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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

風の行方 19 嘘

19【嘘】

類とつくしは食事を終え、心地良さの中で部屋に戻って来た。

閉ざされた空間がうれしくもあり、緊張もしている二人。夜の静けさが、二人きりだと云うことを今夜ほど意識したことはなかった。
そして、何気なく奥の部屋に視線が向いた。そこに並んでいる2つのベッド。2人同時に視線が行く。



緊張を紛らわせようとつくしが言った。
「お・お茶でも飲む?」
「ああ。」
つくしが緊張しているのを目の当たりにしながら、二人は座卓に向かいあう様に座った。

「ど・どうぞ!」
「ありがとう。」
緊張を悟られないように笑顔で振る舞うつくし。何かしていた方がカモフラージュできる気がした。座卓の上に置かれた備品の茶道具。それで、お茶とお菓子を整え、類に視線を合わせずに、差し出したつくし。
「緊張・・・してる?」
「わかっちゃった?」
「うん。しっかりと。」
「だ・だよね!
すごく嬉しいんだけど・・・改まってこうして旅館に2人で居るって言う事が、緊張する・・・みたい。」

「きっとそれは、俺がつくしを抱くと言う事がわかるせいだよ。」
「ち・違う。」
オブラートに隠すことなく言葉を告げた。
「ううん。少なくとも俺はそうしたいって思ってる。あんたは誰にも渡さない。」
「あたし・・・」

そのタイミングで携帯が鳴る。着メロから、それがつくしの携帯とわかり、急いでカバンから取り出すが、相手を確認して呟いた。
「道明寺!」
その言葉で、今度は類に緊張が走る。
「司?」
でられないままに開いたそこをジッと見続ける。長い沈黙が流れ、着信のメロディーだけが静かな部屋に響き渡った。

「でなくて良かったの?」
「うん。でたら気付かれる。2人で居る事。あたしお芝居下手だから。」

「お芝居?」
すると今度は類の携帯が鳴る。一瞬迷った。でようかでるまいかを。しかし、自分まででないのは上手くないと考えて、思いきってでた類。

「司。何?どうした?」
「類か!元気か?この前は、すまなかった。」
「ああ。良いよそんな事。それに元気だよ。そっちも元気そうだね。」
「まあな。心は少し悲鳴を上げて入るがな。」
「ん?まだ何かあった?」
「また牧野に連絡がつかねえ。
携帯にでられない状況なのか、幾らかけてもでやしねえ。
類お前にもかけてた。今でなきゃ、また2人は一緒か疑うとこだった。」

「ん。もしまた一緒ならどうしたの?食事に行ってたかもしれないのに。」
「まあ、そう言う事もあるだろうが。俺が留守の間に、2人きりで会ったりしてるのを聞けば、やっぱり面白くねえのは確かだ。」

「今どこ?これから会う?」
「会いてえが。まだプライベート機の中だ。専用電話でかけてる。もう直ぐ着くから、今度は不意打ちじゃなく、会いたいって話そうとして連絡したのによ。」
「そ・う。」
「でも、今夜は疲れたから、類・・・お前とも明日以降に会おうぜ。なっ?」

「うん。」
「牧野の居所知ってるか?」
「ううん。でも、仕事で付き合いが増えたらしいから、それででられないのかも?」
「男じゃないだろうな?」

「さあ。俺は詳しくは知らない。」
「そうか。でも、類とだけでも話しが出来て良かった。あきらと総二郎には、昨日連絡しておいたからな。」
その時だった、間が悪い事は重なるのか、つくしの携帯が鳴り出した。

「アッ!」
着メロと共に声が漏れるつくし。
「類!部屋に1人で居るんじゃないのか?」
「ああ。仕事で出てる。今、仕事の打ち合わせ中。会議室に居るんだ。」

「側に誰が居る?」
「会議室なんだから、社の人間さ。」
「そっか。」
「ああ。」
「まあいい。じゃあな類。ゆっくり会おうぜ。」
「そうだね。連絡待ってる。」

電話を終えた類と司。

「類。
俺は少し前に会社に連絡したんだぜ。でも、お前は休んでると聞いたばかりだ。
なぜ嘘を言う。」
切った携帯に向かい司がつぶやく。

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