STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

続・熱愛  9

【新な1年へ 9】

つくしの、1日だけの正月休みは、賑やかに4人で終えた。
アクシデントはあったモノの楽しい元旦だった。
遊びに来た2人は、つくしの翌日の仕事を思い、泊まりたいと総二郎が言ったのをあきらが『別の日にしようぜ!』と言い聞かせ、深夜遅く帰って行った。
上機嫌な総二郎は、少し酔いが醒めかかったあきらの肩を貸り、類とつくしに見送られながら迎えの車に乗せられ『今度は泊まるよ~』と総二郎が叫びつつ2人は帰って行った。

部屋に戻るとつくしは想わず
「フゥ~!」
大きく溜息を漏らす。
「つくし、お疲れ様!ありがとう。」
「類も、お疲れ様!楽しかったね。」
「ああ。最初はどうなるかと思ったけどね!!ねっ・・・つくし?」
意味有り気につくしに向かい類が言うと
「どうしたの?」
「覚えて無いの?2人が来た時の自分の事?」
「・・・ごめなさ~い。半分寝ぼけてて、最初はうろ覚えなんだ?」
「じゃあ・・・俺のワイシャツを素肌に1枚で、2人の前に出た事は?」
「やだなぁ~、覚えてるよ!・・・・でも、それが薄っすらなんだ、覚えてはいるけど、何を言ったり聞いたりしたかは覚えて無いんだ。・・・・・ごめんなさい。」
舌を出し両肩を上げるつくし。
「ヤダ!!どんなに俺が焦ったか?
そうだ!!ねえ、つくし・・・・うん・・・そう・・・チョット想い付いた。」
「・・・・ん?・・」
行きなり、着ていたワイシャツを脱ぐとつくしに渡し
「ねえ・・・これ素肌に1枚で着てみて!・・・・・」
「今?」
「うん、今。」
「後でで、良いでしょ?・・・・・ネッ!る~いっ!」
「ううん。・・・い・ま・!!」
「もう・・・・・変な類?」
仕方なくパーカーを脱ぎ、ワイシャツに袖を通そうとした時
「素肌1枚にって言ったよね?」
「良いじゃん!」
「ううん。ダメ!取って。」
「変だよ?類・・・・・・」
「いいの・・・・・変でも!確かめないと今夜眠れない。」
しぶしぶ寝室に入り、ブラを取り去り直に着て、ジーンズも脱いで類の前に現れたつくし。
「・・・・・・エッ?・・・・・」
類の眼が点に・・・・・・
「どうしたの?このワイシャツは、生地も厚いし、それに2人も見えないって、言ってくれたんじゃ無いんだっけ?
・・・・・・でも・・・・・その様子じゃあ・・・・」
慌ててバスルームへ向かったつくし
「ワァ~・・・・・!!」
恐らく鏡で姿を確認し、驚いているつくし。類は後を追い、バスルームの洗面台前のつくしを後ろから抱きしめ、耳元で囁く
「解った?・・・・・参ったよ!!新年早々、あの2人に大きなお年玉あげちゃって!
良い?俺にだけだからね!
さあ、脱いで!俺もお年玉貰わなきゃ、眠れそうにないからさ!」
「・・・・・るいの・・・バカ・・・・・」

再び大晦日の様にとは行かないまでも、その晩も・・・類とつくしは、見られた事を払拭する様に愛し合ったのは言うまでも無い。つくしの身体に赤い印を咲かせながら。



翌日の2日
類の腕から身体からそっと外し、1人仕事の準備をしたつくし。類の朝食もテーブルに用意して!
何故か、喧嘩前の自分とは気持ちが違っていた。優しい気持ちになれている事に気づく。
1人コーヒーを飲みながら、朝のすがすがしい空気を窓を開け吸い込んだ。正月の静かな1日が、今また始まる。

数分後着替えを済ませたつくしは、眠る類の額にキスをして
「行って来ます。」
そう告げた後、テーブルに書き置きのメモを残し仕事に向かった。
【今日と明日は、終了時間は7時です。外で食事しましょう。待っていて下さい。    つくし】

2・3日は正月シフト、大晦日同様のスタッフでの仕事。
気になる事と言えば、その時に関谷に誘われた事が僅かばかり想い出された。
でも、つくしは深くは気付いてはいない。自分に向けられている好意に付いて。漸くわだかまりを取り去り、普通に話しが出来る様になった同期の仲間としてだろうとしか!相も変わらない鈍いつくし。
2日の日は誘われる事も無く、何事も無いままに店を出たつくし。すると、店近くに見覚えのあるシルエット。少し暗がりで、顔が見えない。しかし、薄っすら見える立ち姿で気付く。
「類?」
想わず駆け寄り、その人を確かめる。
「やっぱり類!何・・・迎えに来てくれたの?」
「うん。少しでも早く会いたくて。」
「携帯に連絡くれれば良いのに?寒かっただろうし、もし・・気付かないで帰っちゃったらどうするの?」
「ううん。気付かない筈無いよ。俺も、それにつくしも。」
「自信有るんだね?」
「うん。NYまで行って、探し当てた相手だもの。」
「類・・・・・」
NYと聞くと、胸がキュンとなる。余りに色々な事が有り過ぎたあの頃。そして何より、眼の前の人がいなかったら、今の自分はここに居るのだろうかと言う事。今が幸せすぎる気がした。
「さあ、行こうか?」
「うん。」
その場から手を取り合い歩きだした二人。
その直後、店から出た関田は、後姿の2人を捉えてしまっていた。呆然と・・・・・
「やっぱり、恋人いたんだね。」


翌日3日。
その朝、類はつくしと共に眼を覚まし、同じ様に出掛ける準備をしていた。
「類!帰りの時間は気にしなくて良いからね!あたしは1人で帰って来るから。」
「うん。ありがとう。」
「もっと先になる筈が、突然帰国して会おうだなんて。何だろう?」
「お父様が、急に呼ぶ位だから何か有るんだろうけど、少しドキドキする。」
「心配無いよ。俺達は認められてこうして居るんだし、2人の事より多分仕事も事だと想う。何れにしても、つくしが仕事を終えて、ここに帰って来る頃には帰れると思うから。」
「うん。」
「連絡するね。」
「待ってる。」
「さあ、送るよ!行こうか?」
「うん。」

その朝、前日に類の父からの突然の連絡で、私邸に戻る事になった類。つくしを見送り、その足で少しばかり重い気持ちを秘めながら私邸に向かった。

会えない筈のこの時期に急に呼び出され、私邸に戻った類。
何時もの顔は、まだ揃ってはいない。正月休みの最中。その中でも、両親に同行していた松尾は姿を見せ類を迎えた。
「松尾、お帰り!今年も宜しく。」
「こちらこそ、宜しくお願い致します。」
出迎えた全員に言った後で、部屋に連れ立って歩きながら類は新年の挨拶をした。
「つくし様は、お元気ですか?」
「ああ。元気だよ。」
「宜しく申していたとお伝え下さい。お会いしたいと申していたとも、お伝え下さい。」
「うん。言っておく。ありがとう、松尾。」
「勿体無い。」
父親の書斎の前
「類様が、お見えになりました。」
「どうぞ。」
松尾がドアを開け、類が部屋に入ると松尾は退いた。
部屋の中には、母一人が父親のデスクで書き物をしていた。
「明けましておめでとうございます。」
「おめでとう。良い顔をしているわね!2人が旨く行ってる証拠だわ。」
「はい。とても。」
「それは良かった。」
「それより、まだ旅行中の筈では無かったですか?それに、お父さんは?」
「ええ。実は訳があって、お父様はここにはいないの。それと、類を呼んだのは訳があって、話しをする為に来て貰ったのよ。」
意味有り気な母親の表情。重い空気が全身を覆う。
「お父様は今、フランスに居るわ。」
「何故、フランスに?明後日から仕事もスタートでは?」
「ええ。そうね!それも有って、類を呼んだのだけど。
お父様のフランスは理由があっての事で、私も昨日帰るまで一緒に居たの。でも、帰国してやるべき事もあるので、こうしてお父様の書斎で仕事をしているのよ。」
「何ですか?理由って?」
「実は・・・・・・・・・・                  」



そこから聞かされた内容では、フランスで間接的な企業では有るがトラブルが発生した。
場合に寄れば、花沢にも影響が出ないとも限らない事。本社社長が自ら出向き調査に当たっている。
花沢社長の信頼厚い現フランス支社長も。
しかし、その支社長は、それ以前からの要望で、あと僅かで退任の意向を示されていた。花沢社長の許しが有れば、子息にその席を開け渡したい。その希望を花沢社長には話してあった。
今回のトラブル!
「これを共に乗り越え、私の席をご子息に明け渡したい!」と申し出をしてきた。それが、全て。

「類!あなたの気持ちは、近くで見て来ただけに解るし、今の事情も母として痛い程解ってるつもり。でも、あなたの立場も解って頂戴。このまま、お父様がフランスに残る道は本社を揺るがし兼ねない。
やはり、あなたしか居ないの。」
「解りました。
それで、俺は何時発てばいいのでしょうか?」
「早ければ早い程助かるわ。でもその前に、本社でお父様の変わりに新年の挨拶をお願いね。」
「はい。・・・・・・それで、つくしは?」
「お父様からあなたに宛てた手紙よ!」
初めて受け取る父からの手紙

『類へ

明けましておめでとう。
良い新年を迎えたかな?
私の方は、旅行の筈が場所を変更した上に、楽しいとは言えない状況で、新年を迎える事になった。
しかし幸いにも、花沢には影響が今は無い事が漸く分った。
それでも、全く無いとは言い切れず、正念場を迎えないとは言い切れない。現社長が類と盤石な花沢を築きたいと申し出てくれた。それを見届け、類にその席を譲りたいと。

言い出した私が、変更したいと申し出る事を、類とつくしさんには心から詫びたい。
しかし、そのお詫びに勝手かも知れないが、2人を花沢類の父として認めよう。
そして、2人が望むなら、この機会に結婚をする事も快く許そう。
夫婦として、新天地で頑張っては貰えないだろうか?
重ね重ねの親の勝手な言い分。済まない。
もし、親の言い分を聞いて貰えるのなら、身ひとつで行ける様に全て準備させよう。
類、良い返事を待っているよ。

            父より  』

見終えた類の顔は高揚していた。瞳を潤ませながら。
1歩どころか、2歩も3歩も下がっての心を込めた父からの手紙。ソファーから暫し動けずにいると、母がそっと肩に手を置いた。
「解ってくれた?」
「・・・・・はい。」
「相談して、良い返事を聞かせてくれる?」
「はい。」

その日、久し振りにランチを母と共に摂った。
そして類は、私邸に戻り、自室でフランスへ向けての準備をし始める。
ふと脳裏を掠めるつくしの頑張り。父との約束を懸命に守り、倒れる程一生懸命に約束を果たそうとする愛する人。
あくまでも2人を認めて貰う為の条件だった就職。・・・・・の筈。
何でも懸命にこなそうとする姿と責任感に不安が過った。
「行かないなんて、言わないよね?」

もう直ぐ6時。つくしの終わるのは7時。嬉しさと不安の両方が入り混じった複雑な心境で時計を見つめた。
『迎えに行こう!』
携帯を手にメールを送る。
『迎えに行くよ!大切な話しが有る。』
携帯を閉じ、荷物の分別をし終えた類は部屋出ると、松尾に笑顔を向けた。
「フランスへ行くらしい。」
「類様がでしょうか?」
「ああ。松尾の様な人が向こうでも居てくれると良いな!行く前に挨拶にまた来るからね。」
「あのぉ~・・・・・類様、つくし様は?」
「行くと信じてる。」
それだけ言うと、エントランスから姿を消した。
姿を見送った松尾。暫し佇み、そして意を決したように書斎に向かった。


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