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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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【ショートストーリー】 おまじない

2014-08-31 Sun 00:00

こんばんは
今夜は、短編の新作更新です。

ご満足いただけるか不安ですが【風の行方】とは一味違う作品で、お楽しみくださいます様に。

【ショートストーリー】 おまじない

日々忙しく過ごしているが、それが嫌いではない。
案外、時間を持て余す方が性に合わない。
だから、1週間を忙しなく過ごして尚、週末の朝を迎えるのが、楽しみになっている。

ドアを開け外に出ると、室内では感じなかった空気の冷たさを感じ、思わず声がもれた。
「うっ、寒い!」
今日は休日。
平日は色々忙しいから出来ないことも、休みの日には習慣になったウォーキングに行ける。
今朝も、それで外に出た。
余程の事情がない限り、既に10年近く続いている。

ただ、その度に困ることがある。
それは、家族同然でもある松尾女史だ。
屋敷の一切を義父母達が任せる人材で、夫が生まれる前から屋敷に従事してくれている女性。

その松尾女史が、毎回休みの日だというのに私の為に起きてくる。
出掛ける前に、一杯の野菜ジュースを飲んでから行って欲しいと言う。
それくらいなら、自分で作るし、主の息子である夫と子供の朝食も休日くらいは、嫁の自分がするからと言うのだが、一向に聞く耳を持たない。
義父母と夫や子供達の朝食時間は、平日とは異なり10時だ。
だから、従業員の仕業時間も休日は遅い。
ウォーキングに出るのは早朝6時と決めている。
なぜなら、この時間が一番気持ちがいい。夜明けが遅い冬でさえも少しづつ明るくなってくる時刻。だから、どうしても譲れない。
しかし、相手も引き下がらず、結果長い年月世話になっている。

既に、親子に似た気持ちが芽生えているのも事実だから、今では行為を快く受けている。

その有り難い恩恵にあずかっている嫁である私の名はつくし。そして、嫁ぎ先の名字は花沢。
花沢つくしが、今の私の名前だ。

夢と願いが叶った世界で生活している。

夢とは、幼い頃に「白馬の王子に迎えられたい」と女の子が膨らませる思いだが、私の場合は少し違う。
物心ついた頃に、心に描いた「王子」は、母が夢見る大富豪の御曹司でもなく、無理をせず自分らしくいられる「男の子」と巡り逢えることが夢だった。
そして、いつか結婚するとしたなら、裕福でなくてもいい、大家族でどんな時も、明るく乗り越えられる家庭を築くのが願いだった。

結果、どちらも叶った。しかも、飛び切りの富豪で美男子のおまけつきで。

今回、ある事情から、私は、ふと遠い昔を思い出していた。

女の子なら、その多くが大なり小なりすること。それは、占いとかおまじないだ。

私も一度だけ、おまじないをしたことがあった。
そのチャンスを与えてくれたのは、幼馴染で同い年の松岡優紀だった。
それは、中学1年の時の事。
オシャレに興味が強くなりだすお年頃。
二人で遊ぶ約束の日、彼女が持ってきた1冊のファッション誌が事の始まり。

優紀と違い、まだオシャレに無関心の私を思い、ファッション情報を見せたかったらしい。

優紀の母が見終えて捨てた大人の女性向けのファッション誌。

それを嬉しそうに私に見せてくれた。
「大人の女の人の本だから、少し私たちが着るには大人っぽいかもしれないけど。参考にはなると思うんだ。」たしか、そんなことを言われた。
もちろん、捨てられてた本だから返さなくていいと付け加えて。

しかし、正直なところ、その頃にオシャレに芽生えていたとして、牧野家の家庭事情が許してくれないことだった様にも思う。それでも、親友の気持ちは嬉しかった。

大人の服だからと云うわけではない。ただ単に服に興味がなかった。でも、気持ちに感謝して、一通り目を通そうとページをめくった。
気になる内容に巡り合えるとは思いもしなかった。なのに、ふと手が止まったタイトル。

【幸せを呼ぶ白魔術】

そこには、望みが叶うと記されていた。
私は、環境がそうさせたのだと思うが、幼い頃から女の子が好きな占いとかに関心を示したことがなかった。
しかし、なぜか、そのページに惹きつけられていた。
もしかしたら【幸せ…】と書かれた文字に、少なからず、少女的な願望が、知らず知らずに現れていたのかもしれない。

読むうちに、白魔術と云う言葉にも興味がわいた。

魔法という言葉は聞いたことがある。しかし、白魔術は初めて眼にする言葉だった。
そこには『白魔術とは・・・』が、大まからしいが記されていた。

魔術には白と黒があること。
黒魔術は、主に呪術で人に害を及ぼす術に対し、白魔術は真逆の人に害を及ぼすことはないと書かれていた。
願いを成就させる為のものだと。

私は、なぜか祈ってみようと決めていた。
叶う叶わないは、いずれにしても、わくわくする気持ちが芽生えていた。
満に一つの可能性が、そこにはある気がした。それは、どうしてなのか、今でも説明がつかない。おまじないを信じることなく過ごしてきたのに、なんでだったのだろう。

大人の本に書かれていたいたせいだろうか?
ただ、一つ大変だったのは、その魔術をするのに必要とされる品物を用意することだった。
今でも忘れない。
ジャコウと云う聞いたことも見たこともない、それを手に入れなくてはならないことだった。
他に用意するものは、何とか身の回りにある物だったが、それだけがなかった。ある日、何気なく母に尋ねた。

「ジャコウって知ってる?」
「ジャコウ?・・・・ああ、それは薬の様なものじゃなかったかな?」
「そうなんだ」
「わからないけどね。・・・・でも、なんでつくしが、そんな名前知ってるの?」

母は、逆に聞いてきたが、本に書いてあって気になっただけだと話すと「そうなんだ」と返事をして、深くは聞き返しては来なかった。
後日、母の言葉を頼りに、薬局へ聞きに行って驚いた。確かにジャコウはあるにはあった。しかし、思いのほか高額なものだったからだ。
1万円すると聞き、一気に望みは絶たれた。薬局の主は、私の落胆度が思いのほか強く見えたのか、出口に差し掛かる時、思い出したように呼び止めた。

「そうだ!純粋なジャコウ100%ではないけど、含有した物なら安いのがあるよ。」と。
その値段は3000円。
それまで、コツコツ貯めていた全財産3500円。毎月1000円の中からやり繰りしての蓄え。その内のほとんどを使わなければ買えない。一瞬迷った。確かにカバンの中の封筒に入れてあるお金。

「それください!」

足は後ろへ向き、カバンの中に手を入れて歩き出していた。

かくして、私は白魔術の道具を全て用意できた。これで、ようやく実行に移せる。
しかし、いつでも出来る訳ではなかった。1か月の中でわずか1日のみの明け方に実行出来る日があると書かれていた。もちろん時刻も決められている。

しかも、誰にも見られてはいけないし、知られても効力がなくなるとあった。
だから、実行前夜は早く布団に入り、寝過ごさないようにかなり気を使った。寝ないでいれば、土壇場で寝てしまうかもしれないし、家族も変におもうだろう。
「明け方に起きて勉強するんだ!」
そう言い訳をして休んだのを覚えている。

そして、無事に時刻通りに目を覚まし、本に書かれていた通りの方法で、私は白魔術を念じた。

ただ、その数年は、何も起こらず過ぎて行った。だから、やっぱり真に受けた私が悪かったんだと諦めて、いつしか忘れて行った。
けれど、受験と云う時になり、にわかに身辺が動き出した。本当なら、親友と同じ公立へ進むのが当たり前の家計状態。なのに、こともあろうにセレブ校へ進学させると親が言いだした。難関校でもあり、受けるだけのつもりが無事合格。
そこで、ありえない学生と関わりを持ち、結果色々な出来事を超えて、愛する人に巡り合えた。

やがて、その掛け替えない一人の男性と愛を育み、めでたく華燭の典を迎えた。
それは、今思えば、おまじないなくしては得られない奇跡だったように思う。ただ一つ、『いろいろな出来事を超えて』と、なったのは、ジャコウ100%ではないものを利用したからなのかもしれない。

「つくし!原稿を取りに編集者の人がきてるぞ。向こうに一緒にいるから、書き終えたら来て!」
「は~い」

奇跡の美男子が、ドアを開け私に言った。

その、妻である私は、目下のところ家事と会社の仕事をこなす一方で、雑誌のコラムの依頼を受けて書き始めている。
今回は【占い】についての依頼だった。そこで、私は【女性とおまじない】と題してペンを走らせた。

私の経験談ではなく、一般的に女性が好む占いやおまじないについて書いてみたが、強ち今のご時世女性だけではなく、男性も興味がある人は少なくないようだ。
私は昔を振り返り、今回の依頼を思いのほか楽しんで書いていた。

多くの人がパソコンで原稿を作るのだろうが、私は手書きが好きだ。
手書きで原稿用紙の上をペンを走らせるのが楽しい。
と言うのも
夫の花沢類が『物書きには、万年筆が似合う。』
そう言って、私にペンをプレゼントしてくれたからだ。

だから、私は使い慣れたペンで文字を書いている。
今、それを机に置いて、顔を覗かせた彼の元へ歩き出す。




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コメント

★ NoTitle

こちらの類 つくのお話大好きです。以前のお話夢中で一気読みしました。  涙流しながら。。。優しいお話で癒されます。
ただ、鎮魂歌だけは、切なくて読めません。ごめんなさい。             
この夏からリアルタイムに 読める事に狂喜乱舞しております。       どうぞお身体には、気を付けて、素晴らしいお話届けて下さいませ。                                         前にもかきましたが、初恋の続き、大学での再開ぐらいから読めたら?なんて 勝手に妄想しております(^^)/    

2014-08-31 Sun 09:33 URL | ちび #Lx6uAyHY[ 内容変更]

★ Re: NoTitle

ご無沙汰しました^^

いつも読んでいただき感謝です。
ご希望にお応えし、初恋をアップしました。よろしくお願いします。   

2014-10-06 Mon 12:42 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]
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