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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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still no.1 プロローグ

2010-09-28 Tue 00:01

沢山の起こし、心よりありがとうございます。

メインサイトをご存じない方の為に、メインサイトで完結している長編小説を一話お届け致します。

私自身、気に入っている作品ですので、ご参考になれば嬉しいです。



【still no.1 プロローグ】

オープンしたてのカフェで、偶々隣に居合わせただけの筈だった。

テイクアウトのコーヒーを立った際にふらついた隣人が、それを隣の青年の膝に落とした。
「熱い!」
ペーパーバックを読んでた青年は、熱くて驚き立ち上がった。
文句を言おうと視線を向けると、床に倒れるに近い状態で、しゃがみ込んでいる。
「済みません。クリーニング代お支払いします・・・・・」
うわ言の様に話しているが、相手の顔を見たら真っ青だ!
「それどころじゃないでしょう!・・・しょうがないなぁ!」
カフェのスタッフに言おうとしたが、オープン仕立ての為か、混雑していて言えそうな状況に無い。

救急車を呼べば、恐らく自分もこの場に待機しなくては成らないだろう!
なら・・・いっその事!
そう考え行動した。
青年はオープンテラスのその場から、名前も知らない隣人・加害者を抱き挙げると直ぐ横の駐車場に停めていた車にシートを倒し乗せた。
「な・なん・・・・・・」
その言葉を言い掛けのまま、青年の腕の中で意識を遠くにしたその隣人。
そしてぐったりと、眼を閉じたまま、若干呼吸も荒い様だ。

「済みません。類ですが、今から診て貰いたいんですが?
いいえ、違います。あっ・・・女性です。
それしか・・・・・はい。ありがとうございます。伺います。」

青年はカフェに戻り、その女性の荷物を取りに行くと、荷物を抱え追って来るスタッフと鉢合わせた。
「彼女を知っていますか?」
尋ねると幸いそのスタッフが、すぐ近くの店がバイト先と偶々聞いていた。それを聞き自分の名刺をそのスタッフに渡し、病院に連れて行くと説明してその場を後にした。

貴公子に見惚れ、倒れた女性を羨ましいとでも言いそうな様子で青年を見送るスタッフ。
車に戻ったが、相変わらずぐったりしている様子・・・・・?
いや、寝ているだけにも思えて来た。しかし、確かに顔色は良くないし、痩せこけている様に見える。
「まあ、取り合えず診て貰おう!」
教えられたその女性のバイト先にも連絡をした。
すると、男が連絡したと云う事で、ズル休みと取られたのだろうか?それとも、腹の虫が悪かったのか?何時もなのか?は知れないが
「男に連絡寄こさせる様な真似する人間に、うちは用は無いから、今日付けでバイトに来なくて良いからって彼女に伝えて下さい!」
そう言われた。
「関係の無い俺が!彼氏でも無いのに!」
「まったく・・・何て日だ!」
隣の見も知らぬ人間の為に俺は何をしてるんだ?
そう想いながら・・・・・それでも、クビに成った事情を想い、少し気の毒にもなって顔を見つめる。
それに行き掛かり上、診察の手配もしてしまった。
「俺は何時からこれ程、お人よしに成ったのだろう?」
首を傾げて、ハンドルを握り発進させた。

病院に着き、知人の医師に事情を話す。
「類君はクールな青年かと想っていたが、今回の事でイメージが変わったよ!」
診察を終えた江田医師に冷やかされる。
「いえ・・・偶々・居合わせて、仕方ない状況で!」
言い訳をしていると
「そのシミが、その状況なのかな?」
「アッ・・・そうです。
アッ!
マズイなあ!
これじゃあ・・・行けないや!」
「どうした?
デートの約束かな?」
「デートじゃないですが、今日久々に大学時代の友人と会う約束をしていたので。
その時間調整に入った店で・・・・・」
「そうか、なら行くと良い。もう直ぐ眼を覚ますだろう。」
「あっ、彼女の具合を聞くの忘れてました。」
「心配無いよ!疲労と栄養失調・・・と・でも言っておこう。」
「疲労と栄養失調?
プッ・・・済みません。不謹慎ですよね?
でも、今時栄養失調なんてあまり耳にしなかったので・・・つい!」
「確かにね。もし、類君が彼氏なら栄養付けてあげなさいって頼む所だが、全く知らない者通しなら関係無いね。それにしても、運の良い女性だよ!
君の様な貴公子に助けられて。でも、行って構わないよ。後はこちらで対処しよう。それに、会わない方が良いと想うよ。目覚めて、君の様な青年が枕元に居たら、間違い無く惚れられてしまうからね!」
「それは、先生の想いこみ過ぎでしょうが、有り難く退散させて頂きます。」
「ああ。そうしなさい。」
話し終えて、行き掛けた時
「あっ!先生、ここで雑用とかのバイト必要じゃ無いですか?」
「何だね・・・藪から棒に?」
「実は・・・・・・・・」
それまでの諸事情も話し、青年は漸く退散した。

それから、2時間後。
「ここは?
な・・・なに?」
病衣を着せられ、腕に点滴。天変地異が起こった様な気分で、辺り周辺を見回す。点滴をその台ごと引きながら部屋の外に出ると
「あら、気が付いたの?」
「は・はい・・・」
「気分はどうですか?」
「良い・・・で・す。・・・あのぉ~ここは?
それに何で、あたしは?」
「今、お部屋に先生と伺いますので、お戻り頂けますか?そこで、先生から伺って下さい。」
「は・・い。」
言われるまま、出た部屋に戻りベッドに座り込む。全く覚えていない。ただ、ふわり良い香りに包まれた事だけは、微かに覚えていた。しかし、今の状況からは想像が出来ない。
首を傾げ、うな垂れている所に

コンコン
「はい。どうぞ」
「お眼覚めに成りましたね。如何ですか、ご気分は?」
紳士的な先生に笑顔で尋ねられ、ドキドキの気分が声を上ずらせ
「だ・・・い・・丈夫です。」
「そう、それは良かった。ここまでの事は、覚えていますか?」
「いい・・え!なにも。」
「でしょうね。有る、通り掛かりの人が、連れて来てくれたんですよ。」
「エッ・・・?救急車じゃあ無いんですか?」
「はい。違います。」
「はあ・・・そう・・ですか?でっ!その人は?」
「用事が有ると言われて、支払いを済ませてお帰りに成りました。お礼は良いそうです。」
「えっ・・・・・そんな!
良いんでしょうか?甘えても?」
「ええ。良いと思います。それに、幸いあなたの具合は、もう回復していると思いますので、これでお帰りになっても良いですよ。血液の検査結果、栄養が不足なのとお疲れを取れば、問題無いでしょう。」
そう言い終わると、笑顔のままドアの方に看護師と共に歩き出した。そこで、ノブに手を掛けた所で

「そうそう、その人から言伝が有りました。バイト先に連絡したら、来なくて良い!そう言われたそうです。もし、あなたさえ良ければ、今うちの病院で看護助手を募集しているので、バイトしませんか?気が向いたら看護師に帰る時にでも話して下さい。
それと、名前や保険の手続きもお願いしますネ!それでは。」
バタン!とドアが閉まった音と共に
「な・・・なんで?バイト・・・?
あたしクビって事?参ったなぁ!で・・でも、ここで、働けるの?
ど・・どうしよう?」
一度に幾つもの事が知らないうちに起こり、焦り撒くっていた。そうしていると、再び

コンコン
「は・・はい。どうぞ」
夕食の時間らしく、トレーが眼の前に運ばれ
「お腹空いたでしょう?どうぞ、召し上がれ!うちの病院食、評判いいのよ!」
「はい。」
30歳位の綺麗な看護師に、同性ながら見惚れた。
「ここで、一緒に働かない?立場は違うけど、働き易い職場よ。待ってるわね。」
「はい。来ます!」
つい・・・物の弾みで言っていた。
「そう!良かった。それなら私から話して置くわね!
帰りに事務の者から話しが有ると思うから、聞いて帰って頂戴。あっ・・・あなた、学生さん?」
「はい。大学4年です。」
「良いの?バイトしてて?就職活動は?」
「してますが・・・生活が掛かってますので、バイトは必須問題なんです!」
「そう。なら、良いわね。それじゃあ。」
綺麗な人に誘われて、来ます!なんて応えた自分に
「あたしは男か?」

それでも、バイトが無いと聞かされた矢先に次が直ぐに見つかる事など、このご時世には余り無いだろう。運が良いんだ!ポジティブに考え、笑顔で美味しいと言われた夕飯を食べ始める。
「うん。ホントに美味しい!!」

こうして、天変地異の異変から、天運良好の思いで、着替えを済ませて事務処理の為、受付に出向く。
住所・連絡先を記載し、大学名と名前を記載した。
大学=英徳学園大4年生
氏名=牧野つくし

・・・・・・と。

見知らぬ女性を病院に運び、私邸に急いで戻った。余裕を持って出掛けた筈が、慌てふためく羽目に成り、その相手に対して印象は頗る悪かった。
時間が無い事から会う約束の友人に連絡を入れた。
「あきら?
悪い、少し遅れる。今から出るから」
「ああ、解った。大丈夫だ、一人イラつかせると面倒な奴が居るから、先に飲んでるが良いな?」
「そうして。それじゃあ、宜しく!」
自分で運転はせずに送迎車でそこに向かった。
4人が集まるのは銀座の表通りから1本裏に入った店。シックな佇まいのパブレストラン。
名前は「broken heart」

その屋号のせいか知れないが、客層がかなり異質に思えた。あきらと総二朗が好む様な、綺麗どころは見当たらず、同じ綺麗でもスカル柄をタツゥーして、全身をブラックやゴールドで埋め尽くした強面の綺麗なお姉さんが同じ仲間の中に居る位だった。
「何で、ここなんだよ?司の趣味ってこんなだったか?」
総二郎があきらにそっと耳打ちして、苦情を漏らした。
「そうだよな?名前が問題だよ!
壊れた心じゃ、カワイ子ちゃんは来ないだろ?」
「何・ガタガタ言ってんだ?ここが不服か?
はあ?」
「いや何!司の好みが変わったのかと思ってさ?」
「何処が変わったんだよ?
俺はちゃらちゃらした化粧塗りたくる女の居る場所が好きじゃねえ!
それだけだ!お前らこそ忘れたんじゃないのか?」
「ああ・・・あっ!
もう良いよ。解ったから、始めようぜ!類は少し遅れるって言ってたけど、先に飲んでてっ言ってたから、さあ!久し振りの再会を祝って、カンパーイ!!」
3人はジョッキのビールを飲んだ!
「類も偉くなったもんだ!遅れるなんてな。」
「司、何か有ったのか?今日は何時もより絡むけど?」
「絡んでねえよ!
只、ババアが勝手に見合いを組んじまって・・・今日の昼間・・・」
「エッ?もしかして、昼間・見合いしてたわけ?」
「でっ?良いのかよ、今ここに居ても?」
「インダヨ!
そんな事、ババアが勝手にしやがったんだ。こっちも勝手にさせて貰う。
クスッ!見合いの席だからって、ババア達が消えて2人にされた隙に出て来た。」
「何の・・・隙に出て来たって?」

「類!」

「遅れてごめん!」
「類!何で遅れた?」
「通り掛かりの人命救助。」
「嘘だろ?類が人助け?今日は司も類も、色々有った日なんだな!」
「司は何?」
「見合いだとよ!」
「へェー、見合い?それで司、気に入ったの?」
「気に入ったとか、入らないとかじゃなく、まだその気になって無いんだから・・・しょうがねえじゃねえか!」
「そう言えば、俺のとこにも話が来てるってお袋が言ってたな!」
「まだ卒業したばかりだし、考えられないよな!」
「類と司は、MBA取るのに院に残ったんだから、まだ学生気分で良いよな?」
「総二郎、俺にはお前の方が遥にのんびり学生気分が抜けていないように見えるがな。」
「こう見えても、俺のクラスを幾つも抱える師範代なんだから、暇な訳が無い!」
「あきらは?」
「ああ。俺は、知っての通りで、親父の会社で働いてる。課長から初めて、今はどうにか専務の肩書きまで上がったよ。」
「偉いよね!あきら。始めから若社長に近い位置からだって文句言う人間は居ないだろうに。」
「親父は類が言う様に、始めから立場を上でって言ったけど、俺が見てみたかったんだ。
天辺じゃない場所から上が。平からって申し出たけど、流石にダメだしされた。
上司に当たる人間に迷惑だって!」
「もう・・・それ位で仕事の話は止めようぜ!
何か浮いた話はねえのかよ?これ程の男4人が揃いながら?」
確かに総二郎が言う様に、恋だ!愛だ!の話しをしてもよさそうな年齢にも容姿ににも想えるのに、1人として口火を切るものは無い。

「総二郎とあきらは、あれ程100人斬りだ何だって騒いでたのに、今は、どうなのさ?」
「類、俺らがあんなに無茶無茶したのは、こうして親の支配下で、何にも出来なくなるからだって知ってるだろうが?」
「お前こそ、学生の延長に居るんだ、何か有るだろう?」
「俺?・・・・・クスッ」
「何がおかしい?」
黙って聞いて居た司が類に尋ねる。
「さっき言った人命救助の相手を思い出してた。」
「笑ってるって事は、変な奴か?」
「男?女?」
「類が女を助ける訳ねえじゃねえか!」
「エッ・・・ア・アアッ!」
「ほら、見ろ!
こいつも俺と同じで、バカな女に興味は無いから・・・なっ!類。」
「そう・・だね。」
総二郎が何かを嗅ぎ付けた様に類を見ていた。
そして類自身、改めて思い出し意外だった自分の行動を振り返った。

無視して居ても不思議ではないあの状況。無人の場所で起こった訳ではなく、しかも自分は不快な思いをさせられたのだ。店の人間が例え忙しそうでも、自分の店での事ならあの女性を何とかしたに違いない。それなのに、心配し・車に乗せ・病院に連れて行き・金を払い・クビになったバイトを気の毒に思い、働けるかもしれないチャンスを与えた。
『なぜだ?』
綺麗でもなく、オシャレでも無い、寧ろ縁など全く無い様な女性にした事。
ひょっとしたら、自分の身近には有り得ないタイプで、害を成さないと感が働いたのか?
類はふと気になった。
『あそこでバイトするのだろうか?』

その晩、4人は恋愛に付いて語る事無く、近況を話し昔話で盛り上がった。少し物足りなさを残しながら。
1ヶ月に1度、会おうと約束を交わして・・・・・・


その頃、牧野つくしは我が家に戻っていた。そこは、1人きりで暮らす安アパート。
少し前に、両親は以前世話になった猟師町に舞い戻って行った。地場産業のワカメを使った加工製品に着手したのが当たり、猫の手も借りたい状況に成ったとお呼びが掛かったからだ。
弟・進は、神奈川の国立に何とか合格し、奨学金を受け、寮生活を送っている。つくしも英徳に残す所あと1年で大学を卒業できる。しかし、手狭でも安い所が良いと、以前の2間のアパートを引き払い、4畳半の台所付き・近くに銭湯付きの激安アパートに鞍替えをした。
何処のどなたか知らないが、助けてくれた上に治療費を支払い、名前言わずに消えた人物に感謝の気持ちが溢れていた。
「きっと、暇を持て余す、悠々自適に暮らすおじさんなんだろう!」
つくしの中で、その人は若き貴公子では無く、中年の金持ちのおじさんとして、インプットされた。
明日は、休まず講義を受けに行けそうだ!
きしむ窓を無理に抉じ開け、星空に呟いた。
「良い事尽くめが、一変しません様に!」



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コメント

★ Re: Re: 解りました。

> は*く*のオ*マ 様
> はい。

2010-10-05 Tue 23:10 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]

★ Re: 解りました。

はるくんオンマ様
以前から見て下さっていた「Quiet heart」だとは!嬉しいですね。

2010-10-12 Tue 10:54 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]

★ NoTitle

おはようございます。 ご連絡有難うございます。

 早速パスワードでメインサイト『Quiet heart』にお邪魔させていただきます。
非常に楽しみです!! これからも宜しくお願いいたします。

2010-10-14 Thu 09:07 URL | さすけ と申します。 #-[ 内容変更]

★ メインサイトのパスワード申請

いつも楽しみに読ませていただいています。
ありがとうございます。
ロードが終わってしまって少し残念です。
still no.1 プロローグを読ませていただき、続きが読みたいです。よろしくお願いします。

2010-10-18 Mon 21:40 URL | ゆみまま #-[ 内容変更]

★ パスワード申請

はじめまして。
still no.1プロローグの続きが読みたいので、メインサイトのパスワードを申請します。
よろしくお願いします。

2010-10-28 Thu 23:40 URL | ぷう #-[ 内容変更]

★ パスワードの申請

still no.1プロローグ読みました。
続きが読みたいです。
パスワードをお願いします。

2010-11-26 Fri 18:15 URL | メイママ #-[ 内容変更]

ルナミミさん 早速来ちゃいました。

F4とつくしが知り合いでないという設定すごく新鮮です。
これからどうなっていくのか楽しみです。

今日は旦那様がお出かけなのでもう少し読めるからうれしい!

これからも頑張ってください。

2010-11-27 Sat 18:25 URL | 猫のお昼寝 #EwVHtLZs[ 内容変更]

★ Re: パスワードの申請

メイママ様
still no.2移行もアップ致します。

2010-12-03 Fri 15:19 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]

★ Re: タイトルなし

猫のお昼寝様
どうでしたか?

2010-12-03 Fri 15:30 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]
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