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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

風の行方 29 消息

29【消息】

つくしが姿を消し、早いもので3か月が過ぎた。

アパートには帰った様子はない。そして、大学へも行っていない様子。
しかし、大学へは休学の連絡をつくしは入れたらしいことはわかったが、個人情報だといわれ、詳細を聞くことはかなわなかった。




類と司が、つくしの失踪直後に話しをして数日経った頃だった。
類の元に司から手紙が届いた。

その内容は、つくしの大学に関してだった。
NYの大学は、まだ保留にしたということ。そして、自分のせいで大学へ通えない状況にしたのだから、当然責任を取り学費を納めておいたと云うことだった。
それを伝えるのに、直接ではなく手紙にしたのは、多分そのことで、互いの言い分が食い違ったり、再び口論に発展するのを阻止するための防衛策だと察しがついた。
そして、もう一つ。会社の借り上げ社宅として提供されているアパートのことがある。
類が、関係者に問い合わせると、道明寺サイドから連絡があったと云うことで、そのままに指定医とのことだった。

ただ、住まいはそれで何とかなっても、職場はそうはいかない。
辞令の後の失踪。
拒否にも匹敵する。上司も例え司であっても、処分なしには出来なくなっていた。
結果・・・何とか解雇にさせない事だけしか手は打てなかった。

自主退職。
もう牧野つくしの席はそこにはない。

類もつくしの消息を探したが、何も得られず、今ではつくしからの連絡をすがる思いの中で待ち侘びていた。

「つくし!
どこに居るんだ?」



その頃、旅館で忙しい毎日を送るつくしがいた。

「つくしちゃ~ん!」
「は~い!」
呼ばれて返事を返す笑顔の牧野つくし。
そこで動き回る姿は、既になくてはならない存在になっていた。

「りんさん!つくしちゃんを借りられるかね?」
町役場の職員が度々旅館に来るようになっていた。

「また私に聞くんだから!
本人に直に聞いて下さいよ。本人次第!!」
そして、これが毎回の会話。
「だったら、後押ししてくれよ。」
「わかりました。」
やや呆れ気味に答える女将のりん。

「つくしちゃんのアイデアを採用したら、見違えるくらいに雰囲気が変わって、他所からわざわざ客が来てくれる様になったんだ。」
女将の表情など気にせず言う。
「それで充分なんじゃないですか?
今度は何をしてもらいたいんです?」

「町長に話ししたら、つくしちゃんにPRのアイデア相談に乗ってもらいたいって言うんだよ。」
今回は、町長の名前が出て、りんは初めて表情を変えた。
「エエッ!町長?」
「ああ。」

「なんで、そこまで話しが行く?」
「りんさん!
この町は、見廻せば年寄りと後継ぎのせがれと嫁ごが、せいぜい仕方なく残るくらいで、後の若いもんは都会が良いって行っちまう。
何か訳があるんだろうが、他所から新しい息吹が入って来た事が嬉しいよ。
それを町長も言ってた。」

「ハァ~。
わかるし、ありがたいと思うけどね、あの子なりの事情を抱えてここに居るんです。それを壊す真似はしないでくれますか?」

「ああ。わかってるよ!」
「ふぅ~・・・なら・・・聞いてみます。
ただし、ダメかもしれませんからね!」

ため息交じりに話し終えると、その後つくしを呼び、一部始終を話した。
りんは念を押すように何度も言う。無理はしなくていいからと、嫌なら遠慮せずに断って良いからと。

でも、聞いたつくしは、町のことに自分が参加出来る!つくしは、嫌な気はしていなかった。むしろうれしい。
ただ、一つ思ったことがある。姿を隠している様な自分が加わって良いものかどうか?

その晩、つくしは考えた。
そして出た結論。
「あたしが、皆さんのお力になるなら、参加させて下さい。」
翌日の朝。
つくしを心配するりんに、まず気持ちを話した。つくしが決めたことなら、協力をすると言ってくれた。
そして、その後に役所に連絡を入れた。

ただ、この決断で、静かに暮らしていたつくしの未来がまた変わって行く。

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