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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

BAD / ワル 1 ファーストキス

2018-07-29 Sun 23:00

メインブログの【完結】作品です。誤って途中の作品から完結に至るまで削除してしまった為、止む無く公開を止めていました。しかし、幸せな事にリクエストをくださるメールに心を動かされました。ただ、待っていてくださる方が、途中から新作内容となりがっかりされるかもしれない事を懸念せずにはいられないのも正直な気持ちです。
色んな気持ちを含めて、公開を決めました。よろしくお願いいたします。
尚、この作品は元作品をだいぶアレンジしていますので、その点もご理解の程よろしくお願いします。

1【ファーストキス】

誰が名付けたか「悪」ワル。

リーダーの道明寺司を筆頭に、抑え役の美作あきらと破天荒な西門総二郎。そして、無気力な花沢類。
同じ歳で環境も似ている4人。幼少期の学び舎で出会い同じ匂いに募った4人。
その育ちが一端だろうか・・・美しい風貌とは異なり、鋭い視線・激しい言動・横暴な振る舞い。その全てが周囲を威嚇する。

高校時代までやりたい放題過ごして来た4人。
学園関係者であっても、口出し出来ない彼らの存在は親の存在の大きさにある。単に金持ちと言うだけではない。
政財界に顔が利き学園の運転資金も援助しているその力を子息として思う存分利用して好き放題をしている彼ら。

高校を卒業し、大学に進んでも年下にも拘らず目上の上級生であっても一目置いたその存在。もはや独裁者の独壇場だった。
大学生活も3年になると未青年ではない事も相まって、唯一親に止められていた酒を公の場で飲み始めた。
必然的にそれを扱う夜の大人の店にも毎夜出入りしている4人。



その日、初めて出向いた公園で前日の酒が抜け切れていない類は、昼寝をしようと顔に光避けの本を乗せごろりベンチに寝転んだ。
すると数分後、顔に置いた本をいきなり取り上げられ顔を覗かれた。本を取り払われ眼の前間近に言葉を掛けて来た1人の女子。

「悪いけど、あんたのお尻の下にあたしの大事な物があるの!寝た所で申し訳ないけど、どいてくれないかな?」
真っ直ぐにハッキリした言葉で指示された類。
「イヤだと言ったら?」
微動だにせず言い返した。
「ハア?意味解んない。何でイヤなのよ?あたしの大事な物があるって言ってるでしょ!」
相手を覗き込む態勢で切り返す。
「人に物を頼む時、そんな言い方をしてすんなり行くと想う?」
「アッ!・・・そ・そうだったね。それは、あたしが悪かった。ごめん。でも、早くお願いだからどいてよ!講義に遅れちゃうんだよ。」
言われてみれば、それはもっともだと姿勢を正した。すると、顔の上の雑誌を取り相手の姿を一瞥する。
「学生?」
「う・うん。そうだけど!・・・もう!そんな事どうでも良いから・・・早くぅ~!!」
シビレを切らし類の手を引き体を起こそうとした。その拍子に類も体勢を崩しベンチ下に2人で倒れこむ。
「「うわぁ~・・・」」
思い掛けない出来事だった。

タイミングが良いのか悪いのか、そこに仲間3人が、揉めている2人の前に到着した。
「類!何してんだ?そんなハリガネ女とキスなんかして!」
司が叫んだ。
「お前!いつからそう言う趣味?」
ニヤつきながら総二郎が言う。
「リスみたいな女!」
あきらが笑う。

思いがけず転倒して、体が重なりキスをし合う状況になった2人。

「ハッ!」とした時点から類の身体の下で手足をバタバタさせてもがくその女子。小動物をからかう肉食動物の心理にも似た感情で面白くなり、一端は顔だけ放してみたものの見開く驚きの瞳に興味が湧いた。
そして、漂う匂いにも何かが疼く。それは香水ではない石鹸の匂い。

あわせて3人に野次を飛ばされている事にも面白さが加わり、もう一度、今度は不可抗力でなく自ら進んで女子にキスをする類。
大抵の女子なら、チャンス到来と類に迫るのが普通。でも類は、その手の相手を最も嫌う。されると同時に恐らく突き飛ばすのが常。決して相手の望みを叶えない。
ところが・・・・・

「ウッ!」
類が苦痛の顔をして身を放した。
「何する!!!」鋭く女子を睨む類。
「何するって?それはこっちの台詞。ウッ!ペッ・・・・・汚ない!
見も知らない男にファーストキスをされた上に、不意打ちで驚いて開けた口をもっとこじ開けてまで、中に入れて来るような汚らわしい舌に触ったかと思うと吐き気がする。
いい!少しくらい顔が良いからって、どの女も素直に言うこと聞くと思ったら大間違い!
ったく!もうこれで今日は講義出るの諦めた!1講義代を無駄にしたよ。弁償して欲しいくらいだよ。
うぅ~・・・
それから言っとくけど、手加減したんだからね!舌を噛み切られなくて良かったって感謝してもらいたいよ!」

立ち上がりながら、思い切り啖呵を切ると類の下に置いたと言う物を持って行くのも忘れ4人を尻目に駆けて行った。

「なんだありゃ?」
「ファーストキスだと!」
「汚らわしいだって!」

「「「ウワァ~ハハハハハッ・・・・・」」」
類の側で芝生に転げ回り笑う3人。
「いい加減にしろよ!!」
類は怒鳴り声を発し、仲間に怒りを露わにしていた。
「「「・・・」」」

「それにしても、おもしれぇ女!」
司がポツリ言う。
「何て女?」
総二郎が尋ねた。
「知らない。学生としか。」
類が答える。

「オイ見ろよ!・・・ん?なんだこれ?」
あきらがベンチの上に置いてあった書類を手に取った。
「それを取りたくて俺にどけって指図したから素直に聞いてやらなかった。」
「その結果が、あれだったって言う訳か!」
あきらに類が怪訝そうに言った。


その封書には、履歴書とバイト先の電話や住所、そして屋号・勤務時間が記されている紙が入っていた。
「この屋号・・・何か普通じゃないぜ!」
「普通じゃないってどう言う事だ?」
「企業とかショップとか言う女子大生が勤めそうな店の名前じゃないって事!」
「どれどれ?」
「ミステリアスハウス・ドリームルームだと!」
「なんか、マイナーなイメージの店の名前じゃねぇ?」
「野暮っぽい!笑えそうな名前。オーナーのセンス疑う。」
4人がそれぞれに言い合い、面白がる言葉を口にしていた。

「ここに行ってみる。」
類が封筒を手にしながら言う。
「あんな事されたのに届けるなんて優しいね類君!」
茶化す総二郎。
「誰が届けるって言った?」
ジロリ総二郎を見据えて言う。
「ん?類何考えてる。」
すると珍しく司の方が類の言葉に驚いた。

「侮辱されたお礼!しない・・とね。」
「怖いぜ類!」
「でも・・面白そうだから俺も行く!」
「皆で行って見るか!何の店か調べてな。」

「ところで・・・3人はどうしてここが解った?初めて来た場所なのに。」
類が表情を変えて聞き返す。

「この公園前で車から類を偶然見掛けたんだ。大学に行ってあきらと総二郎に話したら二日酔いかも知れない。きっと寝るんだろうから邪魔しに行こうって事になった。」
司が類を見掛けた事を説明した。
「でも、先を越されてた。そこで目にした面白い光景!キスだけは拒む類の麗しい唇に触れられたって言うのに!
なのに・・あんなチャッチイ女じゃあり得ない様な勿体ないことをしてもらえたのに・・・バカな女だぜ!
でも何でしたんだ類?」
総二郎が笑みを含みつつ言う。
「フフッ・・珍しい匂い!それがかえって男を惹きつける・・・そう言うこともある。」
司が見透かす様に類を見ながら言った。
「オイ司まで!」
何やら不穏な様子をあきらが警戒するように一言告げた。

「フゥ~ン・・・確かにそうかもな・・・なんか久々面白いことを経験できそうだな。」
格好の獲物を察知したハンター視線の総二郎。
「総二郎!」
「ハァ~・・・俺1人で3人制御は勘弁してくれよ。」
中でも唯一穏便を願う立ち場のあきらが今度は溜息を吐いた。

傍若無人に振る舞える学園では、これと言って変化のなかった学生生活。それぞれが、やっと面白い獲物を見つけた感覚になっていた。


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