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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

ロード 16歩 新たな想い

【16歩 新たな想い】

つくしは眠っている。子供の様に思える寝顔で。
数時間前、漸くひとつになれた心と・・・裸(からだ)。
つくしの酔いからのアクシデントが、計らずもそうなる道を選ばせる結果に!
大切な人に無理強いはさせたくないと迷いはしたが、溢れる想い「つくしの決心」を知った類の前では、堪える事は出来る筈は無かった。
怖いながらも、愛する人に応えたいと受け入れるつくし。誰にも渡したくない!自分で埋め尽くしたいと願う類。二つの想いが重なり合った。

目覚めの朝。先に眼が覚めた類は、つくしの頬にそっと触れた。柔らかい白い肌。
愛しても、愛し足りないつくしの全て。知る前より募る想い。そして、渡したくない感情。結ばれれば、安心した想いになれると思っていた筈の胸の中。満たされてはいる。しかし、何故か不安な気持ちが消え失せない。きっとそれは、初めて見た愛する人の甘い瞳とそそる声。他の者には見せたくは無い。同じ想いに駆れる気がして!

「つくし。今日からそう呼ぶよ!」
寝息の先のつくしに呟き、頬にキスをする。そっと首筋に腕を差し入れ腕枕をすると、裸を引き寄せ抱き締める。滑らかな肌が類を誘う。
「初めてで、辛い裸には手は出せないよな。」
そう呟き頭を撫でる。

「ん・・・・あっ!・・・る・・い。」
「起きた?おはよう、つくし。」
「おはよう・・・起きてたの?ずっと、こうして?」
「うん。ずっと!」
「じゃあ・・・腕、もう良いよ!痺れちゃうから。」
「うそ。今眼が覚めて、した所だよ。」
「もう、嘘つき。」
「痛む?」
「・・・・・ん・・・うん。少し。」
「ごめん。」
「何で謝るの?決めたのはあたし。」
「でも、俺はどこも痛くない。寧ろ元気!」
「バカ!」
「何勘違いしてるの?意味が違うよ。」
「だ・だって・・・・・」
「ああ。そうだね!でも、気にしないで。好きな子が腕の中で、こんな姿でいれば健康な男ならこれが正常。」
「見たのが初めてだもの・・・・・」
「良かった!」
「見るのも初めてが俺で。」
「もう・・・・・知らない。」
「幸せだよ。それに嬉しい。つくしが、今俺の腕の中に居てくれる事。つくしを、愛してる。」
「あたしも愛してる。」
「今日から、つくしってみんなの前で呼ぶよ。つくしも類って呼んでくれる?」
「うん。」

つくしは嬉しかった。類の不安を拭えたと想い。これで良かったんだと安堵の気持ちで。
しかし、考えていた以上に腰の辺りに鈍い痛みが残っている。身体のあちこちに運動をした後の筋肉痛の様な痛みも残る。でも、恥ずかしさで、聞かれた痛みの返事をするので精一杯。
『類は、平気なんだろうか?』
「何?俺の顔に何か付いてる?」
「うん。どれも整った綺麗なパーツ。」
「つくしも!カワイイこの大きな瞳。離したくないこの唇。」
「なんで?こんなあたしに想いを抱いてくれるの?不思議で仕方ない。取り柄がある様に想えないから。」
「何でだろう?どうしてだろう?って正直思った。綺麗な子なら回りに幾らでもいるから。でも、そこには気持ちが向かなかった。近付かれても。」
「なのにどうして?あたし?」
「視覚より感覚が、俺を近付けた!気が付いた時には引き寄せられ、姿を追ってる自分が居た。」
つくしの手が類の頬に触れる。
「これで、安心してくれた?」
「うん。俺のつくしになってくれて嬉しいよ。」
嬉しい。それは紛れもない事実。しかし、募る想いは知る前より強い。しかも、もっと全てが知りたい!まさか、それを言う訳にも行かず、平静を装った。
「今日は、ずっとこうして居ようか?」
「エッ!・・・・・このままって事?・・・・・」
「そう。このままの姿で。」
「・・・・・・・・」
「ごめん、困らせて。今日は諦める。辛いだろうから。でも、それ位一緒に居たい。」
「うん。ありがとう。」
「シャワー浴びておいで。一緒に行きたいけど、それも今日は我慢するから。」
類は先につくしに行かせた。その訳は、シーツにある。初めての証をつくしが見て、ショックを受けさせない為。しかし、手を加えるのでは無い。つくしがベッドを立ち去ったら、そっと布団を掛けるだけ。直ぐに眼に触れぬ様に。

類もつくしと、入れ換わる様にバスルームに。つくしは類がシャワーを浴びに行ってから、類がそっと隠してくれた布団の下の事が気になっていた。人伝に耳にした事を確かめたかった。
そして・・・・・
「有った!」
類に初めてを捧げた証。後悔は無いのに、瞳が熱くなる。もう、元には戻れない。知ってしまった別の世界。何が変わるのか?今は自分で決めた道を信じるだけと、改めて心に言い聞かせた。
『これで、類を束縛してはいけない。もし、辛い結果に成ろうとも、後悔だけはしたくない。愛している事に嘘は無いのだから。』
つくしは布団を元に戻し、リビングのドアを開けた。

あの日から1週間が過ぎた。
見た目には何の変化も無い様な毎日に思えたある日、講義を終えたつくしは息を飲んだ。

その日の講義はもう無い事から帰宅する為に外に出た。
バイトは今日は無く、夜には類がアパートに来る事になっている。早く帰り2人で食べる食事を用意しておこうかと、心も弾む気分で歩き出した所だった。

校舎の向こうでざわつく学生の声。
何時しか身近に聞こえ始めていたが、自分には関係無いと無視しようとしたその時。近付いて来るその群の中央にこちらを凝視している1人に身が凍りついた。
それは正に、猛獣に狙われ身動ぎひとつ出来ずに往生する動物の様な状況でその場に立ち尽くした。
「道明寺?」
数メートル先に、その人物を捉えた瞬間から漸く我に返り踵を返し逆方向へ全速力で走った。後ろから声と共に自分に向かって来る人物を振り切る様に!
『何故ここに居る?そして、何故追われなければならない?別れた筈の過去の人物。』
不可解な想いがあり、問いただしたい気はするけれど、大学構内の人眼が多い中で会う事に抵抗する気持が膨らみその場を必死で逃れた。
やがて後ろの気配は消え、逃げ通せた事を知り、別門から大学を後にした。


 ロード 

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