STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

風の行方 2 進路

2【進路】

つくしが大学進学を選んだ。
自力での生活環境で変わる事と言えば、昼間だった学業が夕刻になり、夕方からだったバイトが昼間に変わったこと。


昼間働きながらでも進学を選んだつくし。きっと、考えるよりキツイかも知れない。でも、自分の力で通える。誰の力も借りる事なく進める事が、今は嬉しい気がした。

今それを一番に伝えたい人がいた。その人に連絡を入れたつくし。
「花沢類!話しがあるんだ。今・・・平気・・かな?」
大事な話しがあるから会いたいと伝えたつくし。
「珍しいね。牧野から会いたいなんて誘いの連絡くれるなんて。うん。解った。で、どこに行けば良い?」
「いつものとこで良い?」
「うん。」
「ありがと。」

2人の共有する大事な空間。その非常階段でつくしは類を待った。思うより早く現れた類。
「牧野!」
つくしにしか見せない笑顔で姿を見せた。
「花沢類、随分早かったね?」
「牧野がこんな急に呼ぶなんてないから、急いで来たんだよ。」
「エッ!う・うん。ごめん。」
進学を選んだつくしだが、英徳に残れない事実はある。その笑顔を前にして話す気持ちが揺れる。
「謝らなくても良いよ。で・・何なの?」
「う・うん。卒業後の事・・・決め・たんだ。担任にさっき伝えても来た。」
直ぐに話したい相手。ただ、何て言われるか心配になった。
「うん。それで、どうする気?」
「うん。二部がある大学を受験しようと決めたんだ。担任は、奨学金でここに残る事を提案してくれたけど、借りれば返すようだから、それは出来ないって言った。」
やっぱり類の顔から笑みは消え、うつむくつくしに真顔で声をかけた。
「働きながら行くって事だよね?」
「うん。今と変わりないんだ。ただそれが昼夜が逆になるだけの話し。」
何の問題もないような言い方でさらりと交わす。

「フッ・・・でも、ここには居なくなるんだよね?」
今度は類が寂しげにつぶやいた。
「う・うん。だから、だからね・・・花沢類には、早く話したかった。」
つくしが類にわかって欲しいと言うように話す。

「何だか複雑。牧野がこの学園の中に居なくなるって言う事が。」
「ありがとう。確かに、会い難くはなるね。でも、遠い所に行く訳じゃないもの。いくらでも会えるよ。」

少し2人の会話が途切れた。先に話しだしたのは類。
「ねえ、牧野。前に俺が援助するのも嫌だって言ったよね?」
「う・うん。言った。あたしの本心だよ。」

「俺は、それを受け入れた。でも、俺達はお互い助け合うんじゃなかった?」
「うん。花沢類には、これまでいっぱい助けられた。」
「ううん。俺の方が助けられた。その何十倍も。」
「クスッ。花沢類・・・珍しいね。そんなにムキニなってさ?」
その言葉の後、類が見据えるようにつくしに言い返す。
「今の話を素直に飲む代わりに、俺の希望1つ聞いてもらえる?」
「エッ?な・何?・・・その内容によるかも!」
表情にビクッとしながらつくしが言う。
「聞かないなら、独断で大学に送金するけど良い?」
「そ・それはダメ。絶対に!!わ・わかった。聞くから・・・花沢類の希望聞くから。」
見つめ合う2人。
そして、ポケットから手帳を取り出し何か書き出した類。
「だったら、これにサインしてくれるかな。」
つくしの目の前に差し出した。それは、話しの内容の送金がペナルティーと云う承諾書を急遽作った。そこにサインをつくしに迫る類。
紙をジッと見た後、つくしは手帳の上のペンを取り、紙にペンを載せた。
「サインしたよ。これでいい?それで?その希望を聞かせてよ。」
「花沢の会社に就職して欲しい。」
淡々と切り出された内容につくしは驚く。
「な・何言ってるの?大卒でも入るのが難しい花沢類の会社に、高卒でどうして入れるのさ?
あんまり無茶言わないで。それに、何れは社長かもしれないけど、今はお父さんが社長なんだから、決められる訳ない。」
微かに口角を上げながら答える類。
「ううん。
ホントはそうならないとイイって思ってた事だった。一緒の学園の学生でいて欲しかったからね。」
一端そう言うと、大きく溜息を吐いて再び話し出す。
「実は前に大学後の事を親父と話した事があってね。その時、何となく親父に聞いたんだ。高卒の後輩を勤めさせてくれないかって。
部署がどこでも良いなら、考えない事もないって。」
「エッ?ホ・ホント?」
「ああ。」
薄々つくしの言い出しそうな事だと考えていた類。もしもの場合を考えていた。
「あの・・・実を言うと、それって凄く助かるかも。中々世間は厳しくて、大卒の人でも中々探せないみたいだから。」

「じゃあ・・何で初めから言わない?」
強い口調になっていた。
「怒らないで!別に見栄を這ってた訳じゃないんだから。バイトの掛け持ちでも良いかなって、そう思ってもいたから。」
「フッ・・呆れるよ。F4を囲みながら、ひと言も相談もしない、援助も断るあんたの根性。」
「仕方ないよ。今更性格は変われない。」
苦笑し合う2人。
「まあ・・・そうだけど。」
「有り難い話しだねど、でも無理はしないで。ダメでも平気だからさ。勤められるなら掃除仕事や食堂でも嬉しいかな。」
「牧野!」
空を見上げ明るい笑顔で言っているつくしが眩しく見えた。

この時、類は司の事には触れなかった。触れてはいけない気が・・・した。




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