STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

WISH  9 衝動

9【衝動】

類は、今回まず母親に相談した。
その返事は、当然の答えで「お父様がお許しになるなら。」だった。
わかってはいたが、出来れば母の承諾を得て、もしも父に反対されたなら援護してもらいたいと考えてのことだった。
しかし、それが望めない今、母から伝えてもらっている返事を待つのみだ。



牧野つくしが品田の屋敷に住み込んで1週間。

類のおかげで、ちゃぶ台で勉強をするはずが机で勉強出来る毎日。
そして、この1週間欠かすことなく帰るつくしを待っている類。しかも、その度に心配そうな顔をしてつくしに尋ねる

「年寄りと2人で、怖いとか不安じゃない?」
「ううん。
年寄りでも男子だもん。居るだけ良いよ。いつもは1人だもの。」

品田老人が大金持ちだと言う事を知らないつくしに、財閥だから物騒なんだと喉まで出かかった。

恐らくセキュリティー会社とは契約しているだろうが、木枠で隙間のありそうな古い家。それだけで、類は心配な気持ちになる。

あの古びた安物そうな茶器セットも、帰り際こっそり老人が類に耳元で囁くように言った。

「あの茶碗。類は安物だと思っただろう?」
「エッ!・・ええ・・ちょっとだけ。」

「1客10万する茶碗じゃよ。
でも、つくしに言えば直ぐにわりよるじゃろうから言わんでな!
まあ・・わってもしょうがないがの!」
「1客10万?」
「そうじゃ。家の中では安物の方じゃがの!」
そう云う老人の顔には笑みがあふれ、いたずらを仕掛けている子供のようにも見えた。

類は思い出すだけで、あの茶碗が10万とは驚きでしかたない。
そう見えなくて・・・でも高価!そんな品物がゴロゴロしている家。さもさもしい成り金の家とは全く対照的な家。

類が親に頼み込んだ事は、品田老人の家に同居させてもらう許しを請うためだ。
親には、経営学を老人から学びたいからと話した。
既に老人からは許可は得ていると嘘をつき。許可さえもらえば何とかなるだろうと目論んだ。偽ってまでも、つくしを守りたいと云う衝動を抑えきれない類だった。

今夜、父親の帰宅が早ければ、その返事をもらえるはずだ。
おおよその帰宅予定は9時。
腕時計を見つめ、類は心拍数が増えるのを全身で感じていた。

WISH


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