STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

Love 13 新人

【新人】

つくしは、今機上に居た。
あの後、その言葉通り仕事を休み行動を共にしてくれた先輩・花沢類。
一夜を共にした人。
ただ単に積もる話で過ごした訳ではない。心を繋いだ大切な時間を2人は共有した。


シドニーに発つ前に、アドレスを渡されたが、考え抜いた答え。

「教えてくれないの?」
類が、つくしに問う。答えにならない返事で返す。
「お元気で!さようなら。」
それだけ言ったつくし。
寂しそうな瞳の類。
別れ際、嬉しくもないのに、無理を繕う笑みを浮かべその場を駆け出していた。

つくし自身、2人の住む世界がどれ位違うかは百も承知している。
好きと言葉にするのは容易い。でも、そんな軽く言える言葉より深い思い。それが、今は胸の中に残る。
だから、教えない方が良い。教えたが最後、連絡を待ってしまう自分が存在する事は、直ぐに想像出来る。
「叶わない恋なら、初めから期待しない方が良い。」
自分に言い聞かせた。

沢山の想い出を胸に帰国の途に着く。


帰国後、その週末に親友の優紀の元に真っ先に向かった。
遠慮される程のお土産を持って!
優紀は具合がすっかり回復し、元気になっていた。それを心から喜んだつくし。
すると、今度はその親友が、少し感じが行く前とは違う事に気付き尋ねる。
「何かあった?」
初めは、はぐらかそうかと考えた。しかし、これまで、優紀にだけは何も隠し事無く来たつくし。
「花沢先輩と会った。」
つくしが、少なからず恋心を抱いていた事は聞いていた。だから、喜んだが、その複雑な出会いのせいで感じが違うのだと解釈したらしい。
優紀には、流石にベッドを共にした事までは言えなかった。
ツアーの人との経緯で再会し、買い物に連れて行って貰ってり食事をご馳走になったとだけ話した。
それは、あくまでも英徳の先輩後輩としての事だと。
「会えたのは嬉しいけど、忘れ様としていたのに酷だよね?」
最後はそれで、話しを締めくくった。

しかし、幸いな事もある。
新入社員は多忙を極める。研修にレポート。それが済めば、部署の数々の覚える内要に追われる。
歓迎会に先輩の夜の誘い。
ふと気が付けば、旅行から半年が過ぎていた。

つくしの就職した会社は、丸の内にある広告代理店コスモエージェンシー。業界でも、ここ数年実績を挙げ業績のある会社。
新人研修後、ジョブローテーションで各部署を経験させられて来たつくし。まだ、その途中の段階に居た。
今居るのは、総務課。
人事や経理。それに福利厚生の仕事。
全てを廻るとは言え、望みの営業や編集に持ち部署として携われない事に少し焦りは感じていた。
「みんな通る過程何だもの。仕方ない・・・よね。」
強いてその部署で助かるのは、比較的終業時間に退社出来る事位。

この日、珍しく最後の2人として退社する形になったつくし。
「お疲れ様でした。お先に済みません。」
電話中だが、挨拶しない訳には行かないと、1人だけまだ席で仕事中の先輩に声を掛けた。
「うん。
でも、ダメなものは・・・・・」
電話の相手に言った言葉が耳に入る。すると、次の瞬間。つくしに視線を向けて声を掛けて来た。
「待って牧野さん!!」
呼び止められて、足を止めた。
「ねえ、まだ1人残ってた。新人だけど良い?」
そう電話の相手に言っている。
「牧野さん!この後・・・暇?」
そう声を掛けて来たのは、5年先輩の山田詩織。
「は・い。何か?」
帰り掛けに何だろうと、恐る恐る聞き返す。しかも、相手に新人と言っていたのを聞いた事から、恐らくその電話の向こうとも絡みがあるに違いない。
「うん。
私の確認ミスで、この仕事を今夜中にする様になっちゃったから・・・ごめん!悪い!
代わりに出て欲しい所があるの。
後で、美味しい夕飯ご馳走するから、悪いけど行ってくれないかな?」
「良いですけど、何か書類でもお届けするんですか?」
「まあ・・・そんなとこ。じゃあ、受けても良いのね?」
「は・はい。」
先輩に頼まれ、断り難いのは当たり前。
今夜は、兼ねてから注文していた新刊書が発売の日。週末の今夜、ワインとチーズを頂きながら、秋の夜長を読書で過ごすつもりで居た。

山田が、電話を切るとつくしに向かい、上から下までを眺めてひと言言った。
「いつも思うけど、何でそう地味なの?
確かに会社だから、カラフルな服装や派手なのは無理でも、もう少し華やかな色にすれば、牧野さんはもっと可愛いのに。
それに、髪型も同じ一つに束ねるなら、位置を変えるだけで若々しくもなるものよ。」
「はい。ご意見参考にさせて頂きます。」
「クスッ。さすが新人の返事。」
「アッ!チョット来て来て!牧野さんなら着られるかも。」
そう言って、山田はつくしの手を引き部屋を出てた。
「何ですか?それに用はどうするんですか?」
行った先は、女子更衣室。山田のロッカーの前。
「これ、嫌じゃ無ければ着て欲しいんだけど。どうかな?」
ロッカーに入れていた紙袋を差し出し尋ねられた。
「エッ?」
受け取り中を見ると、新しい私服が数着。
「それ、ここの営業の友達がくれた服。でも、私には小さいのよ。私は9号。でもこれは、7号だから。
牧野さんの細さなら着られると思うんだけど。貰ってくれない?」
「良いんですか?」
「今日のお礼。勿論夕飯の方もご馳走するから。」
「はい。」
満面の笑みで受け取った。
「ところで、お届け物は?」
「クスッ。牧野さん、あなた。」
「あ・あたしですか?」
「実は、合コン。隅田さんの誘いなの。」
「隅田さんの・・・ですか?」

隅田は、同じ部署の3年上の先輩。山田とつくしの丁度、間の関係。仕事よりも未来の良きパートナー探しに夢中に想える先輩。
そのスタイルは、かなり自信あるらしい。出る所が出て脚も細い。顔は、美人は美人でも化粧を施しての美貌の様に想える。その実態は未知だが、化粧直しに余念がない。むしろ、目の前の山田の方がナチュラル系の美人と言える。
隅田の性格は、取り分け意地悪でもないし、荒い訳でもない。強いて言うなら、部類の男好き。腰をくねらせ香水を振りまくタイプ。ただし、先日課長から強過ぎると注意を受け、大分控え目になった。
考えように様によっては、可愛いのかも知れない。

こうして、つくしは山田の代わりに社会人になり、初めての合コンに出る事になった。
山田に貰った水色のワンピースに着替え、髪を下ろして山田に化粧を直して貰う。
学生の頃とは少し違い、薄化粧は身だしなみとしてし始めた。ただし、朝1度したらそのままで、直しはしないから、道具は持ち歩いてもいない。

集まる場所は銀座。
時間は8時。
男子の仕事に支障がない様な時間に合わせた。
後30分。
「余裕で間に合うわね。」
「はい。」
「じゃあ、お願いね。」
「行って来ます。」
「彼氏・・・見付けて来て良いのよ!」
「エッ?居ないって、何で知ってるんですか?」
「クスッ。牧野さんの行動を見て、解らない方が不思議よ。」
苦笑しつつ、退社した。


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