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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

Love 28 案内人

28【案内人】

つくしの部署に訪れたその人に周囲は騒然とした。
「あの人は確か?」
「道明寺ホールディングスの子息よ!」
「その子息が、牧野さん目当てに?」
「さっき聞いた話しは本当なんだ?」
「そう言う事だよね!」

そんな会話が聞こえて来る。

「これはこれは道明寺様。
今、牧野とおっしゃいましたか?」
「不仕付けに申し訳ありません。」
「いえいえ。」
笑顔で課長は相対した後、つくしの名を呼んだ。当のつくしは、やり場がない為に課長と話す道明寺から身を隠す様にデスクの前で身を屈ませ、成り行きを息を潜めやり過ごそうとしていた。

「はい。」
渋々返事をし、身を起こす。
「もうあと少しだから、道明寺様を社内ご案内して帰社して構わんから。」
「ご案内?」
そんなものがいるとは到底思えない。むしろ自分より全ての関係各所に詳しいのではないだろうか?
ご案内の意味するのは立て前だと察しが付く。
本心から言えば拒みたい。イヤだと言える物ならそう言いたい。しかし、それは今言えそうにない。何故なら、課長の話すその言葉に「様」が付く。いかに大事な相手か伺える。つくしは仕方なく返事をした。しかし、それはそれで周囲の好奇な視線の矢面になる。恐らく、伴なって行く事で背びれ尾ひれが付くのは必至。

「オウ!牧野・・・頼む。」
何食わぬ顔でそう言って来た。
「鬼門なのに!」
「ん?何だ?」
「アッ!何でも無いです。」

せめてもの救いは、関係性を聞かれなかった事。聞かれたなら、きっとさっきの様に言うに違いない。

「あたしを陥れて何が目的で面白いんだろ?」

「ん?何か言ったか?」
「エッ!・・・い・いいえ。」

つくしは仕事の切りを付け、荷物を持つと鬼門のそこに向かった。
「お待たせしました。」
「オウ!

では、牧野をお借り致します。
皆さん!お邪魔致しました。」
「はい!」
頭を下げる御曹子にほぼ全員が返事を返した。
廊下に出た所で、道明寺司はSPに声を掛けた。
「しかし?」
「俺がそうしろと言ってるんだ。」
「はい。解りました。では、ロビーでお待ちしています。」
「ああ。」

SPは主人の言葉で仕方無く退いた。それを見届けて、司はつくしに話し出す。
「みんなの前で言った事、済まなかった。」
「どうしてあんな嘘?」
「俺は本気で、そうあればって思ってる。」
「な・何で・・・あたしなんですか?」
「新鮮なんだ・・・お前!」
「新鮮?   それって単に珍しいだけでしょ?」
「そうじゃない。
そうじゃないから、俺も類もお前に目が行く。
って言っても、類は前かららしいがな?」
探る様につくしの顔を見つめる司。
「そ・そんな事言われても・・・・・」

「類と別れて俺と付き合え!
俺の方が、力がある。何でもしてやれる。行きたい所も、買いたい物も。お前の好む事全て叶えてやれる。」
つくしは、笑みを浮かべ
「すみません。
あたし、人から与えられる施しに全く興味が湧かない性質(たち)何です。
花沢さんからも何も受けてないです。
そりゃあ・・・ご馳走になるし、良いって言っても買って貰った事はあります。
でも、自分から望む事はありません。」
眼を見開き、口元が引き締まる。少しの間、司はつくしの顔をまじまじ見詰めて言う。
「だから・・・何だ!」
「エッ?」
「やっぱり、お前が良い。」
「道明寺先輩?」
「今回、うちのCM依頼をしたから、度々ここには来る事になるかも知れない。
その時は、会ってくれ。
昼飯位は奢らせろ!」
「はい。」

「それから、さっきの俺の発言で、何か不味い事がある様なら連絡してくれ。対処するから。」
「エエッ?
そんな・・・社内で噂されるだけじゃないんですか?」
「解らないから話してる。」
「はい。解りました。」

立ち止まって話しをしていた2人。誰も居なかった廊下に人が行き交う様になり、司は話しをそれまでにした。
「じゃあ!」
「エッ?案内します。」
「俺を誰だと想ってる?ここの事は、お前より遥かに詳しい。何なら俺が案内しようか?」
「い・いいえ。」
「なら、ここで解散だ。お前帰ると良い。
でも、お前さえ良ければディナーをこれからどうだ?」
「い・いいえ。約束が有ります。」
「それは・・・類か?」
「それは・・・・・」

「言うな!解ったから言わなくて良い。」
「・・・・・」
そう言うと、踵を返し背を向けて去って行った。つくしは複雑な思いの中、その後姿を見つめる。


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