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WISH 2 言えない

2015-07-22 Wed 00:00

2【言えない】

静かな夜だった。

そして、その夜バイトのないつくしは机に向かっていた。すると、ポケットに入れたままの携帯が振動で着信を知らせた。
「ん?
アッ・・・花沢類。」
携帯の相手につくしは一瞬驚いた。
「何してた?」
穏やかな声が耳に触れる。すると、なぜか不安な思いが少し薄らでいった。

「もう直ぐ3年生だもの、勉強でしょ!」
「新学期に入ってすれば良いのに。受験がある訳でもないんだから。」
ゆっくりしたペースが、気持ちを癒され、思わず唇が緩んだ。
「クスッ。」
笑ったことを不思議がる花沢類。
「何?」
声のトーンで、その顔を思い浮かべながら、つくしが言う。
「花沢類は、大学生になって、もっとのん気になった気がする。」
「そうかもね。1年だもの。遊ばないと。」

「いっつも遊んでいるようにしか見えないけど?」
「確かに!」
弾む会話。
「アッ!でも、不思議だよね?そんななのに、学年10位に必ず入っているのはなぜ?」
「天才だから。」
心地いい時間が過ぎてゆく。

「もうっ!花沢類・・・」
「どう?元気になった?」
やっぱり優しい。
「えっ・・な・なに。わかってたんだ?」
「うん。昼間校舎で会った時、いつもと様子が違ってたから。」
英徳学園の高校と大学のキャンパスは通じているため、類はつくしを気にかけ、時々ふらりと姿を見せていた。

そして、つくしは今の不安な気持ちを誰にも気付かれないようにしていたつもりだった。

「久し振りに会ったのに、直ぐにわかっちゃうんだね。」
「うん。何でだかね!だから、話せなかったんだけど、牧野に5人分の湯呑み渡したいんだけどな。」

「5人分の湯呑み?」
「そう。清水焼の窯元で買って来た。」
類には見えないが、携帯を持ちながら眼をパチクリさせて答えるつくし。
「4人はわかるけど、何で5人分?」
「俺の分。」
想像もしていない答えが耳に入る。
「エッ?・・・クスクスッ・・・」
「寄る度に、牧野のママがお茶入れてくれるもの。それに、最後に寄った日に、パパの茶碗にひびが入ってたから。」
ジンと来ていた。
「ありがとう。そんなとこまで良く見てくれてるね。パパも喜ぶ。」
「車に置いてあるんだ。明日寄っても良い?」
嬉しいのに、少し寂しかった。
「良いけど、会えないよ。」
「そっか、年度切り替えで残業が多いんだね?でも、ママと進はいるでしょ?」
もう居ないことを話したら、どうな顔をするだろう。そんなことを考えながら答えた。
「ううん。あたし1人。」
「ん?どう言うこと・・・」
ここで、もう嘘はつけないと花沢類に、父親の事情を話し、つくしや家族の現状にも触れた。

つい数分前までのトーンは影をひそめる。
「そんな時に、側にいなくてごめん。大丈夫・・・牧野?」
「うん。花沢類の声を聞いたら元気になれた。ありがとう。
そう言えば、いっつも寂しい時や苦しい時には、その優しい声が元気をくれてるね。」

「そうだった?確か牧野、前に俺の事をクールで嫌な奴で、何考えてるかわからないって言ったことあったけど。」
「あ・ああ・あれは・・・・・はい。言いました。
でも・・嫌な言い方では言ってはいなかったよ。
前はそうだった!って言った・・・ハズ。」

つくしの気持ちを思い、再び声を張らせて会話を続ける花沢類。
「フゥ~ン。まあいいけど。そうだ・・・明日、夕飯一緒に食べようか。」
「うん。じゃあ、家においでよ。あたしの手料理ご馳走する。」
「うん。」
二人は会う約束を交わした。
牧野家の事情は、3人が保養施設に移った事を話しただけ。心配させたくなくて、社宅にいられなくなることは触れなかった。



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