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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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Destiny 35 握手

2012-07-01 Sun 00:00

35【握手】

翌朝、ウィルから連絡が入った。
家の用事が入り、1時間待ち合わせ時間をずらして欲しいと云うもので、だから車でつくしを迎えに来たいと云うものでもあった。
それと、出来れば色んな意味を含めて、約束の場所を変えたいのだとも言われた。つくしは、迎えの件は柔らかく辞退し、会う場所のことは承諾した。そして、ウィルに自分が選んで良いかと提案する。ウィルは快くOKしてくれた。

待ち合わせ場所は、リュックサンブール駅の改札を選んだ。だから、車ではなく路線で互いにそこへ向かった。
先に着いたのはウィル。
つくし自身、ウィルより先に着いていようと出向いたのだが、それよりもウィルの方が先に着いていた。

「つくし!」
明るい声でウィルに名を呼ばれた。
「ウィル!」
つくしも返し、手を振って駆け寄る。そんな2人を周りから見れば、初々しい恋人の2人に映るに違いない。

つくしはバスケットを手にしていた。すると、ウィルがさっと手を差し出す。
「つくし!その荷物持つよ!バスケットかして。」
つくしはバスケットに視線を向けてからウィルを見つめバスケットを渡した。
「ウィルありがと!早かったね。」
「ああ。家の用事が思ったより早く済んだんだ。」

「そっか!よかった。時間があったから、サンドイッチ作って来ちゃった。2人で公園で食べよう。」
「ああ。つくしありがとう。」
「うん。」
2人は歩き出した。

2人が向かったのは、リュックサンブールにあるその駅名と同じ名の公園。
そこは、無料で音楽公演が聞く事も出来る上、池や美術品があり眼も耳も楽しませてくれる。
フランスを語る書籍に数多くこの公園の名前が出て来るような有名な場所。広大な敷地では、子供から年配者まで楽しむ事が出来る公園と記されている。

つくしは、突然切り出された場所変更だったけれど、直ぐ様一度訪ねたかったその場所が思い浮かんだ。そこでなら、どんな会話になっても空気感が包み込んでくれる気がしたからだ。


公園に着き、ベンチに2人は座るとウィルから話し出す。
「つくし!誘ったのは僕だけど、何か話がありそうだね?」
「ウィル?」
迎えを拒んだ事でウィルは何かを察している。

「でも、その前に食べたいな。つくしのサンドイッチ。」
「うん。食べて!好きな物が、まだわからないから、自分の好みで作って来たけど。」
好きな物さえまだわかり合えていない浅い付き合いだと言われた気がして、つくしを見つめながらウィルは一瞬押し黙った。

「ん?ウィル・・・どうしたの?」
「エッ?あっ・・・ううん。ありがとう。大丈夫。好き嫌いはないから。」
その表情から見ても、言ったつくしには、そんな深い意味の言葉ではなかったのだろうと思い直した。

「うん。なら良かった。」
キュンとしてしまう笑顔が、ウィルの目の前で咲いていた。

2人はつくしがポットに入れて来たコーヒーを飲み、身体も包み込まれる味のサンドイッチをほおばった。

食べ終えてウィルは歩こうと誘う。つくしは、快く受けて2人は歩き出した。
歩きながら、しばらくは他愛のない会話で時間を過ごした。お互いの今迄のことやつくしが間もなく過ごす予定の大学の話し。

ウィルは、先輩後輩になるつくしとの関係を幸せだと言いながら先を続けた。

「つくし!出来るなら幼い頃、日本に居る時に出会っていたら良かった。」
「ウィル?」

「わかってる。つくしが想う相手が、類だって言うこと。そして、類も同じだと言うことも。」
「・・・・・」
つくし自身は、そう言われてもまだ自信などない。でも、今は否定しないで聞いていた。
「だから、言わなくても良いよ。」
「ごめんなさい。」
「謝ることもないさ。僕は嬉しい。好きだと想える感情を呼び起こしてもらえたんだから。」
「ん?」

その言葉に驚きを見せるつくし。
「可笑しい言い方だろ?でも、正直な気持ちさ。」
つくしは、全てに恵まれている目の前の青年でも、何か事情があるものなのだと知る。

「ウィル!あたしあなたと会えなくなるのは寂しい。友達でいたい。」
「ああ。僕も縁を切ることなんて到底望まない。類も好きだ。」

「ありがとう。」
「シモンには、このまま言わずにいてもらって良いかな?」
ウィルがシモンの名を出した。
「シモン?彼は問題ないでしょ?シモンは友達だもの。」

「クスッ。あいつ、その言葉を聞いたら、尚更ショックを受けるな。
でも良いさ。喧嘩友達のイレーヌが帰って来たから、その子に振り回されて、それどころではいられないだろうから。」
「ん?」
ウィルは、つくしにその想いが何も届いていないと知り、気の毒に想いながらもそれで良かったとも受け取った。隣の可愛い笑顔のつくしとこれからもこうして居られるのだと安堵しつつ、男心に鈍い可愛い笑顔のつくしを見つめた。

帰りも来た時と同様に、改札で向き合ったつくしとウィル。
「送らなくて良いの?」
「うん。ここが良い。」
「また、こうして今日みたいに会えるかな?」

「うん。でも、次からは花沢類が居ても良いなら。」
「クスッ!仕方ない。良いよ。つくしのサンドイッチが好きになったから、それくらいは目をつぶる。」

「クスッ!うん。じゃあ、一緒に会おう!!い~っぱい作るよ。」
「楽しみにしてる。」
「あたしも。
ホントにウィル・・・ありがとう。」
つくしは、ウィルに手を差し伸べた。笑顔でそれに応え、ウィルは手を握り熱い握手を交わす。すると最後に引き寄せ、つくしの額にキスをした。
「ん?」
「次は、類が居るなら出来なくなると思ってさ。友情の証。」
「ウィル。」
一瞬唇にキスされるかと思ったつくし。
「じゃあ。」
「うん。またね!」
つくしが見えなくなっても、ウィルは少しの間その場に佇んだ。予想はしていたことだった。
でも、淡い期待を持ち、待った・・・。
「つくし・・・ホントは唇にキスしようとしたんだ。でも・・・類が邪魔をした。クスッ!ここに居ないのに意外にあいつ嫉妬深いな?」
不思議につくしを見送った後であっても、爽やかな風がウィルを包んだ。新たな気持ちで前に進める風として!

ウィルは、深呼吸をし、爽やかな笑顔で歩き出した。



Destiny
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ウィル・松岡       ソルボンヌ大学2年生
             長身・スリム・美形3拍子揃った上に、スポーツ万能。性格も優しく紳士的
             会社経営の何れは後継者。     

シモン・松岡       シャルレ-ニュ高校3年生 つくしのクラスメイト
             長身・スリム・美形 兄程ではないと自覚している。
             物怖じせず、積極的な性格

ウィル&シモンの     父 松岡賢治
             母 エミり

ダン・ベーリンガー    藤堂静 に好意を持つ青年実業家
             あきらに似たタイプの20代後半の青年。甘いマスクに行動的な性格。

ジョン・スぺイシー先生  シャルレ-ニュ高校の担任  

コンシェルジュ              体育会系でガッシリしている30代のスポーツマンタイプの男性教師

    アラン・ロベール   
             つくしに対して、好意的 呼び方も『牧野様』では無く『つくし様』
             父・晴男と同じ位の年代のその紳士。何となく親しみを覚える。

    カトリーナ・マリーズ  
             20代後半位の女性  既婚者だが、まだ子供はいない
   
    イレーヌ     シモンと同い年の少女 シモンのガールフレンド 
             ウィルも唯一同じ土地で妹の様に親しく付き合える女子

小郡先生         英徳学園の牧野つくしの担任 留学に尽力してくれた

パリのつくしの住まい 305号室 2LDKの内容の部屋 備え付けの家具
             マホガニーのチェストにテーブル。
             ソファーは革張りの座面に肘置き付き。1人掛けの猫足の椅子。
             つくしの落ち着くのはダイニング。色は明るくクリームに近いイエローカラー。
             他には、寝室とゲストルーム。主寝室には、デスクとキングサイズのベッド。

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