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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

《初恋・第3章》 Dreamer 9 スタートライン

2015-11-29 Sun 20:40

9【スタートライン】

開けられた扉の向こうで西園寺操の顔が真っ直ぐにつくしをとらえていた。

更に緊張する思いが全身を包む。

『とうとう始まるんだ!』心の中でつぶやいた。
やめようと思えば帰れば済むだけのことだ。でも、それはできない。いや、したくない。亡き祖母の思いや母の思い。そして、今、目の前にいる西園寺操の思いを考えれば、つくしには既にその選択肢はない。
全ては、自分の為を考えてくれたことだ。大げさに言えば、大プロジェクトの成功するしないが、中学生の自分にかかっている。

「ようこそ牧野つくしさん。
この日が来ることを、心待ちにしていたわ。亡き親友の念願を果たすための第一歩。
いいえ、その入り口に私達は辿り着いた。この先のゲートを開けるのはあなた自身。」

話すその人の揺るぎない信念が、目の前の瞳に宿されている。

「はい。
誰の為でもなく、自分自身の為に、ここでの教えを受け止めます。
はっきり言って、自分に難関校を突破できる力があるか不安です。でも、最善を尽くします。
いろいろご配慮くださって感謝します。
今日からよろしくお願いします。」
言い切ると、深々と西園寺に頭を下げた。

「そうね、あなたが言うように難関校には違いないわ。
そこから国内外で知られるトップクラスの大学へ新たに進学を望む学生も大勢いる。それが、これからあなたが挑戦する学校の現実だから。」
「日本だけでなく外国のトップクラスの大学や日本でも難関と呼ばれる大学へ受験ですか?」
確かに実力さえあれば、誰もが行く末を考え、自分に合う大学を望むのはわかる。当たり前のことだが、さらにレベルの高さに身震いがした。
のんびり過ごした両親の元での暮らし。進学就職は、弟の今後を考えて選ぼうとしていた自分。それくらいのレベル。確かに通う中学では成績は良かった。でも、精鋭が進学を望むそこへ挑戦する無謀さを感じずにはいられなかった。

つくしの表情から理解した西園寺が言う。
「それくらいのことで驚いては、それだけでゲートは閉じてしまうわ。」
「は・はい。」
そうだった。それを開けさせ、入る目的のために今があるんだと、自分に言い聞かせた。

「蓮、お入りなさい。」
部屋に入る際に自分だけ中に通された。そして、自分以外の名を呼んでいる。綺麗な横顔が浮かんだ。
「はい。」
案内だけし、ドアの向こうで待機していた青年が、再びつくしの目の前に姿を見せた。思えば、西園寺の孫だと言い、同じ屋敷に住むのだ。紹介されない方がおかしい。
「牧野さん。
孫の西園寺蓮です。
案内を受けた相手だから、既におわかりね。」
「はい。」
つくしは、蓮に向きを変え挨拶した。
「先ほどは、ご案内ありがとうございました。」
蓮に頭を下げる。
「いいえ。
今日からよろしくお願いします。」
連もつくしに挨拶を返した。

「牧野さん。
連は、あなたの受験する学園に籍を置く学生です。とは言え、高等科ではなく大学ですけれど。」
つくしは驚きが隠せずに、ポカンと蓮の顔を見ていた。
「で・でも・・・今ここにいてもいいんですか?」
疑問が湧く。
今の時期に2ヶ月も学び舎から離れてもいいものなのかと。
「大学は、高等科の様に毎日必ず出席する訳ではないので大丈夫です。しかも、単位互換でこちらの大学でも単位は得られます。
今日から、他の先生同様に連もあなたの先生です。そして、生活面も蓮に任せるつもりです。」
意味を受け入れる余裕も、聞き返す言葉も出てこないつくしは、返事だけするしかなかった。



《初恋・第3章》 Dreamer

  
《初恋・第2章》ノスタルジア
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初恋  
9完
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コメント

★ タイトル

素敵な作品ありがとうございます。
F4とつくしの高校での再会が待ち遠しいです。

更新お待ちしています。

2016-06-01 Wed 05:48 URL | AN #-[ 内容変更]
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