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WISH 8 品田老人の素性

2015-12-07 Mon 00:00

8【品田老人の素性】

類は、つくしを社宅に見送り私邸に戻った。

類がメイドの責任者である松尾に母は帰宅しているか尋ねると「リビングにおいでです」と教えてくれた。
直ぐに確かめたいことがある類は、自室に行かずにそこへ向かう。ドアの向こうにくつろぐ母の姿を見るや否や言葉をかけた。

「お母さんに伺いたい事があります。」
「お帰りなさい。帰った早々に何かしら?」
「た・ただいま戻りました。いきなりすみません。
お母さんに伺いたいことがあります。」
「類が、そんなに焦った姿を見せてまで聞きたいことって何かしら。」
類の勢いこんだ姿とは裏腹に、母親の姿勢は穏やかで優雅に向かいあう。

「あの・・亡くなられたお婆様のお知り合いの品田と云うご老人をご存知ですか?」
「ああ。品田さんて、品田財閥の仁衛門会長の事かしら?」
「アッ!そうでしたね。」
類は、母の言葉で思い出す。
「その名前を伺い、ようやく思い出しました。」
祖母の葬儀に参列してくれていた事は、かすかに思い浮かんではいたが、それでもどんな人物かがわからずにいた。母に言われ理解できた。

「その会長がどうしたの?」
「お会いして、お父さんとお母さんによろしく伝えてくれと言われました。」
「あら、何で類と会ったのかしら?」
そうだった。尋ねれば、その先を聞かれるのは当然だったが、冷静さを欠き知りたい一心で尋ねてしまっていた。

「まあ…色々ありまして!詳しいことは、いずれお話します。」
「類にしては珍しいことことね。ええ、わかったわ。」
笑顔の母は、深くは追及しないでいてくれた。

「その・・・品田さんは、司の所と同じ財閥企業だったんですね?」
「ええそうよ。企業としては道明寺ホールディングスの方が遥かに大きくなっては要るけど、確か数年前までは、財閥としての資産面では甲乙付けがたかったはずよ。」
「数年前まで?」
「ええ。品田会長は、ご結婚したけれど奥様に先立たれ、お子様もいない状況だったの。それで、かねてから妹の息子である甥を身近に置いていらした。
そして、その方に社長職を譲ったのだと伺っているけど。」
「そうですか。
でも、奥さんがいるのに、お婆様の葬儀の日、子供心にも衝撃的なくらい悲しんでいた気がするのですが?」
「そうだったわね。亡くなったお婆様と品田会長はご学友よ。留学先のソルボンヌで!」
眼の前の母が、紅茶のカップとソーサーをテーブルから取ると懐かしむような表情をした。

「ソルボンヌで・・・ですか?」
「ええ。
でも、既に許婚のいた御二人は、気持ちはあったようだけど、友達のまま・・それぞれご結婚したと前にその御本人から伺ったわ。」
「お婆様からですか?」
「ええ。御二人の内緒の話だと嬉しそうなお顔で!」

類は驚いていた。
大企業の会長で、自分の祖母の学友。しかもプラトニックラブらしき相手。葬儀の日の泣く姿がようやく理解出来た。
資産がどれ程か知れないあの老人。
あの住まいに1人で居ることが類には理解出来ないし、物騒極まりない気がした。しかも、これからはつくしもそこに生活を共にする。不安が類の全身を覆う。

「俺は・・・どうしたら良い?」心でつぶやく


その頃つくしは社宅で明日の準備をしていた。
「ちゃぶ台と寝る布団があればいい。後は勉強道具と服さえあれば!」
始めから決めていた引っ越しの荷物。類が引っ越し業者に依頼してくれた。勿論費用は類が出して!

しかも、明日は迎えに来てくれると言っていた。
これまでの流れからだろうか、知られてよかったとも思う自分がいる。ただ、何から何まで世話になり通しで申し訳ない思いが大半を占めるのも本音だ。

「明日から、こんなのんきな気分でいられないんだ!」
他人と暮らす生活を思い自分に気合を入れる。

今夜も星が煌めく夜空に向かい手を合わせて祈りを捧げる。
「追い出されることなく、働けますように!」
キラリ星が煌めいた。

WISH


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