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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

風の行方 4 すれ違い

4【すれ違い】

就職や進学の苦悩を抱えたつくしに取って、春から冬への月日の流れは人生の中でも飛び切り早いものだった。

受験に追われない大学までの一貫校の優雅な生活を送る学生が大多数の中で、夏の暑い最中も勉強とバイトにと相変わらずの日々を送るつくしの暮らし振り。

その姿を間近に見ていた友人達、それを本人が苦にする事なく過ごす姿勢が周囲を不思議がらせた。



花沢類のお陰でどんな内容であれ正社員として仕事に就けそうだと言う事が何より嬉しい。

その結果、英徳での進学の件は無理だと担任に告げた。そして兼ねてからの意向通り二部制の大学に受験すると言う事も話した。間もなくその試験日がやって来る。

もう直ぐつくしの卒業式。NYから深夜につくしの元に連絡が入った。
「俺だけど。」
久し振りの声。恋人なら嬉しいハズが、なぜか沸きたつ感情が起こらないつくしだった。
「どした?」
既に眠りに着いていた中での電話。
「何だ!寝むそうだな?」
多忙な中で、ようやく掛けられた電話。
「寝むそうじゃなくて寝てたんだよ。」
「アッ・・・そうだったな。わりィ。」
素直に詫びる道明寺司。
「良いよ。忙しいのを解ってるから。」
「うん。お前プロム出ないって言ってるって聞いたんだけど?」
「ん?誰から?」
「アッ!ああ・・・滋から・・・」
「ん?滋さんと話ししたんだ?」
「ああ。時々連絡寄こすんだ!俺が頼みもしねえのに・・・・・」
「そっか・・・・・うん。そうだよ。出ない事にした。」
「去年渡したドレスを着るのじゃイヤか?」
「ううん。ドレスとかじゃないんだ。それに参加する意味がないから出ないの。」
「意味?」
「うん。親しい学友との別れを惜しんだり、その先の色々を語り合う同学年の友達が英徳にはいないから卒業式だけしか出ないの。」
「俺が行けそうなら無理やりにでも連れ出すんだがな。でも行けそうにない。悪いな。」
「良いんだよ。花沢類や美作さん・西門さんも行ってくれるって言ってくれたけど断ったから。」
そのつくしの言葉を聞いた後、少しの間押し黙った道明寺司だった。
「その言葉聞いてて何か複雑だ。」
「ん・何で?」
「ウ~ン・・・・・いや、いい!こっちの気持ちの問題だ。」
「それだけ?」
「はぁ?それだけって・・・牧野おまえなぁ!ハァ~」
また言葉を飲んだ道明寺。そして、一番聞きたかった事に触れた。
「進学の事はどうするんだ?」
心配する相手の想いを知ってか知らずかつくしは答える。
「するけど・・・道明寺の考えてる進学じゃないと思う。
フワァ~・・・・・どう・・みょう・・じ・・・もう瞼が塞がりそう・・・切るね・・・おやすみ・・・」
一方的に深夜に電話を掛けて来た道明寺。一方的に眠いからと電話を切るつくし。

道明寺は受話器を持って呟いた。
「俺も勝手だがお前も相当な女だ。滋の方が彼女みたいな気がしちまうぜ。頻繁に連絡をして来るし手紙も!俺もしないが牧野もして来ない。肝心な事も話しをしては来ない。
金も受け取らない。連絡をしたと想えば眠いからと切られる。いったい俺達は何なんだ?」

つくしはその夜も疲労困憊で眠りに着いていた。でも身近にいない道明寺にはつくしの多忙さは判断出来ない。
恐らくそれを理解出来るのは仲間だけ。中でも親友の松岡優紀とバイト事情も受験の事も良く知る花沢類だけだろう。
後の仲間は元気なつくしの上辺だけしか知らない。

この所の睡眠時間は3時間とれれば良い方のつくしの生活。丁度その狭間の貴重な睡眠時間中に電話を受けていた。
側に居ないと言う関係で起こるずれが少しづつ形になって見え始めた2人だった。



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