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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

WIAH 10 承諾

2018-07-29 Sun 16:09

10【承諾】

9時前。

部屋のドアにもたれて父親の帰宅の音を待ちわびた。

社長の重責から、変更はつきもの。10時11時に変わることは良くある。

でも、少しでも早く許しが欲しかった。
腕時計を気にして確かめる。部屋のドアの前で30分が過ぎ9時半を廻った。すると、遠くで使用人達の足が忙しいのを耳が捉えた。

「帰って来た。」

親と類の部屋は離れている。エントランスも大きな屋敷に沿い出入りし易いように類の部屋に誓いエントランスも備わっている家。
類は、便利性から部屋に誓いエントランスを日頃は使用する。しかし、主である父親は違う。必ず表門に専用車を停めて出入りする。
そのエントランス付近がざわついて来たのは、紛れもなく主のご帰還に違いない。
何しろ静かな屋敷で、重厚な設えもあり音は漏れにくい。だから、少しでも気付き易いようにドアに沿いながら、ジッとたたずみ耳をすませていた。

ざわつきが静まるのを待ち類は部屋を出て、父親の部屋に歩き出す。

コンコン

「お帰りですか?類です。」
「入りなさい。」

まだ着替えもすまない父と出迎えたばかりの母が目の前にいる。

「早いな!待ちわびていたとでも言うようだな?」
「そう言うわけでは。
でも、お父さんはお忙しいですから、会える時が限られていますので。」
上着を手にしたばかりの母が、僅かに笑みを見せながら類を見つめ、妻に向かい合っていた顔をゆっくりと類に向けた父。

「そうだな!
まあ 座りなさい。」
ゆっくりとした柔かな口調で言う。

「はい。」
真っ直ぐに見たはずの類の視線は父親の威厳の前で、徐々に下に向きつつソファーへ進んだ。

「聞きたい返事を、答える方が良いようだね?」
テーブルを挟み向き合う親子。すぐに言おうとしたが、言えずに大きな深呼吸をする様子を見て切り出した父。

「は・・・はい。」
返事をしてから、視線を父に向けた。
すると
「ハハハハハッ。
ハッキリしているな。では、答えはノーだ。」
眼を見開き父親を見据える類。
「と言いたいところだが、あの方は人嫌いで通っている人だ。その人のお眼鏡に叶ったのなら、学んで来ると良い。
私達とは違う勉強をさせてくれるだろう。
ただし、品田さんが受け入れて下さるならだが?」

見透かされている気がした。良いと言われていない今の状況。

「ありがとうございます。」

それでも、これが今の正直な気持ち。第一段階がクリアされた。
顔をほころばせ、大きくもう一度深呼吸をした類。父の隣の母と視線で語り、父親の部屋を出た。

「良いんですか?お許しになって。」
笑みを浮かべながら夫に尋ねる。
「何かを学んで来るだろう。昔、類を可愛がって下さった方だもの。」
妻の手に自分の手を重ね言った。
「はい。」

つくしの存在は、類の親は知らない。

WISH


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