事でもご一緒しましょう。」
関谷は驚きの余り、一瞬見惚れて
「初めまして、こちらこそお世話になっています。良い同期に恵まれたと幸せに思っています。是非機会がありましたら、ご一緒しましょう。
あの、もしかしましたら、花沢物産のご子息では無いですか?」
「はい。お知り措き頂けて光栄です。」
「申し遅れました。研修上、已む追えず母方の姓を名乗っていますが、実は粕谷仁と言います。」
「それでは、創業者の?でしたら、何れ跡を?」
「はい。そうなると思います。」
「良い方と知り合いになれて嬉しいです。宜しくお願いします。」
「こちらこそ。花沢さんが羨ましい。」
つくしを2人で見るが、当の本人は何も解らず
「はい。最高に幸せ者です。」
「何が幸せ?」
「こうして、仲良くなれる仲間が増えて良かったって言ったの!」
「そう!ホントにそう想う。」
「天然ですか?以前から?」
「はい。知り合った高校の頃から既に。」
2人は立ったまま。つくし1人座った状況で会話は弾む
「でも、それで幸いした事も有りますから。」
「良く解ります。どうぞ、お幸せに。」
「はい。必ず。」
2人は握手を交わした。
「さあ、つくし行こう。」
「うん。」
「それじゃあ関谷さん、お先に失礼します。」
「はい。また!」

30分パーキングに駐車した類の車に乗り込み、家路に向かう。
「夕飯どうしよう?」
「大丈夫。家から【つくし様に食べて頂いて下さい】って、預かって来たから。デリバリーだよ!」
「嬉しい。早く食べたい。」
「それから、大事な話しがあるから。」
「うん。・・・・・凄く大事な事?」
「ああ。」
「困っちゃう位?」
「ああ。」
「それじゃあ・・・・・」
「つくし・・・・!!着いたら話すから!」
「はい。怒ったの?」
「ううん。ただ、しつこい!」
「ごめん。」


その後食事を終えて、類は話しを切り出した。
「驚かないで聴いて!」
「うん。」
「フランスに行く事になった。」
「エッ?・・・・・何時?」
「出来るだけ早くって言われてる。」
「何時帰れるの?」
「一時帰国は有るかも知れないけど、今回は暫くは帰れない。」
「どう・・・・・して?」
「向こうでトラブルがあって、今父さんが対処してる。でも、父さんは本社がある以上、俺が行く必要が出て来たんだ。
それで、つくしにも一緒に行って欲しい。両親は結婚を認めてくれた。これを呼んでくれる!」
父から息子に宛てた手紙をつくしに渡した。
読みながら、ポタポタ大粒の涙が手紙に落ちる。読み終えたつくしが話し出す。
「行くよ!勿論行くけど・・・・・」
「何、行くけど?その先は?」
「研修の途中で辞めるの?」
「それじゃあ。俺一人で、行けって言うの?結婚を許してくれたのに?」
「そうじゃないの!ただ・・・・・」
「ただ何?」
「怒ってるの?」
「そうじゃないけど。迷わず行くって言ってくれると思っていたから。」
「類・・・・・」
「今夜は、荷造りする様だから、別々に休もう。つくしも良く考えて!
良い?今回は手紙の通り、何時帰れるか解らないって事、覚えておいて!
新年の挨拶を本社にしに行くから、明後日までは絶対居るけど、それが済めば早々に発たなくてはならないんだからね。一応つくしの分もチケット用意させるから。」
心なしか、トーンが低くショックを隠せない類に声が掛けられず、リビングを出て自室に入った。
暮らし始めて、自分の部屋で初めて休む事になったつくし。窓辺に立ち夜空を見上げる。
冷静にそれまでを振り返る。
英徳からの一部始終を!

そして、あのNYでの自分が巻き込まれた事件の・・・あの時を!
他の誰でも無く、花沢類が全身全霊で助けに駆け付けてくれた事。類が居なければ、今が有るかどうか?
あの日から誓い合った2人の未来。
その為の、今の状況。
責任感で、大切な人を失う事になったらどうするのか?自分に問う。
手紙の中には、親の愛が溢れていた。
それは息子・類にだけでなく、自分・牧野つくしに対しても。
そこまで折れてくれる愛する人の親の想いを見過ごして良いのか?

つくしはベットから起きると、ワードローブに入っていた類の母からの手紙を取り出した。

『つくし様へ』

古い家具です。代々受け継がれ、類も使っていた物です。
2人の間に、受け継ぐ天使が舞い降りるまで、つくしさんに託します。
類の事、宜しくお願いします。
    母より    』

この愛を想い起し、さっきと同じ様に手紙の上に大粒の涙が落ちて行く。
「見誤る所でした。今すべき事を!」
手紙を握りしめ・・・・・

つくしは部屋を出て、まだ明かりの付いたリビングへ足を進める。
ソファーで1人ワインを飲む類の背後から、つくしは類を包み込んだ。
「あたしも連れて行って!」
「つくし!」
「ごめん。仕事をしている意味を見失いかけて。
2人の為にそうしてるのに、類が進まなくてはならない場所に行くなら、迷わずそれをあたしも選ぶべきなのに、変に責任感を持ち出して、大切な人を悲しませる所だったね。
ごめんね、類!」
「ううん。
少し・・そう迷うだろうって、そんな気がしてたから、スゴイショックは無かったけど
でも・・・実際にそれがホントになると寂しいと思ったよ。」
「これ見て!」
類の母の手紙を見せた。
「これ、ワードローブに入って手紙だよね!」
「うん。あたし、幸せ者だなって!」
「辛くない?」
「うん。ちっとも!」
「パパやママ、進君と、暫く離れ離れで会えないよ・・・・・・寂しくない?」
「類が居るもん。」
「きっと、俺、今の数倍忙しくなると想う。」
「雑草魂あるから!でも、松尾さんみたいな人が、1人でもいてくれたら心強いけど。そんな人はフランスにはいないだろうね?」
「探してあげるよ。つくしの為に。」
「うん。」
「明日、牧野パパとママの所に挨拶に行こう。お嬢さんをくださいって!
そして、フランスに暫く連れて行かせて下さいってさ!」
「きっと大喜びだよ。」
「つくし、こっちにおいで!ワインで乾杯しよう。」
「うん。」


翌日、類は母に連絡を入れた。
つくしも行くと言う事を伝えると、電話の向こうで声が掠れている。それが意味する事!
「類、あなたが支えてあげるのよ。見知らぬ土地に連れて行くのだから。
それから、式も挙げるのよ。本来なら盛大にしてあげたいけれど、フランスの事情が解らないから、何とも言え無くて・・・・・
日本での年明けの仕事が済み次第、私も向かうから、その時相談しましょう。」
「はい。」
「そうそう。松尾がフランスに同行したいと言い出しているんだけれど?」
「松尾が?」
「ええ。つくしさんが心配だって。どうする?」
「嬉しいです。昨日、つくしが『松尾さんみたいな人がいてくれたら』って、言っていた所です。でも、お母さんは良いんですか?」
「仕方ないわよ。大切な嫁をメンタルカウンセリングに通わせる様になったら大変だもの。」
「ありがとうございます。つくしに伝えます。」


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