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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

風の行方 31 メディア

31【メディア】

思いがけない出来事だった。

それは、町のポスターが記事になったこと。

しかも、地域新聞ではなく、名の知れた週刊誌の一面に紹介された。

政治経済を多く扱う雑誌の記事として。


それがきっかけとなり、いつしか話題のなっていった。しかも、テレビ局のニュースでも取り上げられる事になった。
町は、その話題で持ちきりになっていた。

「つくしちゃんのお陰で、町がテレビに取り上げられた。雑誌だけでもスゴイのに驚いたもんだ!」
役場の会議で、つくしに向けられる称賛。

「いいえ。皆さんの頑張りです。」

つくしは、みんなの力だと純粋に思っている。

「そうじゃないよ。
多少は興味本位の者もいるだろうが、若者からの問い合わせも来てる。
これから、良い事ばかりではない事も、出て来る事があったとしても、初めの一歩が踏み出せた。
なあ、みんな!」
「そうとも」

「後は、町のみんなの見る目とやる気に関わる。
つくしちゃん!ほんとに、ありがとう。」

町長が心からの思いをつくしに告げた。

「良い事ばかりでなくても踏み出す一歩?」
周囲には聞こえないくらいの小さな声で、町長の言葉をオウム返しで呟くつくし。


テレビの取材は、町長と若いメンバーのつくしにインタビューを申し出た。
つくしは、出演を拒んだ。
だが、つくしの事情を何も知らない役員たち。遠慮しているのだと勘違いした。
町一番の功労者と称え、出た方が良いと、こぞって勧めた。

ホントは、出たいと思う役員は大勢いるだろうに、快くつくしを推してくれている。
つくしは、覚悟を決めた。

「はい。」

知られたくない相手に、わかってしまうかもしれない。でも、100%セントではない。全て運だと覚悟を決めた。
賭けのようなものかもしれない。
知られれば、行動に移されるだろう。

でも、いつまでも、こうして身を潜めて居続けられない。それをようやく理解して、これからを見据える気持ちになった。
例え色々あっても、雑草のつくしで乗り切ろうと!


雑誌やテレビに取り上げられる話題のことなど、日時用茶飯事あることで、指して珍しいことではない。
しかし、何か情報得たいとつくしの大学へ足しげく通う類が、ある日学生が話す話題に耳を傾けた。

「うちの学生が、この話題の町興しに加わってるらしいよ。」
「うちの学生?」
「ああ。と云っても、今休学してるらしいけど。」
「へ~。休学してまで町興し?で、どんな奴?」
「たしか、女子。珍しい名前だったな。」
「あのポスターの町だよな?」
「大学事務局にあるあれだったよな。」

類は全身に鳥肌がたった。
休学している女子で、珍しい名前。もし違っても、確かめねばならないと体が動く。
会話にあった大学事務局。その廊下にポスターは貼られていた。

「牧野!」
他の者なら見逃すかもしれない一人の女子の姿。身体を斜めにし、若い子だと判断できても、その顔まではわからない態勢でそこに写るのは、必死に行方を捜している愛しい人に間違いなかった。

もう一人の探し人が、気付かぬ間に先手を打たなければと、類は心と身体が騒ぎ出す。



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