STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

ロード 9歩 打ち上げ

【 9歩 打ち上げ 】

後夜祭の参加学生全員で大拍手が沸き起こる。数年前までは、花火を使ったイベントでは有ったが、予算や火災防止の配慮から、今は中止になったままだ。それでも、盛り上がりに違いは無い様な程に歓喜していた。

解散後、それぞれの打ち上げに散らばって行った。
『どうしよう・・・』
祥一郎に会って、傘を返そうと持ってきた。でも、躊躇してしまうのは、優しそうに見えて鋭く射抜く眼差しが怖かったから。それでも、気持ちと一緒に渡さないといけない気がした。
「会おう!会って言わなくちゃ!」
イベント跡に脚を進ませた。回りを見ても、打ち上げに行ったのだろう?何処にも学生の姿は見えない。
真っすぐ前に人影が見える。F4にも思える様に、非の打ちどころの無いその姿。
つくしに気付き手を大きく振って、所在を知らせる。
「来てくれたんですね!」
満面の笑みで迎えられたつくし。
「あ・・あ・あの、これ・・・お返しし様と思って!」
傘を差し出すと
「持っていてはくれないんですか?」
「こんな・・高い傘、あたしには・・・似合わないですから・・・名入りだし」
「類に・・言われたんですね?」
残念そうに、眼を一瞬伏せ気味にして、再び鋭さを増した眼でつくしを見つめた。
「そうじゃ・・・ありません。」
「イヤ、この時期に気付くのが、物語っています。類・・・家に行ったんですね?」
見透かされている様で、驚きを隠せない。
「もし・・・もし・そうでも、関係無いと思います。」
「いえ、有りますから。充分に!何故なら僕は、あなたを好きです。」
「せんぱい・・・だから、おかしいです。なんで・・あたしなんですか?他にも幾らでも居るでしょう!」
「言い寄る者も、家や見掛けで判断する様な者にも、興味が湧きません。
それに、卵を見つけてしまったんです。どんな成長をするのか?見続けたいんです。出来れば、寒さや熱さから守ってあげたい。手放したくない。そんな想いです。」
「変です!からかうのは止して下さい。静かに勉強したいんです。目的が有ります。見返したい人もいます。自分を変えたくて、この学校に必死の思いで辿り着いて、まだ途中です。立ち止まる訳には行かないんです。」
「だったら、尚更・・・つくしさんには僕が良いに決まってます。目的が同じでしょう。医学部に進むんでしょう?」
「それは・・・」
「言った筈です。此処で会えても、直ぐに恋愛対象に成れるとは想っていません。本気かを知って貰いたいだけです。
ここで、待っていて良かった。昨日にも増して、今夜のあなたは綺麗です。ヒナがどんな姿の鳥に成るのか知った様な気がしてきます。
司も類も、流石に観る眼が有るなと、感心します。あなたが、クラブに入ってくれて良かった。辞めないでください。それだけは、聞き届けて下さい。
今は、その中で先輩後輩だとしても構いませんから。」
その時、祥一郎とつくしの携帯が一度に鳴った。
「「はい。」」
どちらも、クラブの打ち上げで待っていると云う催促の連絡だった。
「行きましょう!」
「で・・でも。あたしは・・・」
「なら、僕も行くのを止めます。つくしさんと2人の方が良いに決まってる。」
「い・き・ます。」
してやったりと言う顔で、つくしを見つめる祥一郎。
「それなら、行きましょうか!そろそろ、締め出しをくらい兼ねない!」
『たしなみ会』の盛り上がりの中に、2人で向かった。
打ち上げの開かれている居酒屋の前で
「先に行ってください。別々じゃ無いと・・・」
「なら、つくしさんが先に入って下さい。その後で入りますから。」
「解りました。」
店につくしが先に入ると、その姿を見て男子学生は勿論だが、女子学生からも驚きの声が湧き起こった。
「可愛い!」「綺麗!」「牧野さん?」
一気に注目され、男子学生のまん中に入れられてしまった。そして5分後、祥一郎が姿を見せ、歓声が更にヒートアップした。
「ヤアみんな!遅れて済まない。昨日・今日は、!ご苦労様でした。良い酒で大いに疲れを解してください。
成功した模擬店と2日間の祭全体に感謝したい気持ちで一杯です。これからも、宜しくお願いします。」
既に乾杯が済んでいる為、祥一郎は挨拶を終えると、身近の学生とグラスを合わせた。視線の中につくしを捉えながら。
「先輩!それにしても、女は怖いっすね。」
「何でだ?」
「牧野、見て下さい。あんなに可愛いとは知りませんでした。それ程、化粧はしてなさそうなのに?」
「今頃気付くなんて、お前の眼は節穴だな!でも、惚れるなよ。」
「先輩?もしかしたら・・・・」
「ああ。惚れてる。初めてだよ!こんな気持ちにさせられたのは。」
「牧野は、知ってるんですか?」
「ああ。」
「なら、問題無いじゃないですか!」
「いや、今はその気に成れないって。」
「先輩を断る奴が居るんですか?」
「ああ。僕も初めてだよ!」
「信じらんないです?」
祥一郎を慕う山村には信じられなかった。西門祥一郎程の完璧な男子に告白され、受け入れられない女子・牧野つくしをマジマジ見つめる山村だった。つくしの変わり様に周囲の男子が、色めき出し周囲に集まり始めた。
「牧野さんは、何処の高校だった?」
「何処って・・・・・ち・ち・よっと、それは・・・」
「女子高?それとも、共学?」
苛々し始めたつくし。質問攻めの状況に、喉が渇き眼の前のグラスに手を伸ばすと
「牧野さん・・・それっ!・・・」
つくしが飲んだのは、隣の男子がビール用に用意されたグラスに、お湯に焼酎を入れた物。既に時間が経ち、冷たい為に手に取っても気付かずに水に見えた、つくしは躊躇する事無く飲み干した。
「何ですか?これ、水と違いますネ!何か少し変です・・・あたし・・・でも、大丈夫です!」
見る見るうちに顔色が真っ赤に成り、壁に凭れかかり眼を閉じたつくし。少し離れては居ても、その行動を見つめていた祥一郎は、直ぐそこへ駆け寄った。
「何?今のは・・・水じゃ無かったのかな?」
「はい、焼酎です。でも、始めはお湯でしたが、割って有ります。」
「未成年だから、慣れない分・・・利き過ぎたんじゃないのかな!」
「あっ・・・!は・はい!」
「どうしますか?先輩・・・」
少し考え込み
「ちょっと待って、電話して来るから、横にして上げて!」
「は・はい。」
回りの学生が心配し、一喜一憂する中
「みんな!牧野さんは、慣れないアルコールで酔っただけだから、心配いらない!これでも、医者の卵だから信じて欲しい。みんなは、楽しんで!!」
「「「「はい。」」」」
少し動揺が見られ出したその場に活気を取り戻させて、携帯を取り出しながら外に出た。
「もしもし・・・総?祥一郎だけど・・・・・」
弟・総二郎に連絡をした。そして事情を話し、一緒につくしを運んで欲しいと頼んだ。
「解った。今行くけど、そこはどこ?」
「ああ。ここは・・・・・・・」
20分程で、総二郎は到着した。

 ロード

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