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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

Destiny  36 和解

2012-09-17 Mon 13:30

36【和解】

類は静を誘った。
静はフルールを選んだが、類は他にしようと言い、その結果誘いをかけた類が選んだホテルのラウンジで待ち合わせる事になった2人。
類にとって、その選択は静の居心地の良い場所を乱したくない心配りだった。

静には類のその思いは届いてはいないらしく、いつもの様な笑顔は見せない。あるのは生まれ持っての華やかさで、目の前のその表情は硬かった。
ただし、場所を類自身の決断で決めたその時点で、静には解っていると言う様な雰囲気は察しは着いた。

その日、ホテルのラウンジは幸いにもそれ程に客はおらず、話しをするのには都合のいい雰囲気に思えた。

先に来ていたのは、言うまでもなく類。
その後、時間ぎりぎりに静が姿を見せた。唇の口角をほんの少し上げた程度の笑みで到底いつもの笑顔とは言えない表情をしていた。そして、その視線は類の姿を捉えながらゆっくり近付いた。

「待った?
でも、遅れてはいないわよね?
類から誘ってくれるのは・・・何かあるのね?」
直ぐに切り出す静。

「呼び出してすまなかった。しかも、会う場所を譲らなくてごめん。」
類は座る椅子から立って、姿を見せた静を迎えるや否や早々に詫びた。2人は互いに顔を見つめ合いながら席に着いた。
飲み物の注文を済ませた後、しばし無言の時を過ごした類と静。目の前にカップが置かれたその直後、先に切り出したのは類。
「静!今日は・・・」
すると、静が直ぐ様反応した。
「止めて!やっぱり、言わないで。私から言わせて。
ごめんね類。意地悪して。」
「静?」
「解ってたの。類がもう昔の類じゃないって事。」
うつむきながら、類が言葉を発する前に言い切りたいと云うように言葉を続けた静。それに応え類が返す。
「じゃあ・・・」
類の言葉を遮るように再び続ける静。
「そう。悪あがきしてたの。素敵な青年になった類が目の前に現れて、もしかしたらって。
でも、直ぐに気が付いたわ。もう、戻れない事。
つくしちゃん、綺麗になったわね。ここまで来る勇気に若さを感じる。
司が言ってたわ。
類の気持ちの中に、もう静は入る隙はないから諦めろって。」
その言葉に驚きの反応を見せる類。
「司が言ったの?」
静はその驚きように、返って驚きを見せた。
「ええ。どうかしたの?」
でも、次の瞬間、その類の顔から笑みがこぼれる。
「クスッ。やっぱり優しい奴だよ。」
意味のわからない静は、不可解と云う表情を類に向けて少し不機嫌な口調で返す。
「何が優しいのよ。
それで、私悔しくなって、絶対に類と愛し合える間になるって決めたのよ。」
「静?」
まずかったかと気になりながら静を見る類に、以外にも見つめたその顔は、それまでとは変わり諦めを付けた穏やかさが伺える気がした。

「大丈夫。もう諦めたわ。
私、ダンの強引さの方が合うみたい。まだ、返事をしてあげてはいないけど、ウィルに説得されたの。」
「ウィルに?」
その名に過敏に反応した類。
「ええ。昨日、フルールで会いたいって言うから、珍しい事もあるって待ち合わせしたの。
どうやら、ダンがウィルに頼み込んだみたいで、ウィルが私に彼が本気だから、自分の気持ちを話してくれってね。」
類は、昨日の経緯が想い出された。
「ウィルは、類の事がとても好きみたい。良い奴だって言ってた。つくしちゃんを好きらしいのも伝わって来たわ。
少し、この先の3人が心配よ。私が手を放してもね!」
この時点でようやく互いにスッキリし合う笑顔を見せ始められた。

「静  ありがとう。でも、大丈夫。きっとうまく行く。ウィルを俺も好きだから。」
「頑張って!
今度は応援する立場で見守るから、何かあったら相談して!」

「本当にありがとう。静。」
「私達の指の先には糸はなかったのね。悲しいけど。」
「もっと静に似合いの相手は他に居るさ。」
「つくしちゃんに謝っておいて。気持ちのやり場がなくて、ひどい事言った気がするから。」
「ああ。でも、きっと牧野は気にしてないさ。静が大好きだから。」
「もう・・類ったら!!
尚更辛いわ。今度、みんなでお食事しましょ。私がご馳走するから。」

「クスッ ああ そうしてくれたら最高に喜ぶよ。そう言うやつだから。」
「あら、悔しい。何その笑顔。
でも、もう良いわ。類のお守は、つくしちゃんにバトンを渡す。」

「オイオイ!俺は、ガキじゃないよ。」
「ううん。子供よ。私の前ではね。
でも、類。今度は、大人として包んであげてね。私みたいに後悔しない様に。」

「うん。絶対あいつの手を放さない。」
「司が、今度は後悔する番ね。
泣いてたら、私が慰めてあげるわ。姉貴分として。」

「うん。頼む。」
「類!      ここを選んだのは、私を想ってでしょ?ありがとう。」

「そう言う訳じゃないさ。」
「そう言う類、私好きよ。」

「ダンに知恵を伝授してあげようかな。静がこうすると喜ぶよって。」
「頼もうかしら。でも、やっぱりやめて!
類を想い出すといけないから。ダンは、彼なりの良さのままが良い。もう少しジラして、それでも私を愛してくれそうなら、考えてみるつもりだから。」

「キツイな。」
「類に言われたくないわ。」

「そっか。ごめん。」
「クスッ!嘘よ。」

その顔は、元の華麗で光り輝く美貌の藤堂静そのものになっていた。
「じゃあ。握手しましょ。」
「うん。」
2人は握手を交わし、見送られて退席したいと言う静の言葉通り、均整のとれた後姿を類はそっと見送った。
「静 ありがとう。」
その姿にそっと呟いた。


Destiny
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ウィル・松岡       ソルボンヌ大学2年生
             長身・スリム・美形3拍子揃った上に、スポーツ万能。性格も優しく紳士的
             会社経営の何れは後継者。     

シモン・松岡       シャルレ-ニュ高校3年生 つくしのクラスメイト
             長身・スリム・美形 兄程ではないと自覚している。
             物怖じせず、積極的な性格

ウィル&シモンの     父 松岡賢治
             母 エミり

ダン・ベーリンガー    藤堂静 に好意を持つ青年実業家
             あきらに似たタイプの20代後半の青年。甘いマスクに行動的な性格。

ジョン・スぺイシー先生  シャルレ-ニュ高校の担任  

コンシェルジュ              体育会系でガッシリしている30代のスポーツマンタイプの男性教師

    アラン・ロベール   
             つくしに対して、好意的 呼び方も『牧野様』では無く『つくし様』
             父・晴男と同じ位の年代のその紳士。何となく親しみを覚える。

    カトリーナ・マリーズ  
             20代後半位の女性  既婚者だが、まだ子供はいない
   
    イレーヌ     シモンと同い年の少女 シモンのガールフレンド 
             ウィルも唯一同じ土地で妹の様に親しく付き合える女子

小郡先生         英徳学園の牧野つくしの担任 留学に尽力してくれた

パリのつくしの住まい 305号室 2LDKの内容の部屋 備え付けの家具
             マホガニーのチェストにテーブル。
             ソファーは革張りの座面に肘置き付き。1人掛けの猫足の椅子。
             つくしの落ち着くのはダイニング。色は明るくクリームに近いイエローカラー。
             他には、寝室とゲストルーム。主寝室には、デスクとキングサイズのベッド。

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コメント

★ 嬉しいです♪

更新ありがとうございます。
いつもお部屋を覗いてまだかな~と待ちに待っていました。
静が分かってくれて本当に良かったです。
静に憧れている分、つくしにとってはコンプレックスですからね。
やっぱり類とつくしは「運命」の二人です。

2012-09-17 Mon 18:55 URL | びすけ #-[ 内容変更]
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