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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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ロード 3歩 真心と失意

2010-09-17 Fri 09:07

【3歩  真心と失意 】

 

《回想 1年前 》


ひとは自分にない物を持つ人に憧れを抱く それぞれの限りない違いの中で  
それは単に容姿にだけではなく その人が持つ個性に 魅力ある部分に!


花沢類が、顔色を変え牧野つくしのアパートから帰って行ってから、つくし自身なぜか気まずくて、非常階段へは行けずに数日を過ごしていた。
期末試験を前に、今はその事に打ち込まねば、元も子もなくなる。実際、バイトと勉強で更に過酷さを増し、寝不足もピークになりかけた試験当日の朝。校門の前に類が立っていた。
「花沢類!」
小さく手を挙げつくしに合図をした。
「牧野遅いよ!」
「アッ・・・う・うん!おはよう・・花沢類。」
「おはよう、牧野」
急いで駆け寄る。
「どうしたの?もしかしたら、待っててくれた?」
「うん。でなきゃ、高等部には用はないでしょ!」
「そう・だよね!で、どうしたの?」
「これ」
「エッ?」
類の手が、つくしの手を取る。
「エッ!な・何?」
回りをキョロキョロ見渡し、遅刻間近のこの時刻ならもう誰も居ない。つくしは、急に手を握られ焦ったのも束の間。
「牧野にプレゼントあげようと思って。」
「プレゼント?誕生日知ってるのに、なんで?」
「変わりたいって・・・思ってるんでしょ!」
「う・うん」
「自分をまず知る事。そして、言い聞かせる事。その為にあげる!もっと、良い女になりますように。」
「あたし・・・良い女?」
「うん。そう思うよ容姿端麗とかではないけど。」
「もう、一言多いって言うの!でも、ありがとう。大切にする。アッ、もう行かなきゃ!」
「試験頑張って!まずは変わる1歩だから。」
「うん。」
急いで駆け出すつくしの後姿に言葉を告げたが、恐らく声は届いてはいない。
「また言いそびれた。今夜フランスに発つって!」
門につくしが入りきるのを見届け、類はつくしとは反対の方向へ歩いて行った。

つくしは今日もギリギリに席に付く。
「花沢類ありがと!絶対今回は上手くいく!」
隣の席にも聞こえないような小さな声で小箱に話し掛け・・・机の中に入れる。

チャイムが鳴り教師がテスト用紙を手に入って来た。
「さぁ!ガンバ!!」
朝の挨拶のあと、教師が一通り試験の事やこの数日に付いての話しをし終える。いよいよテストが配られた。
心の中で言う。
「決戦・・第一日のゴングが・・・カンッ!」

第一日目の試験が済んだ。
バイト先の団子屋で、類にもらったプレゼントの手鏡を見ていると後ろから明るい声がかけられた。
「ウワァー!素敵。つくしが鏡?珍しいね。」
「あっ、優紀。うん、初めての手鏡だよ。」
「なんで急に?」
「これを持ってると、変わリたい自分になれるオマジナイがかけてあるんだって!」
「ふぅーん。つくし何に変わりたいの?」
「そう!魅力ある、自信に満ちた自分。」
「なーんだ!だったら、なってるじゃない。」
「エッ?あたしが・・・・?」
「そうだよ。私から見たら、つくしは充分魅力があって自信に満ちてるよ。」
「ありがと、優紀。」
あたしの友達は凄いと思う。
気がつくと私をくぼみから引き揚げてくれる。いつもは側にそっと寄り添うだけで、特にチヤホヤする訳ではない。でも、迷ったり挫けそうな時には決まって近くに居ようとしてくれる。身体が居られない時は、心だけでもあたしに向けて。
この友達がいるから、あたしは英徳でも、ここでも自分らしくいられる。優紀の顔を見ながらそう思っていた。


倒れそうな数日が過ぎ、ようやく静かな日常を迎えられそうな日が訪れた。今日で試験が終了する。
久し振りに非常階段に行ってみた。弁当を食べ、類を気にしながら時間を過ごす。時計を見て、昼休みの終わる時間が近づき、類が来なかったと想いながらドアを閉める瞬間・・・・・どこかで類の声がした。
『夏休み少し前からフランスに・・・・・』
そう聞こえた気がした。

すると、不意に気付いた。試験当日ワザワザ校門で待ってまでプレゼントを渡してくれた事を!
全てに意味があっての事だったと!
この日、美作あきらに珍しく、つくしから連絡を入れた。
「もしもし、美作さん・・・牧野です。」
「オウ!やっと連絡よこしたな!」
「エッ、あたしが連絡するってわかってました?」
「ああ。ただし、俺じゃなく類がね。きっと、牧野から連絡が入るから、そしたらフランスに行った事を話してくれってさ!」
「お見通し・・・ですね!」
「そうだな。類は牧野の事、ホントにわかってるよな。司より凄いかもな!」
「ヤ・やめてくださいよ!道明寺に聞かれたら、またなんて言われるか?」
「ああ。わかってるよ。それより、類がフランスに行った理由、その調子じゃあ聞いてないんだろ?」
「アッ・・はい。知ってるんですか?」
「知ってるって言うか、他から聞いた事なんだけど・・・・・牧野、明後日時間作れるか?」
「は・はい。電話だと話し難いですか?」
「うん、多少。俺、長電話ってやつが性に合わないんだ。それに、類からたまには旨いもん食わしてやってくれって言われてるし、総二郎も牧野に会いたがってたから誘っておくよ!時間と場所はメールするから、しっかり見ろよ。じゃあな」
「はい」
あきらのペースに何も言えず、久し振りに二人に会う事になった。
「それにしても、花沢類・・・夏休み明けまで会えないんだね!」
ふと、寂しさが込み上げる。司がNYへ行った時も寂しさはあったけれど、またそれとは違う胸の締め付けを感じていた。きっと、一緒の時間が司より長いからだろうと思い込ませて!


その日、牧野つくしはアパートの前で息を飲んだ。黒のベンツが場違いに停まっている。
今日は団子屋の定休日。バイトを休む唯一の日。きっと調べてあるに違いない。でも、わざわざなんで?

「お帰りなさいませ!牧野様」
社長秘書の西田さんが、後部座席から降りて声を掛けて来た。
「な・なにかありましたか?」
「はい。社長が直々にお会いして、お話がしたいと申しております。」
「道明寺のお母さんが?今、日本にいらっしゃるんですか?」
「ご存じなかったんですか?確かテレビや新聞で・・・」
「アッ!事情があって、テレビありませんし、新聞とってませんから」

つくしは、明るく笑顔で応えられた。
しかし、その笑顔に西田は先日の男の訪問が頭を過り胸が詰まった。この少女は、どこまでかき乱される状況に置かれるのだろうかと。

「車にはお母さん乗っていませんよね!」
「良くおわかりで!」
「そりゃあ!SPさんもいませんし、西田さんも後部座席から降りて来ましたもん!」
「左様でしたか。では、これよりお連れ致しますので、ご準備をして来て下さい。お待ちしております。」
「はい」
アパートの部屋に入って行く後姿を見つめ、司との未来に赤信号が点滅している事実をにわかに感じ取っている西田は、複雑な思いが込み上げている。西田が思い巡らす暇もない程、僅か2~3分で戻って来た。
「あのぉ・・・牧野様お支度は?」
戻ってきたつくしは、ただカバンを私用のカバンに切り替えただけだった。
「すみません。これが、あたしの持っている服の中で一番のブランドで正装なんです。イケませんか?」
「いいえ。わかりました。では、参りましょう。どうぞ!」
「エッ・・・ありがとうございます。」
西田は、つくしを後部座席にドアを開けて招き入れた。しかも、身を屈ませ丁重に。道明寺司の将来を誓った女性として。



西田は、道明寺楓の指定した料亭につくしを案内した。
高級を絵に描く様な門構え、飛び石周囲には玉砂利を配し、玄関先に盛り塩・打ち水が置かれている。
つくしは、生まれて初めて見る光景に眼を見張る。
やがて女将が、丁度つくしと西田が敷居をまたぐ前に、その場で迎える準備を整えて待っていた。女将自身が美術品と思える様な容姿に着物姿。歳の頃は30歳前後のその女性。
女将を見て、セレブで男性なら・・・きっと好んで、また来たくなるのだろう!
何となくわかったような気がして、女将に見惚れた。

女将に案内され通されたのは、眼の前に小造りながら石庭が施された部屋。恐らくこの料亭一番の造りの部屋に違いない。

「社長、牧野様をお連れ致しました。」
「ありがとう。西田の分は悪いけど別の部屋に用意させてあるから、そこで・・・」
「はい。ありがとうございます。では、何かございましたら、お呼びください。」
部屋の前で居ずまいを正し報告する秘書の西田。
「西田さん、ありがとうございました。」
「はい。では!」

ゆっくり一礼し別室に退席した西田。それを見送り、改めて道明寺楓と二人になった事を実感した。

「お久し振りね。牧野さん。お元気そうね!」
「お久し振りです。今日はありがとうございます。」

「宜しいのよ。こちらが、あなたと・・・牧野つくしさんとお話しがしたくて、お呼びしだんですもの。」
つくしは、背筋に冷水を浴びていた。
〈絶対何かある!〉
しかも、爆弾級の・・・何かが。
覚悟を決め、料理をパクついた。どうせ、何かあるなら折角の御馳走。一生食べずにいるかも知れない程の高級品ばかり。

食べてる間中、無言でひたすら食べるのみ。
いつだったか、司が言っていたのを想い出した。食事中会話はせず、静かな中で食するのだと。
そんな食事は、美味しくも何ともないって気付かない可哀相な人だな!そんな事を想いながらご馳走を全て平らげた。座卓には今、黄桃と煎茶が用意されている。

「お食事が済んだ所で、本題に入らせて頂くわね。」
やっぱりだった。
「はい」
「これをご覧になっての牧野さんの感想を伺いたいと思って。」
眼の前に出された物を見て、呆然と凝視した。
「こ・これは・・・父・・です・・か?」

「その様ね。実は先日、フリーライターの小菅とか言う、ろくでもない写真をネタに生活する様な人間が、私が帰国した直後に、これを買えと言って来たの。」
「エッ?もしかしたら、それってユスリ・・ですか?」
「そうとも言うわね!」
「それで・・・どうされたんですか?」
「聞きたい?」
「は・はい。」
身を乗り出し、答えを待った。
「差し上げました。出ないと、よそに売ると言われれば買わない訳にはいかないでしょう!」
「失礼ですが…どれ位で・・ですか?」
「あら、それを聞いてどうなさるの?牧野さんが返してくださるのかしら。」
「いえ・・それは・・・」
道明寺楓の言葉は、それまでの静かなトーンは消えて、目に力を加えつつ強い口調になっていた。
「無理に決まってるでしょ!」
「じゃあ。あたしに、どうしろって言うんですか?道明寺と別れろとでも言うんですか?」
「アラッ!今回は、もの解りが早いのね。その通りよ。」
売り言葉に買い言葉だった。
「エッ!エエ?」
本気で云ったつもりじゃなかったつくし。
「何で・・何でですか?これを撮られたからって、どうして、あたしと道明寺が別れなきゃ行けないんでしょうか?」
「やはり、お解りにならないようね。なら言わせて頂くわ。
牧野晴男さんは、どなたのお父様?
そして、牧野つくしさんは、誰と将来を約束したのかしら?」
「そ・それは・・・」

「これが世間に出れば、道明寺はどうなるとお思いかしら?
あなたは・・・いいえ、あなたの家族は、既に私達と関わりを持っていると云う自覚がなさ過ぎます。
しかも、これが初めてではないでしょう。
しかし、あの時は何の関わりもありませんから問題も生じなかった。でも、今は事情が違います。
こんな見っともない写真の為に、会社に問題を起こさせる訳には行かないんです。
あなたの親御さんは、どこまでだらしないんでしょう。何度失敗しても懲りず、挙句の果てにスクープ写真まで撮られ、バカな顔で[うつつをぬかす。]って、この事を言う様だわ!」
「確かに・・確かに父は、大バカです。失敗しても失敗しても、同じ事を繰り返して、娘ながら呆れます。
でも、良い親なんです。良い父です。
世間にはパチンコ位する人は、大勢いると思います。
お金だって・・・ホントはホントは、こんなとこで借りてはいけないって言う事は有りますけど・・・でも、ちゃんと働いて返してれば、問題ないじゃないですか?」
「これを見て冷静に、今牧野さんが言った事を、読み手が解釈するかしら?」
「それは。」
「殆どの人が、悪い解釈で捉えても、良くは受け取らない筈。それが世間よ。
只の貧乏と云うだけなら眼を瞑ろうと今まで来ましたが、我慢の限界です。」
「道明寺は、なんて?」
「まだ知らせていません。しかしもう、そのレベルでは有りません。
17・8の若い者の気持ちで、会社を揺るがす訳にはいかないと言っているのが、まだ解りませんか?」
「あなたは、道明寺の母親だから我慢してましたが、幾らあなたでもあたしの父をバカにするのは、許せません。撤回してください。」
「私に意見をしたいなら、同じ土俵に立ってからにして欲しいわね。
でも、所詮無理な事。
だったら・・・せめて、今からでも医者か博士になって、先生と云われる様になってからにして欲しいわね。
まあそれも、あなた程度の学力では結局無理でしょうけど。」
「言いたいのは、それだけですか?」
「いいえ。司との事は、これを限りに認められなくなったと、付け加えるわ。」
「もし・・もし、あたしが、今から医者か博士になったら、誤ってくれるんですか?」
「良いわよ。
でも、無理。
それから、言わずにい様と思ってたけど、さっきの金額お教えするわ。
2千万!
それに、あなたのお父様が作った借金3百万!しめて、2300万。全て支払って有ります。
返せとは言いませんから安心して宜しくてよ。
でも、この事は、お母様にはお知らせしていませんから。
お父様には、西田からローン会社に支払いを済ませた事を伝えましたら、あなたとお母様に内密でと念を押されて来たそうですのよ。
ユスリをされない様、2度とギャンブルはしないと約束された様ですけど。きっと止められないと思いますよ。依存しやすい性格何だと思いますから。」

「解りました。でも、道明寺・・・いえ、司さんが何て言うか・・・知りたいです。」
「解りました。
司には、全て隠さず話させて貰います。司が、何と云うかもお教えししましょう。
最後のの晩餐は、お気に召したかしら。    
それでは、ごきげんよう」

食事前と同じ人とは思えない表情でつくしを見た。
「お先に失礼するわ。
2度とお目に掛かりたくは・・・ないわね!」
振り向き様にそう言い捨てる様に出て行った。


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