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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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未来  No.4

2010-11-01 Mon 00:04

【No.4  愛】

目覚めた先の我が家の団らんの場に、花沢類の笑顔を間近に見ていると、それが当然の様にも想える。しかし、花沢類は今はこうして居られても、いずれは別の世界に羽ばたく人と、割り切らなければいけないとも改めて実感し見つめる。
「何してるの、そんな所に立ったまま?」
その王子があたしに、言葉を掛ける。

しかしその日を境に、類はそれまで以上に自然な振る舞いでつくしに寄り添った。
不思議に、目覚めた時に言った『司と何か有った?』それ以来聞いて来ようとはしない。
まるでそれは、知り尽くしているかの様に。


その直後、1通の封書を類はつくしに手渡した。
『親愛なる牧野つくし様
 
 初めまして、類の母親の花沢真美です。
初めてが手紙で、ごめんなさい。
まだ、主人の仕事が終わらなくて類の元に行けないので、こんな形になってしまった事をお詫びします。
でも、解って頂きたいのは、それでもつくしさんに一言お話しをして置きたかったからだと云う事。
類からは、つくしさんの事は話しては貰えずにいました。
それでも、ここ何年かで類の表情が信じられない位、明るく楽しそうなのは垣間見て居た私達は、側に居るだけで心地の良さにふれる事が出来て幸せな気持ちで折ります。
 私と夫が、「牧野つくしさん」と云うあなたの存在が、類に関わりを持っていると知ってから、まだそれ程過ぎてはません。正直な所、夫・類の父親は表情を硬くし類の将来を案じ、苦言を指そうかとしていたのです。身分が違うと云う事は、決して良い事ばかりでは有りません。夫は厳格な人ですが、横暴でも・策略家でも無く、愛有る人。打算的な考えで、愛する息子を悲しませる事は好みませんし、そして、フェミニズムを心得る真のフェミニストでも有ります。
その人が、或る日妻の私に
「類は、この先その光を見失ったら、どうなると想うかい?」と。
何を意味するかお解りですね?
そう、牧野つくしさんの事です。
類は幼少期に、心を見せられない子になってしまった事があり、親の私達は奈落に突き落とされた想いを、少しの間経験もしたのです。恐らく本人は、想う以上に辛かったと思います。でも、幸いな事にお友達に救われました。もし、あの時その手を放したり・見失っていたら、どうなっていたでしょう?
ただそれでも、何処か弾ける様な明るさや・行動しようとする若さにも欠けている事を、母親として気に成っていたのも事実です。
所が、何時からか良く笑顔を見かける様に成り、表情にも変化が起こり始め、幼馴染みの少女と接していた頃の類とは違う、新たな恋に出会っていそうな顔を見かけました。
なぜ、恋と解るか?つくしさんは不思議に思うでしょう?
それは、あなたがいつか親に成り、愛する子供を育んだ日から見つめて居ると、言葉で無くても教えてくれるものです。
なぜなら、息子が女親の自分には見せる事の無い、瞳と口元が全てを語ります。庭先で携帯をあてがい話す表情を窓越しから偶然見かけた日、そう感じました。

夫の先程の問いに、私が応えた内容は
「自分から手放す光なら、求めていたそれでは無いと決断をしている上からで、問題は起きないでしょう!但し、本人が求め干しているのに敢えて取り上げれば、想いは更に増し、未練や憎悪が時として残るもの。」私はそう答えました。
すると「それは理由が有ろうとも?」そして「理由は時として、こじ付けや体裁・横暴に成り得る。納得いかない上でする強制なら、心の繋がりは薄くなると受け止めなくては成らない!」
夫は暫く、思い悩む日を過ごしました。会社を担う者には責任が有ります。しかし、息子の人生も親は担っているのです。人格を再び沈める事の無い様にしたいと願うのが親です。
そして、漸く出した結論。
花沢類の私達両親は、
再び愛する息子が闇に臥さない様に、出来る限りの力になろう!
明るい光を掴むのを妨げる真似はしないで見守ろう!
そして何より、我が子を信じる事に決めたのです。

どうか類の事、宜しくお願いします。
戻り次第、お会いしましょう!その日を楽しみにしています。
 
                            かしこ
                              花沢真美』        

この手紙は、類に誘われて食事に出掛けた日に帰り際、車の中で類に促されつくしは読んだ。
嬉しさと、良い様の無い溢れる愛を感じ、溢れる涙は止めどなく流れ、類はつくしを抱きしめた。
「遮る者が無い今、こうしても良いよね?」
「エッ?」
「聞いたよ!司に。あいつが連絡して来た。他の豚野郎が現れると困るから、一応話しておく。俺は諦めたく無いが、けじめは付けた。また、追い掛けに来るが、少し時間を見てからにする。その隙になら、類にチャンスをやっても良い!って」
類が何もつくしに聞かずにいたのは、やはりこう言う事が有ってだった。
「言わなくてごめんなさい」
「言えずにいた気持ち、少し解るから。」
この日から
親友の恋人から、依り親しい友人関係に、格上げしたのは言うまでも無い。
まだ少し、心が思いきり嬉しいとは、言えない気もする。それは、別れた人への未練では無く、自分から言い出し、無理やりに近い状況で決めたせい!それでも、置かれる環境を理解したからか、已むなく身を引いた人・・・・・
道明寺司
しかも、悔しいながら認めざる得ない者に、去り際・バトンを握らせるまでしないモノの、前にバトンを置く形で去って行った。
後はきっと、時間が解決してくれる。
つくしを抱きしめる力が増す。最早、友人としてとは想う事無く。

司が類に言った言葉
「俺は類の様に、牧野の家族が大変な事に成っていても、何もしてやれねえ。知る事すら出来るか出来ないかも解らない。これ以上寂しい想いをさせたくない。そう・・・想った。」
それが司の本音。
放したくない手を、愛する故にそう決断した親友の分も、大切にする!そう花沢類は心に誓う。

形は違うけれど、二つの「愛」をその身に受け、また新しい未来が少し広がった。



今日は花沢類の誕生日。
恋人として初めてプレゼントを選んだ。

お気に入りの店で、幸せな気持ちの中で選べた【世界で1つしかない手作りのストラップ】
オーナー自ら作り上げた1点物。しかも、ペアで作られたブルーのストラップ。
つくしが類の為に購入すると、オーナーはもうひとつのピンクのストラップを、つくしにプレゼントしてくれた。
ショウィンドウに飾られたストラップは
「ディスプレイで、先の長い旅に櫂を漕ぎ、船出するイメージをストラップで表現したデザイン」
それに見惚れたつくし。
オーナーは、自分で作った物を食い入る様に見つめる瞳の女の子に、無性に使って欲しくなった。
そこはオーナーが、小さな店舗として最初に創めたショップ。
今では、従業員を抱え、製作もこなし・店舗も増やした。
一企業家の主になれたのは、つくしの様に何かに付けて、足繁く通ってくれるファンが居るからこそ、ここまで続けて来られた。
普段はその日の様に、ひとりで店番をする事など無い中、偶々常連客が来てくれて、しかもそんな瞳に触れたからしたいと思い付いた行為。

つくしは、オーナーから「ストラップのおまじない」を教えられ、類に伝え様か・止そうか考えてみた。
言うのは、とても勇気が要る様に想え、カと言って言わなければ、同時に使え無いかも知れない。それでは意味が無さそうで、どちらにしても考えてしまう。
結論は・・・意を決して、類におまじないの話しをする事!そして、同時に使いたいと話しをしよう!
つくしは、そう決めた。

類の誕生日は、2人だけで過ごすと決めている。友人達も流石に遠慮してくれた。
どこで祝おうか考えた挙句、つくしが出来る精一杯のシチュエーション。それは、優紀に紹介して貰ったイタリアンレストランの個室の使用。バイトで貯めた貯金を使い、つくしが出来るおもてなし。
そこは、料理も評判が良い店で、個室が空いていたのは奇跡に近いと、優紀が声を弾ませ話してくれた。
約束の時間より少し早く、類が送迎車で迎えに来た。
「牧野・・・もう着きそうだけど出られる?」
「エッ!アッ・・・早いね?でも、うん。大丈夫!もう用意出来てるから。外に出てるね」
「良かった。外に出て無くても、部屋に迎えに行くよ?」
「ううん。あたしも少しでも早く会いたいから・・・そうしたい!」
「ありがとう!牧野」

つくしは携帯を切ると、プレゼントを手に持ち部屋を出た。
いつもの場所に車を止め、類が立って待っているのを見つける。もしかしたら、既に着いて居たのかも知れない?つくしは、小走りに駆け寄った。それに気付き類が手を小さく振る。
「もしかしたら・・・もう着いてたんじゃない?」
「そんな小さな事は気にしない!さあ、行こう。」
優しげな口調で、類が笑顔を向ける。
いつもそうだった。この人は押し付けの優しさは決してしない。ごく自然に・さり気無く振る舞う。
つくしは改めて花沢類の懐の大きさを噛みしめる。そして、想う。
『あたしは、花沢類が好き!』
出会えて良かったと!

車に乗り込みつくしが尋ねる。
「まだ、レストランは時間前だから入れないけど、それまで何していようか?」
「もう決めてるけど、良いかな?」
「えっ?もう考えてくれていたんだ!ありがとう」
「クスッ・・・」
「何笑うの?」
「牧野が可愛いからさ!こっちが勝手に早く来て、行き先も決めている事に感謝したりしてさ。」
「だ・だって・・・嬉しかったんだもの・・・」
類は、後部座席の隣に座るつくしの手に、そっと自分の手を乗せた。
その行為に、思わずつくしは類をまじまじ見ると
「この手をやっと掴めたんだね。」
「どうしたの?」
「2人で祝える誕生日が来るなんて、考えて無かったから何となく感慨深くてさ!」
「花沢類・・・」

それはつくしも同じだった。こうして愛する者同士として、肩を寄せ合う事など考えては居無かった。
いや、考えない様にしていた。
つくしの母の一件で、気付かされた沢山な事。そこから未来が変わって行った。
司に対する自分の気持ち。司が見据えるその未来さえも。
人の未来に口出しなど、おこがましいと実感しては居た。
それでも、自分が関わっていたなら、ほってはおけない!気づいてしまった以上、けじめを付けたい。それで、何もかも無くすとしても。そう想い決めた司との関係。

無くす事より、正直で有りたい!偽る事は相手にも申し訳無い事だと言い聞かせた。
全て覚悟の上でのつくしの行動。
つくしの愛した・・・その人は、失い切るよりも、愛するつくしの幸せを考えた。
つくしが指摘した事が、強ち的外れでは無かったせいも有る。でもそれより、全く失いたくは無い想いがそうさせた。しかし、もし大人の関係が2人に有ったならそうは行かなかっただろう!決して手放しはしなかったに違いない。それは司の悔やみ所。

そんな深い出来事が、類もつくしも頭に浮かぶ。
『大切にしなくちゃ』『2人で、幸せになろう』
瞳が語る。
やがて類が運転手に頼んでおいた場所に到着した。
意外な事に、そこは・・・
「何・・・英徳?」
つくしは類の顔を見る。
「そう。英徳の高校キャンパス」
「さあ・・・行くよ!」
車から降りると、手を取り走り出す。
「な・なに?」
外から階段を駆け上がる。そこは非常階段。かつての2人の癒しの場所。
「花沢類・・・非常階段?」
「良いから・・・」
息を切らし、もう直ぐそこに辿り着く。
少し手前で、類がつくしの背中を押した。
「牧野、先に行って!後から行くから。」
「一緒に行こうよ!」
「ううん。高校生の頃は俺が待つ事が多かったから、今日は先に行って待って欲しい。だって今日は俺の誕生日でしょ?」
「解った!先に行ってる。」
笑顔を見せて、つくしが階段を上って行く。
少し間を空け、ゆっくり後を追う。どんな顔で居るだろう?ドキドキ胸が高鳴る。
そう、つくしを先に行かせたのには訳が有る。人生最大のサプライズ。

この日夕焼けが一段と燃えていた。
類が階段を上り切ると、その赤い陽を背に浴び、肩を震わせている・・・つくしがいた。
空けたケースをじっと見ていた。類に気付き顔を向けた。
ポロポロと大粒の涙が陽に煌めいて、類は想わず抱きしめる。
「迷惑だった?」
わざと聴く
「・・・・・」
言葉に成らず首だけ横に振り、ケースを抱き類の胸に顔を埋めた。
類はつくしの肩を支え、体を少し放し語りかける。
「牧野・・・ずっと側に居て欲しい!お互いが卒業したら、結婚してくれますか?」
大きな瞳に涙を溢れさせ、つくしが頷く。
「・・・は・はい。」
それが精一杯のつくしの言葉。類はつくしを引き寄せ抱きしめた・・・強く強く。
つくしの涙をそっと指で拭い、見つめ合った2人。
夕陽の中で、更に心も燃えさせる口付けを交わした。

つくしが勇気を振るうより先に、伝えられた幸せな言葉。
類がこの世に生を受けた日を、依り深く感謝したい気持ちが胸に溢れた。
2人の未来が一つに近付いた「記念の日」にもなって行く・・・・・

9
愛しい想いを例えたら

キリが無いほど多く成る

それには
互いでと云う部分が無くては成らない。

2人で有っても、
3人で有っても
ましてや
膨らむ人数で有ったとしても

「愛」

その切ない言葉に導かれ

今・・・
    
静かに未来が動き出す


未来12345(完)

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