STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

アンサー? 後編 一緒に居たい

ここでの設定
大河原滋は、道明寺司の見合い相手では無く、英徳のF4の同級生と言う設定にしてあります。
また、9月30日。一部修正いたしました。

後編【一緒に居たい】

類は、つくしと2人で居られるだけで充分だった。取り立てて乗り物に興味はない。

ビックだかビックリだかのアトラクションも特に乗りたいとも思わない。でも、それに乗ったつくしの反応が見たい想いはある。

「牧野!あんた怖がり?それでジェットコースター乗れるの?」
「う・うん。少し怖い・・かもしれないけど、の・の・れる・・よ!」
心で「ヨシ!」と呟いた類。
「俺もそんなに強くはないかな!」
それはウソ。でも、そう言わないとつくしが「類が苦手なら止めておこう!」とそれを言い訳に拒みそうな気がした類が嘘を言った。

「そっか!苦手じゃないなら、折角だから乗らないと勿体無いよね・・・
さあ、花沢類行こう!ウエスタンランドとか言うエリアにあるらしいから。」
つくしは笑顔で向こうだと指を指す。その笑顔が可愛くて「ああ。」と返事をした類。何気ないそ振りでつくしと手を繋ぐ。その小さな手を握りながら歩き出した。
「エッ?」
その行動に一瞬ドキッとしながらも拒まずに歩くつくし。そんなつくしに時折視線を向け、微かに頬を染める顔を見ながら歩くパーク内は類には心地良かった。
《来て良かった。》本気で嬉しくて楽しいひと時。

高揚する気持ちを隠すようにつくしが話す。
「花沢類!今日は人が違うみたい?そんなに遊園地好きだったなんて。」
《違うよ!あんたが隣に居るからじゃない。》
「うん。何だか良いね。また来ようか?」
「うん。でも、バイトして貯めてからね!でないとここのお金高いから。」
「家もここの株主だから券ならあるよ。今度あげる。だから来よう。」
「うん。みんなの分もある?」
「ううん。牧野と俺の分だけ。」
類はそれだけ言うと、話しの先をはぐらかす様に視線を逸らした。でも、その顔は嬉しさが表されていた。

あきらと桜子は、遠目から2人を見掛けた。まず気付いたのは桜子。
「アッ!見て見て、美作先輩!あれ、花沢先輩とつくし先輩じゃない?」
「そうだね。何だか類楽しそう。見た事も無い顔してる。」
「そりゃそうですよ。2人の手元見て下さい。」
楽しそうな表情以外の手元にも視線は向けられた・・・・・

「アッ!類やるなあ。」
「ホント!あの花沢先輩が、随分積極的!・・・道明寺先輩が見ないと良いんだけど!」
「あれ?桜子知ってるの?」
「知ってるかと、私に聞くんですか?この桜子が知らないとでも思っていたんですか?」
「クスッ!お前 変な奴。」
「クスッ!そっくりお返しします。先輩もあの先輩方2人の気持ち知っているんでしょ?」
「まあな。」
「私が思う所、つくし先輩だけです。何にも解っていないのは。」
「そうだな。でも、教えるなよ!あいつらに任せておけよ。いいな桜子!」
「は~い!」
「さあ、俺らも何か乗ろうぜ!」
「そうしましょう!」

そんな心配の中でショップから出て来た司。気になる2人・・・類とつくしを見掛けた。そこには楽しそうな2人。そして、その表情。視線の先の手は繋がっていた。
司はつくしに告白したが、はっきりした答えは聞いていない。しかし、少なからず拒まれる事はないと自負していた。でも、考えてみると、あの2人は何かと側に居合わせている事に、こんな時に今更ながと気付いた司。
「類のあんな顔、初めて見た!」
司もあきらと同じ言葉を呟いた。

「つかさぁ~!!お待たせぇ~!」
ドッサリ買い物をして手提げ袋を両手に下げた滋が、弾けんばかりの明るさでショップから出て来た。
「いてっ!・・・そんな状態で抱き付かれたら、荷物が当たって痛いだろうが!!」
「ごめんごめん!・・・・・アレッ?」
声のトーンに変化を感じ、滋が司の顔を覗き込んだ。
「何かあった?」
「な・なんだよ!そんなに顔を近付けんなよ。」
「良いじゃん!なんなら、ついでにキスしちゃおうか?」
イタズラっぽい笑顔で言うが、まんざら冗談ではない勢いが滋には見えて、司は慌てて一歩後ずさりした。
「や・やめろよな!!」
「もう・・可愛いんだから。」
「ハァ~・・・お前と居るとせわしない!」
「アラ!それって褒め言葉?」
「いいや、そうじゃない。疲れるって言ったの。」
「な~んだ!私は最高にハッピーなのに。でも良いや!今は、こうして2人で居られるから。」
滋は言い終えると、両手の荷物は片手で持って司の腕に自分の腕を絡ませた。
すると・・・
「滋!荷物よこせ。持ってやるから。」
「エッ!・・良いの?」
「ああ。第一、女に持たせるなんてカッコワリいからよ。」
「ありがと!司って、ホント優しいよね。」
「うるせぇ!褒めるな!荷物返すぞ!」
「変な司。褒められると照れるんだから。でも、そんな司も私は大好きだよ!」
「うるせえよ!それより、滋!こんなに買い込みやがって、何にも乗らなくて良いのか?」
「うん。司と居られるのが幸せで、乗り物はどうでも良い。第一イヤって程来てるから私は司に任せる。」
「だったら、何か乗ろうぜ。こうして買い物は、もうウンザリだ!」
「ごめん!つい新婚気分なもんだから!じゃあ、ビックサンダーマウンテン乗ろうよ!」
「ああ。でも、この荷物どうするんだ?」
「チョット待って!」
滋は携帯に連絡を入れると、どこから現れたのか?私服のSPが素早く滋の荷物を預かって再び消えた。
「俺ん所もウルサイが、滋も案外大変だな?」
その光景を共に身近で接しながら司が呟く。
「そう?もう慣れっこで、案外助かってる。重く考えるより、楽しまなきゃ!ネッ!!」
司は、今迄にない滋の良さを今日は見る想いで側に居た。令嬢らしからぬガサツさが気になり嫌でもあった。でもそれは、全て縛られたがんじがらめの束縛を物ともしないで、バネにする為かも知れないと気付く。
初めてシミジミと滋の顔を見つめた司だった。
「滋って、美人だったんだな!」
「な・何言ってるの?改めて言われると、照れるじゃない。」
それまでの滋らしくなく、首まで赤く染める程に照れていた。
ふと司は想った。『俺には、同じ環境のこんな相手が理想なのかも知れない。』と。でも、つくしに対する想いを捨て切れないのも本音。

司がさっき見た光景を払拭する様に茂に言う。
「ヨシ!それを乗りに行こうぜ!!」
「うん。」
腕組みをしながら理想的な美しいカップルとして歩き出す。

驚いた事に、偶然が重なり4組が同じアトラクションの前に顔を揃えた。
「驚いた。みんな考える事は同じだなんて!」
桜子が真っ先に言う。
「どうする?」
「どうするも何も、こうなったら4組で揃って乗ろうよ。それで、合流って事にしようよ。」
滋が今度は言った。
「そうだな!そうしようぜ。」
最後にあきらが締める形で、そう決まる。

VIP待遇の別入口から中に入る4組。待つ事なく乗り物に乗りこんだ。
一番前に総二郎と優紀。次にあきらと桜子。そして司と滋。最後に類とつくしが並んだ。それは男子がじゃんけんをして決めた順番。
司は直ぐ後ろの類とつくしが気になる。けれど、その素振りを見せない。

「牧野・・平気?」
ニヤリ笑みを浮かべ類が尋ねる。
「へ・平気だよ。これ位。」
「止めても良いよ?」
「止める訳ない。みんなもいるもん。」

前に居る司は、類とつくしの他愛無いやり取りが聞きたくないが、直ぐ後ろで話す会話が耳に入り無性にイライラし始めた。
「司?」
その表情の険しさから滋が司に声を掛ける。
「つ・か・さ?」
一瞬間を開け返事を返した。
「ん!・・アッ・・な・・んだよ?」
「どうしたの?ボーとして?」
「どうもしねえ。」
「ふぅ~ん。気になるの?」
「な・何が?」
「後ろの2人の会話。」
「んな事ある訳ねえだろ!」
「そう?私は気になるけど。」
「エッ!お前 類が気になるってか?」
「バ~カ!私が男子で気になるのは司だけ。そうじゃない。つ・く・し!」
「牧野?何でだ?」
「わからない?司が気にしてるからじゃない。」
「し・してねえよ。」
「そうかな?」
「そうさ。」
「じゃあこんな時だから言うけど、私と付き合って!」
「付き合ってるじゃねえか。」
「違うよ。恋人としてだよ。」
「ハァ?こんなとこで言うことか?みんなに聞こえるだろうが?」
滋の声は聞こえなくても、司の声はトーンが高くなり前後の仲間は勿論、一緒に乗りこんでいる人にも聞こえたらしい。『うわぁ~!!』っと歓声が上がった。
そして、直ぐ前の桜子がつかさず後ろを振り返り、言葉を2人に投げ掛けた。
「お熱い事で!こんな公衆の中での愛のアプローチ。居合わせた私達は光栄です。先輩!男ならビシッとですよ!」
桜子は、あえて先輩と呼んだ。道明寺と呼んでしまえば、気付く人もいるかも知れないと言う配慮から。
「桜子!お前って、案外細かい所に気使い出来る奴だな!」
「あら、あきら先輩。お褒めの言葉ありがとうございます。嬉しいですわ。」
「あきら先輩か!悪くないな。」
「何なら、私達もお付き合いしてみます?」
「それもアリかな。そうだな。良いよ。俺は!」
内心ドキドキしながら、それでも強がる口調で虚勢を張り告白した桜子。その返事に一瞬我を忘れ、可愛い本来の弱さを見せる様に言う。
「エッ!良いんですか?・・・私で?」
「お前可愛いじゃん。そう言うとこ。」
あきらは桜子の頭を撫でた。意外な組み合わせが、並んでいる事で影響を受け、ここでもカップルが誕生した。しかも意外な組み合わせで!

振り返る事をせずに、総二郎が優紀に耳打ちする。
「聞いた?」
「は・はい。」
「恋人は、まだ考えが行き着かないけど、こんな風で良いなら、俺らもたまには2人で会おうか?」
「エエッ!
「シーッ!声が大きいよ。」
「す・すみません。でも、驚いて・・・」
「俺じゃ、イヤ?」
「いいえ。その逆です。嬉し過ぎて。」
「なら問題ないね。」
「は・はい。」
「でも、あくまでも、まだ恋人じゃないけど、良いの?」
「それでも良いです。」
「了解!」
ヒソヒソ話で交渉成立。
総二郎は何気なく手を繋いだ。優紀の耳たぶが真っ赤に色づく。

そんな前者2組のやり取りなど知らない類とつくし。でも、目の前の司と滋の告白タイムは、気付かないハズはない。
無言でその2人を見つめる2人。

司はその後、瞼を閉じ押し黙り、数分の乗車時間を過ごした。
そして、アトラクションが終えて、それぞれが乗り心地を話しながら通路を歩いていた次の瞬間、後ろのつくしの腕を握り、人を掻き分け駆け出して行く司がいた。
唖然とする類と滋。そして2組のカップル。
綺麗な面々が次々出口から飛び出すように出て来るのを唖然としながら見つめた。

呆気に取られるつくしをヨソに、司は無言で手を握ったまま駆けて行く。比較的人が少ない所まで息を切らし辿り着いた。
息を整える間に、後の3組がオノオノの走りで到着した。全員が息を弾ませ司とつくしを見る。
司は何とか落ち着き、つくしに向き合い6人を前に言葉をぶつけた。

「牧野!今ここでお前に言う事がある。」
「返事の事?」
「ああ。俺が付き合うかって聞いたあの事だ!」

「「「「「エエッ!!!」」」」
追い掛けて来た友人たちが声を出す。中でも類が司を見据え拳を握る。
「あ・あたし・・・・・」
「ん?あたしが何だ。でも・・俺に先に言わせろ。」

「司!」
類が声を荒げて声を掛けた。そこで、待てと言う様にあきらが言う。
「類!」
「わかった。」
ひとまず自分を抑え、その2人を見つめ出す類。

「うん。良いよ。先に言って。」
「ああ。
俺が言い出した事だが・・・悪い!聞かなかったことにしろ。」
「エッ?」
「俺と牧野は、今のままで良い。」
「アッ・・・う・うん。わ・わかった。」
「悪いな!お前が俺に気があったとしても、俺・・・お前より、俺に合う奴を見つけたんだ。」
「エッ・・・そう。それってもしかして?」

つくしが視線を向けた先に、全員が同じ様に視線を向けた。
「ああ。その通り。あいつさ!」
滋に降り注ぐ視線と笑顔。
「エッ?エエッ?・・・わたし・・・?」
「そうだよ!お前・・・滋だよ。ここに来て改めて感じた。お前と俺の居心地のいい場所。お前に言われたからじゃねぇ。俺が思ったんだ。滋と付き合ってみたいって。
で、お前の答えは?」

「バカ!知ってるくせに。」
「良いから言え。」
「私は司が好き。付き合いたい。」
「ヨシ!付き合ってやる。」
「もう・・・」
その滋の声は、どことなく涙声に聞こえた。

「良かったね!おめでとう。」
全員が祝福した。

すると、類がつくしの前に行く。
「牧野!俺は・・・牧野が好きだ。ずっと手を繋いでいたい。俺の側にいて欲しい。」
「エッ!・・・・・あ・あたし・・・」

司のことがあった直ぐ後。応えて良いかどうか迷うつくし。
すると、司が声を掛ける。
「牧野! Answer please」

それに合わせて、みんなも声を掛ける
「Answer please 」

「みんな!」

つくしの言い難そうな様子を見つめ類が言う。
「ごめん。ここで言うことじゃなかったね。牧野!無理しないで。さあ。お茶でもしようか!」

「待って!」
歩き出した7人が、つくしを見る。
「あたし・・・花沢類と一緒に居たい!」
絞り出す様に言った。

みんなが、つくしの元に行こうとしたその時・・・

「類に任せてやれ!」
司が5人に言う。6人は2人を残し、その場から姿を消した。

「牧野!」
「花沢類!」
向き合い、抱き締められる類の腕の中で、つくしは胸の高鳴りが自分だけでないことを知る。

「司のおかげだね。」
「うん。」
「ずっと聞きたくて、言いたかった。」
「ウソみたい。」
見つめ合う2人。
「また来よう。」
「うん。今度は・・・・・」
「「2人で!」」


この後、類の携帯に連絡が入った。
「各自ペアで行動することになった。帰りは自分で何とかしろ!」
司からの、乱暴だが嬉しいメール。
そしてそれを見て、4組のカップル誕生を類とつくしは初めて知る。

「さあ!何に乗ろうか?」
「改めてビック?」
「ああ。でも、会わないかな?」
「そっか!でも、それでも良いから、今はもう一度ビックに乗りたい!」
「うん。じゃあ行こう!」

満面の笑顔で見つめ合いながら、しっかり手を繋ぎ駆け出す2人。

初めて訪れたこの場所。2人にとって何よりの想い出の場所になる。・・・・・


FIN

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