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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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ロード 4歩 胸中

2010-09-19 Sun 18:25

【4歩  胸中】

なぜ?どうして?
言いだしたらキリが無い。 考え出したらキリが無い。
どれ程の可能性が どれ程この手に
だけど 今は考えず・・・ひたすら前を見続けよう
人生・・何処で何が起こるかなんて 解る筈が無いのだから・・・・・
夢を追い掛け前をみる。  
そこで・・・星の欠けらを見つける為に

放心状態のままアパートに戻った。幸せなひと時を過ごせる為に招かれた・・・・・そうでは、無かった!

始めから、絶縁を目的にした『最後の晩餐』気を許し掛けた自分への、最も悲しい仕打ちにも想え、今まで以上に胸が痛い。しかも、父親を罵倒されての事も加わっている。
確かに最もな言い分で、本来腹を立てる筋合いは無い共想える内容。それ程、こちらに非がある。
しかし、やる事が大人げ無い気がしてならない。もっと違うやり方は無かったのか?・・・・・・それが悲しくて。

最後に、道明寺司・・・牧野つくしと将来を誓った青年・大企業御曹司。そして、その人の息子。
その人が、二人に将来は無い事を・・・息子・司に告げると、そう言っていた。はたして、息子である自分にとって、掛け替えのない筈のその人は・・・・・どうするのだろう?
「信じてる!」
そんな事で、壊れるなんて有り得ない。今は、暫し連絡を待ってみよう。それしか、今の自分には出来ないのなら・・

美作あきらから連絡が有った。
『明日、団子屋に総二郎と迎えに行く。美作』
それだけの短いメール。一体何時に迎えに来るのさ?それに、何処へ行くんだろう?
まあいいや。道明寺の母親とだって行けたんだから、今更気になる事なんて無い位、度胸が付いてるから・・・
つくしは、この所の目まぐるしい事態の中で、どれ程自分に降り掛かる事が有れば済むのかと、半ば我ながらも呆れ果てている。
自分を変える?何処まで現実になるのだろう?この日、布団に入りながらも、珍しく神経の昂りのせいか、中々眠れない夜をつくしは送った。

約束の日、つくしは団子屋でバイトの終わる時間を気にしながらいた。
「知ってるのかな、終わる時間?」
外に出て、辺りを見回したが、それらしき人は見当たらない。
「つくし、今日どうした?何か有るの。」
「うん、美作さんと西門さんが、あたしに用が有るんだって!・・・アッそうだ、優紀・・・今日暇?」
「ごめん。早く言って貰えれば行けたけど、今日久し振りに家族で外食。いつもなら断れるんだけど、ママの知り合いがお店をオープンさせた場所にお祝い方々行くんだ!つくし、ごめんね!西門さんが居るなら行きたいけど、今日は無理だね。」
「そうか、良いよ!楽しんで来て。」
「でも、妙な組み合わせだね?美作さんと西門さんと・・・つくし?花沢さんは?」
「ううん。花沢類は居ないよ。今、日本に居ないらしい!」
「エッ!大学を休んで?」
「うん。夏休み一杯留守みたい。」
「つくし、寂しいね。」
「そ・そんな事・・・ない・・よ!」
「そう?」
親友は、複雑な表情でつくしの慌てる顔を覗き、心配そうに見つめて、
「もう時間だね!片付けよう、つくし」
「アッ・・・うん。そんな時間か?」
「アッ!あれ、美作さんじゃ・・ない?」
「エッ・・・ほんとだ・・・・・」
「時間通りだな!牧野、迎えに来たぜ!ここ止められなかったから、総二郎が向こうで待ってるんだ、もう終わりだろ?」
「アッ、うん。今片付けたら終わりになるよ。」
「そうか、なら・・・車に居るから来れるか?」
「うん。解った。あの角のとこ?」
「ああ、そう。じゃあ、来いよ!優紀ちゃん、またね。」
「はい。」
つくしは、複雑な気分であきらの後姿を見ている。
「どうしたの?つくし。」
「いや・・・不思議だなって。」
「何が?」
「だって、貧乏人のあたしが、あんなカッコイイお金持ちのおぼっちゃまと知り合いになって、迎えに来て貰ってるって事がさ。」
「そうだよね!人生何処で何が起こりかなんて、ホント分かんないよね!」
「・・・そう・そうなんだよね?そうだよ!何処で何が起きるかなんて、解らないんだよね!やっぱり、優紀はあたしの親友だよ!モヤモヤしてたのが、少し晴れたよ。
そうだよ!!人生・・・分かんない事が起きるから楽しいんだよね!」

急に顔が明るくなったつくしに、首を傾げながらも元気になった姿に、優紀も笑顔になっていた。そして、店仕舞いを済ませ、
「「バイバイ!」」
手を振り、右に左にと足をそれぞれに歩き出す。言っていた角を曲がると、スタイルを自慢するかのように、腕組みをした二人の青年が車から出て、こちらに笑顔を向け立っていた。
「遅いぞ牧野!早く行こうぜ!」
「アッごめん」
「大丈夫だよ。総二郎、バイトしてたんだからしょうがねえだろ!」
「まあな!」
「さっ。旨いもん食わしてやるから行こうぜ!」
「ありがと。美作さん」
「俺には?」
「あっ!!ありがと、西門さん。」
「チェッ。なんか、付けたしみてえだな!」
「お前が、先に余分な事言うからだろ。そんな事より行こうぜ」
「オウ。」
「さあ。牧野も乗って」
「うん」

こうして、3人は連れだって走り出す。つくしに取って食事よりも、花沢類が休んでまで行く事になった理由が気になりながら・・聞きたさと・・・聞きたくない様な、複雑な感覚の中・・・座り心地の良い総二郎の車のシートに身を沈めて、俄かに眠気が差し始めていた。
「牧野着いたよ」
あきらの声に、重い瞼をゆっくり開けると・・・そこは・・・・・

牧野つくしが、美作あきらと西門総二郎に連れられて来た場所。
図らずも苦い思いの場所。二度と来る事は無いと思っていた・・・・・あの超高級料亭。
「ここは・・・」
つくしは、門の前で脚を止め、溜息をひとつ地面に落とし、折角あたしを想い、選んでくれた場所。
しかも、もう来れないと思った場所に2度も、しかも1日空けただけで来れるとは夢にも思わない。

深呼吸をし、2人の後に続いて飛び石を渡った。
あの時と同じ佇まいで、女将に迎えられる。しかし、驚いた事に、女将はつくしを見ても、何一つ様子を変えず、美しい仕草で3人を案内した。2人に対しても同じ事で、何時来たのやら、誰と来たのやらを、詮索させる言動も、振る舞いも、微塵も現さない。これが、一流の料亭の女将。
きっと2人に成った時に、さり気無く言葉を交わすに違いない。

この日通されたのは、石庭の無い高級料亭のポピュラーな和室と、思われる部屋に通された。
床の間には、流派は解らないが、見事な花が活けられ、掛け軸にしても、名立たる名品なのだろうと思う物が掛けられている。座卓を前に腰かけた3人。
「やけに、落ち着いてるけど、牧野ここに来た事在るだろ?」
「な・ないよ。これ程の場所を知る訳も、来た事が有る訳も無いよ。」
「そうか?」
あきらが、訝しげに首を傾げるが、敢えてそれ以上は聞こうとはしない。それが、紳士のマナー?そんな気がする。
「ここの女将美人だろ?あの、立ち居振る舞いは、並大抵では出来ない程だから、生まれ持ったモノも有るんだろうな!」
総二郎が、しきりに女将を絶賛し、あきらは
「解ったよ、総二郎。
それより、牧野遠慮しないで食えよ!ここは、俺も3度目なんだ。1度目は、司に連れられて来たんだ。
司の第2の家?みたいに何かに付けて、利用してるらしい。俺も、こう言う場所好きだから、牧野にも味わいさせてやりたくなって、今日はここにしたんだ!」
嬉しかった。本当に、嬉しくて・・・なのに、あの時間がリフレインして、少し切なくなる。
こっちが先であれば、どれ程良かったか知れない。
「ありがとうございます。」
それでも、既に居る以上は相手にも失礼にならない様に楽しまなくちゃ!そう心に言い聞かせ、運ばれる料理に舌包みを打った。僅かばかり高級差があの日とは違うが、それが返ってホットし嬉しい。
「美味しい。凄い美味しい!!」
「良かった。牧野の喜ぶ顔が見たかったからな。」
「そうだな!牧野は食わし甲斐があるからな。色気はねえが、見ててこっちが嬉しくなるぜ」
「ありがとうございます。」

この後暫くは、他愛もない話しで盛り上がり、やがて、あきらが切り出す。
「牧野、類の事なんだが・・・・。」
「あきら、類がどうかしたのか?」
「総二郎・・・・・知らないのか?」
「なにを?」
「解った。2人の為に説明するよ」
それまでの、柔らかい顔から、真剣な表情を見せ
「類は今、フランスに居る。お祖母さんが倒れた為に行ってるんだ。」
「なんで?類がお祖母さんの事情の為に、行かなきゃなんねんだ?もし、行くとしたら母親の役割じゃないのか?普通」
「確かに。でも、それは出来ないらしい。類のお袋さんは、半ば無理やり結婚したみたいな事言ってたから。恐らく、確執って言うか、受け入れられないのがお祖母さんの方で!」
「それにしても、お袋さんは行ってもみないのか?」
「・・・・ん・まあ。それは、親父さんが常にお袋さんを側に置きたいらしくて、何処に行くのも一緒。今ではそのせいも在って、事務処理も合間を縫ってこなしているらしい。そこに盲点が有る。」
「頼めるのは、類だけって訳だ。」

2人が話す中、只つくしは聞くしかなかった。
考えてみたら、類の事や眼の前の美しい若者達の事を、ただ単に・セレブで将来は、それぞれの後継者に成り世界へ羽ばたく人。それ位しか知らないのだ。

「花沢類は、お祖母さんの所で何をしてるんですか?お金持ちのお家なら、診てくれる人は居るだろうし。
だとしたら、そこで何かの仕事に絡んでるんですか?」
つくしが初めて口にした。
「ああ。祖母さんも実業家で、フランスで不動産を所有して。それと、規模は大分縮小したらしいが、商業店舗を展開しているって聞いてるから。もしかしたら類は、その店舗の管理に行ってるのかもしれない。」
「それが一番在りそうな事だよな!でも、だったら1~2ヶ月で足りるのか?」
「いや、それが問題なんだ!類から聞いた訳じゃないから・・・何共言えないけど、ひょとしたら、留学してそのままフランスに残るんじゃないかって!
そんな話を家に来た取引先の人間と親父達がしてるのを、たまたま聞いたんだ。俺に気が付いて、それ以上の内容は話さなくなったから、その先は解らないけど。」
「でも、花沢物産・って言うか、花沢は類しか子供いねえから、会社だって在るだろうが?」
「ああ。だから周辺で関わってる者が、一喜一憂してるみたいさ!」
「後継者問題・・・か?」
「まあな!」

つくしはこの数日間で、後継者に絡む問題を極身近でリアルに聞かされ、およそ無縁と思っていた世界が、大切な人の人生を左右している・・現実を付き付けられている。
高校生のあの頃の、お金持ちで・カッコ良くて・頭が良い。ただ憧れの対象で、優雅に好き勝手出来る青年達では・無かった。
知れば知るほど、彼らに課せられた背景は大きく。これなら貧乏でも、好き勝手出来る方がどれ程楽だろう!そう想う部分さえある。
ただ今のつくしは、類も・・・目の前から消えそうだと云う事が、ぐるぐる回り何時しか堪え切れなくなって
「ごめんなさい。トイレに行って来ます。」
そう言って、席を外した。何処にあるかを2人に聞きもしないで。
「牧野、何処にトイレが有るか知ってるのかな?総二郎、心配だからちょと見て来るな!」
「ああ。じぁあ・今のうちに食ってるよ」
「そうしてくれ」
あきらは、不自然に行動ぜず、あくまでつくしの行方を心配して席を立つ振りを装い、しかし『牧野は、ここに来た事が有るな!しかも、恐らく言いたくない事情で。』そう考えれば、入口での不可解な行動や、喜び方にいつもの牧野らしさが無いのにも辻褄が合う。女将に聞いた所で話す筈は無い。直接聞いてみるか!そう考えて、席を立った。

案の定、トイレまでの長い廊下の目的場所前で庭を眺めるつくしを見つけ
「牧野。」
「アッ!美作さん。綺麗ですね・・・お庭」
「そうだな!でも、前に見た部屋の庭程じゃないだろ?」
つくしはあきらの横顔をじっと見つめ、
「女将さんから聞いたんですか?」
「やっぱり来た事が有るのか。」
「エッ?試しました?」
「ああ。女将が話す訳ないだろ!」
「そうで・・すよ・・ね!」
「俺はまだ入った事がないけど。石庭の施した部屋がここでは一番のVIPしか許されない部屋って、初めに司に連れられて来た日に、教えられたんだ。
しかも、その一人が司のお袋さんだって事も。」
「そうだったん・・・ですか?」
「何時来た?」
「一昨日。」
「早くNYへ来いってか?」
「いいえ。その反対。・・・しかも、ここでの食事は「最後の晩餐」だって。」
今度はあきらが、つくしの横顔を眼を丸くして見つめ
「司は・あいつは知ってるのか?」
「ううん。これから、NYへ帰ってから話すって言ってました。」
「牧野、それで良いのか?」
「そう言われるだけの事情もあるから、あたしからは何も出来ないんです。後は道明寺次第・・・・・」
「牧野・・・・・」
「寄りにも寄って、こんな時に花沢類も居ないなんて。」
「牧野・・・お前、類を?」
「エッ?何ですか?」
「いや。類が居れば良かったって想うのか?」
「いえ、そう言う訳じゃないんですけど!
気が付くと、迷ったり・困ったりしてる時にいつも花沢類が居たから、それが当たり前に近く成ってるみたいで。」
あきらは牧野つくしの中で、類が友人の領域を超え始めているのを知る。
まだ、つくし自身は気付いては居ないらしいが・・・・・

「お前ら・・・・・遅いよ!何してんだ?」
「アッ・・・・・西門さん、ごめんなさい。あたしが迷子になっちゃって!」
「バ~カ!言えば一緒に付いて来てやったのに!
早く来い。今日は牧野に上手いもんを食わせたくて、来たんだからな!」
乱暴な言い方だけど、その奥は底が見えない位に深い温かさが有って、つくしの頬を熱い滴が伝わった。見えない様に手の甲でそっと拭い
「は~い。それじゃあ、今度からいっつもトイレ、一緒に付いて来て下さいね!」
「エッ?牧野と臭い仲に成るのかよ!勘弁しろよ!!」
つくしが総二郎の隣に並ぶと、総二郎はつくしの頭にそっと手を乗せ
「何、泣いてんだ?」
「欠伸したんですけど。」
「何だ!心配して損した。」
「もう、西門さん!」
「あきらも早く来いよ!」

2人の後姿を見つめながら、牧野つくしのこれからが、あきらは気に成り今まで以上に、複雑に絡み合いそうな・・・そんな予感を感じていた。

・・・・・・・・・・・追記につづく

3 ロード 5

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暁の空 まだ夜は明けない 暗闇の中
間も無く静寂な時は去り 人々の生活の音と共に 明星が姿を現す筈
希望と憧れを胸に秘め 静かに待とう 瞑る瞼に光が届くその時を

牧野つくしに取って、気が滅入る事が続いて、気落ちしそうな気分で学校への道を歩いていた時
「アッ!試験の結果が解るんだ!」
思わず大声を出し、周囲に居る人が驚き立ち止まりつくしを見る。
「す・すみません。」
身を屈めて小さくなり恥ずかしくて駆け出す。
廊下に張り出されている筈だ!向かうつくしに、敵意を示す幾人か。
つくしは、ひょっとしてと?募る想いを膨らませ眼を俯きがちにして、その前に辿り着いた。
『ゆっくり眼を開けて見るんだ!!
目標=30位以内。今までが170名中59位だから、それよりも更に半分以上・・・上げなくてはならない。
それが無理なら・・・・・国立は・・・・・』
見たいが・・・見るのが怖い!意を決して・・・・・
『さあ!見よう』
つくしは、ゆっくり眼を開けて行く
50位・40位・・・・・ない!
45位・・・ない。40位・・・ない!35位・・・ないよ!30位??な・ない!!
29・・・25・・・・20位エエッ?な・・ない!!
19・・・15・・・・10位エエエッ??な・な・ない!!!

ア・ア・ア・あった!!!7位 牧野つくし

回りのクラスメイトが、それに気づき
「スゴイネ!!ベスト10入り。おめでとう!」
「あ・ありがとう」
「そう言えば、頑張ってたよね!」
「そうそう。何気に気が付くと寝てるし、良くやったよね。」

クラスメイトの賛辞は何より嬉しい。F4との絡みのせいで、何かと肩身の狭い思いを強いられて来ただけに、温かな言葉に弱い。
「ありがとう!」
それまでの、幾つかの出来事が、その一瞬は遠のいていた。

『国立・・・行けるかも知れない』
そう想うだけで、気が少し晴れる。今は、前を向こう。自分を変えるんだ!未来を自分で切り開くんだ!

いつか・・・あの人の前に出て、対等とは言わないまでも、聞く耳を得る為に!

そして、夏休みが訪れ、バイトから戻ったつくしをアパートの前で待つ人が
「道明寺?」
つくしは駆け寄り、少し息を荒くしながら
「ど・どう・・した・・の?」
「連絡なしで悪いな!」
「それは、良いけど。・・・お母さんから・・聞いた?」
漸く呼吸が整い、話しが普通に出来るようになり、切り出し難い事から、ぶつけてみると
「ああ・・・聞いた。牧野の親父さんの事・・だろ?」
「う…うん。そ・それで・・・どうしたい?」
「別れよう!」
「エッ?・・・今・・・なんて・・・言った?」
「別れよう。そう言ったんだ。」
「う・そ・・・だ・よ・ね?」
「いや。嘘でも・冗談でもねえ!」
「じゃあ・・・ホンキ?」
「ああ。それを言う為に、日本に来たんだ。せめてもの、俺の誠意として。」
「道明寺のあたしに対しての気持ちは、パパのあの事で壊れる位のモノだったんだ。」
「お前は、あれ位って言うけど、あれが・・・これからの会社の行く先を左右し兼ねない事になる位は、俺のパートナーになろうとしてたんなら知っとけよ!」
「そう・・・解ったよ。もう良い・・・・・。」
つくしは信じていた。気にするなと言いに来てくれる事を。でも・・・・・やっぱり、魔女の息子なんだ!

これで、踏ん切りを付けるんだ。
国立に行けそうだと解った日で・・・・・良かった。少しは、気持が持ち堪えられるだろう!

「帰って・・くれる!」
「・・・・・」
「もう・・・二度とお互いに会わない様にしよう。」
「・・・まきの」
「もう、名前も忘れて!あたしも忘れるから。」
「何も、そこまで・・・・」
「あたし信じてたんだ。あんたの事。あたし、あんたが・・・・・もし、無一文で出て来ても、あたしを選んでくれたら、付いて行こうって・・・そう、決めてた。
でも、あんたはやっぱり・・・・・道明寺司で
あたしは何処まで行っても・・・・・牧野つくし

でも、それで良いんだよね!運命って軽々しく使いたくないんだけど、これが・・・あたし達の運命。」
「牧野」
「サア行って!あんたが行かないなら・・・先に、あたしが部屋に入るよ!」
「そうしてくれ。」
「そう・・・解った。じゃあ・・・行くね!最後に一つ。
道明寺  いままで、たくさんの思い出を   ありがとう。
アッ・・・・・これ、返す。じぁあ。   元気でね。さようなら」

つくしは、カバンから携帯を取り出して司に返すと、一気に階段を駆け上がって行った。
「牧野。」
司は自分から言い出した別れを、これで良かったのかと複雑な想いに駆られながら、明かりの点かない部屋を見上げながら立ち尽くした。
この時、司の言葉の一つ一つに気を向けていたら、2人の人生は違っていたのかも知れない!
『あれが・・・これからの会社の行く先を左右し兼ねない事になる位』
冷静な状況にない2人は、気づく筈などなかった。きっと、あの人は全て計算付く。

つくしは泣いた。涙が枯れると思うほどに・・・・・泣いた。

きっと、司の判断は間違いではないんだ!そう・・・言い聞かせながらも、泣いて・・泣いて
ドアから、入った直ぐの場所で、靴も脱がずに・・・・・泣きながら・・・・・眠りについていた。

司もまた、そこから立ち去り難く部屋を見上げ地面に熱い雫を落とし、乾いた地面の1か所だけを湿らせて・・・・・

これが・・・運命と云うのなら・・・・・人は何て残酷なのだろう!
善意でなら、場合によっては・・・許される事も、
悪意でするとしたなら・・・・・例え、それが肉親で合っても・・・してはならない

この日を境に、大きく歯車は動きだす・・・・・


牧野つくしは、あの日を境に心に決めた。誰にも、頼る事無くやってみよう!当たり前の様で、それは難しい。
人は、何がしかの時には、必ず誰かの援助を受けているモノ。決して一人ではない。
でも、つくしは心に深い傷を今・・・・・・負ったばかり。しかも、愛する人と・・・その母親から。

種を撒いたのはこちらの方。怨む筋合いではない。だから、怨んでいる訳ではないのだ。ただ、悲しいだけ・・・

悲しい出来事に遭った今、声を掛けて欲しい人は日本には居ない。グローバルな人物ばかりが周囲を固め、つくし自身は貧乏のど真ん中。矛盾ばかりが生活を狂わす。

花沢類の事を詳しく知りたい・・・でも、諦めた。司との事で、嫌と言うほど思い知らされたんだ!
つくしは、密やかに・然密に、受験に向けて対策を練り上げ、進行させる。
あきらと総二郎は元より、滋と桜子が訝しげに、つくしの身辺を調べ始めている。敏感になっているつくしが、気付かない訳は無く
「桜子、何こそこそあたしの回りを見張るようなマネしてるのさ?」
「いえ・・・していませんけど?」
「そんな暇が有ったら、肩でも揉んでよ!貧乏暇無しで、クタクタなんだから!」
「あらイヤダ、牧野先輩若い女性が・・・はしたない!揉んでとか言ったらだめですよ!」
バツが悪いのか?関わりたくないのか?桜子はつくしの調査もそこそこに逃げて行った。

『桜子、言えなくてごめんね!』
類は、やはりあれ以来、帰国はしていない!大学には、書類上の手続きを代理人を通し、フランスの大学へ短期留学の形を取ったらしい。あれから、電話1本の連絡も無い。
司にしても、類にしても、所詮・・・自分はその程度の女でしかなかったと!むしろさっぱり脇目も振らずに、受験に臨めると強がりを決め込んで、バイト尽くめの夏休みを終えて、ひたすら自分の世界に浸った40・数日。
優紀には国立受験を告白している事もあり、声援はしても、誘惑の様な誘いはしないでいてくれてる。
優紀のママの紹介で、いつかの開店したばかりだと云う店の夜間清掃をさせても貰えた。好意も加わり、若干のバイト料も上乗せして貰えて、順調に蓄えも増えている。

そんなある日、1通の不思議な手紙を受け取る。
『悪かった。がんばれ。』
その言葉と一緒に1万円のお金が添えられて、現金は入れてはいけない。それを入れて送る人間。
短い手紙を添えながら、お金も入れる様な奇特な人。名前も無い。有るのは「牧野つくし様」の宛先と住所のみ。
気持ちは悪いが、ひどく嫌な気にはならなかった。それでも、1万は封筒に仕舞い込む

そして幸運にも、あれから勉強は成績が落ちる事無く10位以内をキープしている。
美作あきらと西門総二郎は、暇らしく時々出掛け様と誘ってはくれるが、つくしは色々な理由を付けては断り続けて。
その訳は、桜子達同様に最近のつくしの様子が違う為らしい。
司と別れた事は、隠す訳ではなく、ただ単にキッカケを失って言えていないだけ。それは、自分の親にも同じ。話していない。話す事で、父・晴男の失態が絡んでいる事や、司とつくしが別れる原因は何かを母・千恵子はあれこれ、詮索するだろう。そうなってはいけない。
ただ、父に聞きたい思いではある。今でも、娘のつくしが知らないと本気で思っているのかと・・・・

季節はやがて、夏から秋へ
バイト先の団子屋ではこの所、女将さんの身辺が慌ただしくなっていた。
以前からの、都市計画の区画に入っている事で、場所を撤退するようなのだ。移店地を2か所程、提示は受けているらしいが、迷っても居る様にみえる。それに同時進行の見合いの話も出ている様だと、たまたま電話の受け答えから知った優紀が言っていた。こうして、つくしだけではなく・・・人には、人生の岐路=ターニングポイントが有るんだと云う事を改めて知りながら、怒涛の年末~年度末を送る事になる。

そして、今つくしは既に来年の合格を予測し、行動を起こし始めている。何故なら、少しでも安く環境の良い所に住みたい為。目指す大学に合格してからでは遅いのだ!
いや、普通はそれから行動を起こすのが当たり前。でも、お金が無く自分で生き抜く・・・つくしに取っては、住む周辺の諸事情をシッカリ把握して置かなければ、バイトに関しても交通費で支出に脚が出ないとも云えない。
休みになると、足繁く大学周辺を歩き回っていた。

花沢類は、何度もつくしの携帯に連絡を入れていた。しかしその度に「お客様の・・・・・」
そう、恐らく滞納金?仕方が無いかと諦めた。

瞬く間に・・・秋から冬へと!
あれから、然したる変化もないままに、セーターやトレーナーでは居られないコートの必要な季節へと移り、今年最初の雪が観測された12月。つい1週間程前に、桜子が教室に顔を出しつくしに手招きをして、こっちに来いと誘って来た。嫌な予感が背筋に悪寒と共に走り、首を横に振って断ったが、次の瞬間二つの顔が現れた途端、奇声とも歓声とも付かない声が轟き渡る。場を沈めるには、つくしが原因の元へ行かねば収集が付かない様だ。
「美作さんと西門さんまで、何してるんですか?」
半ば呆れ気味につくしが尋ねると
「聞きたい事が有るから、ちょっと来れるか?」
「あたしに?」
「牧野の所に来て、他の奴に用が有る訳ないだろ!」
「アッ・はい。」
あきらの顔から判断しても、何だか聞かれそうで、抵抗感が先に立つ。

カフェでお昼をみんなで食べながら、和やかそうに食事を進めていると
「牧野旨そうだな!ひとつくれ?」
総二郎が呑気に話すのを、あきらが
「子供じゃあないんだから・・・」
「良いだろ!」
「良いよ!はい卵焼き」
「サンキュー」
「牧野、大学どうするつもりだ?」
「解らない。」
「解らないって・・・。行かないのか?金の問題だろ?
だったら・・・」
「援助はいらないよ!あたしの事だから。自分で決める。」
「司は・・何て言ってる?」
まだ、みんなは司とつくしが別れた事を知らない。
「関係ないよ。大学は、牧野つくしの問題。」
「でも、それじゃあ?」
「色々考えてるんだから、そっとして措いて欲しいよ!」
つい・・・苛立ち、言い方がキツクなる。
「そうか、そうだよな。悪かった。つい心配になって、聞いたけど確かに牧野のプライベートな問題だよな。
もし、俺達の力が必要な時は、仲間なんだから遠慮せずに言ってくれ!良いな?」
「う・うん。ありがとうございます。」
つくしは複雑な想いのまま頷いた。

この夜、つくしは悩んでいた。
美作あきらと西門総二郎に受験の事を隠していて良いものかどうかを・・・・・

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