STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

ロード 1歩 スタートライン

【類つく   ロード】

バイバイ!!!
明るく手を振り、3年間過ごした校舎に別れを告げた。

そして

ここであった全てに、今日で・・・さよなら。

忘れないよ!
絶対・・・
ありがとう。

 
【1歩  スタートライン】

あたしの名前は牧野つくし。

春からめでたく大学生!
家族と住み慣れたアパートを引き払い、交通費が安く済むアパートに鞍替え!

バイト先の団子屋が都市計画の区画に入り、もうじき場所を撤退する。
実はその店の独身の女将さん、去年の暮れにお見合いをしていた。その結果、とんとん拍子に事が運び、見事に年明け早々に結婚式を済ませ晴れて念願の新妻になっていた。

景気の低迷で、ここ数年の売り上げが伸び悩みの状態のお店。店と自分の将来を色々考えていたところだったらしい。
これまでの土地を撤退し移動と云うことから、結婚相手と相談の上、お店を閉めて家庭に入ることにしたと告げられた。

立退き料が思っていたより得られたと言い、バイトでしかない、あたしと優紀に【退職金】を20万円も渡してくれた。
それで、優紀は、しばらくバイトはしないと言っていたが、あたしの場合そうもしていられない。
引越し先近くで、バイトは直ぐにでも探すつもり。

色んなことが重なった3月初旬。
引越し代の高さを考え、この際に古くて少しジャンクになりかけてる家財道具を全部処分して、新居で新に買うことに決めた。
そのジャンクと思う家財道具をダメを覚悟で、リサイクル業者に見積もりをして貰ったら予定の金額より高いうえ、年度末のお買い上げプレゼントとか言って宝くじが2枚も付いてきた。
これ以上はないだろ!
ラッキー過ぎる思いながら、2枚しかないくじで当たるわけないな!そう思いながらも3月末の宝くじ発表の日に店頭に見に行った。そこで、つくしは呆然と立ち尽くす。
今だかつて、くじで当たった事など一度もない。なのに今、眼の前に示された番号は紛れもなく【25578】
・・・・手にしているくじと同じ番号。

人間本当に驚く時には、声が出ないのかも知れない。
「・・・・・・」
しかし・・・小さな誤算。
お店独自の当たりでもある景品は10万だった。
最高に幸先の良い事ばかり!
これまで、これと言って自慢はないけれど、やる時はやる性格で奨学金も受けられた。そして、コツコツ貯めた貯金でどうにか新居にこれから移る。しかも、この所の有り難い蓄えも増えている。
「さあ・・・学生生活を大いにとはいかないだろうけど、あたしなりに楽しもう!」

これからの学び舎は、国立屈指の東郷大学。学部は理科Ⅱ類。
ただし、2年間は全ての学生が教育課程を学ぶ。2年後試験を受け、新たな学部の道も選択肢がある。理科Ⅱ類主=医学部。6年間の学生生活が待っている。
なぜ選んだか?
ズバリ、将来の為。
医者になる?
それは、これから見極める。ネームバリューが、今までの貧乏生活のせいで、とても高貴に聞こえる。とにかく今は心に決めて前に進んだ。

魔女に見返せる自分になるのだと・・・・

これからは、何もかも自分で切り抜けなきゃ!!!

バイバイ  道明寺 司。
バイバイ  花沢 類。
大好きだったよ!

しっかり自分に言い聞かせるように声に出し、大切な人とのケジメを口にした。

こうして始まった新たな生活。

「おはよう!!!」

新しいアパートに越して初めて迎えた朝。窓を全開に開け両手を大きく広げ深呼吸。

「サイコー!!ヨシャーッ! 今日も一日頑張るぞぉー!!」
朝日に向い笑顔一杯に気持ちを空へ放した。

昨日は、埼玉から両親も弟の進も手伝いに来てくれた上に、気を利かし父・晴男は軽トラを知り合いから借りて来てくれた。
手助けを事前に解っていたら・・・とも思うが、つくしは言わなかった。
「つくし、荷物は?」
「無いよ!しいて言えば、あたしかな・・・ハハハッ!」
「ハハハじゃないでしょ!折角借りてまで来たのに!!」
母・千恵子が呆れた声で言うと
「でもパパ、お姉ちゃんにその事話したの?」
「アッ!忘れてた!!」
「もう・・・パパったら!
まあね、あの机も、ビニールダンスも次に移動したら、壊れそうだったものね。まあ、良いか!」
「捨ててないよ!」
「「「エエエッ!!!」」」
3人がつくしを凝視して驚きの声を上げた。
「どう言う事よ?」
千恵子が聞くと平然と答えるつくし。
「売った。」
「売ったぁー?」
「誰に?」
3人が交互に問う。
「リサイクル屋さんに」
「「「うそぉー」」」
自慢そうにつくしが3人に首を傾げ、腕を腰に当てニヤリと笑顔を見せる。
「やるね!お姉ちゃん。」
「流石、我が娘。」
「つくしー・・パパは嬉しいっ!」
3人はつくしに抱きついた。
「やだっ!パパもママも進まで!」
つくしは、ヨシヨシと云う仕草で3人を抱えた。
〈誰が、親なんだかね?〉・・・・心で呟いて

それから、4人は住み慣れたアパートを掃除して、大家さんに全員で挨拶に行き部屋に一礼すると、その場を後にした。

新居に4人で入ると間もなく両親はつくしに向かい言った。
「何もしてやれないが」
父親がそう言いつつ小さな箱をつくしに手渡す。
「パパは、英徳から国立をわざわざ受験して、こうして自分でアパートも借りる娘を持つて誇りに想うよ!」
「ママもよ。」
「僕も。」
「みんな・・・」
円陣を組みながら、3人がつくしの手を握り締めた。
「これが、今の我が家でつくしに出来る精一杯の気持ちだよ!」
「ありがとう。パパ・ママ・進!」

この後、4人は近くのコンビニで蕎麦を買い引っ越したお祝いをした。
「無理しちゃだめだよ!」と、心配しつつしっかり者の娘を残し埼玉へ帰って行った。

引っ越し日に合わせて買い入れた家具が、次々運ばれ既に夕方までに部屋に揃えられた。使い慣れた机もタンスも今はない。しかも、今回は布団ではなく、生まれて初めてベッドにした。使っていた布団は、買い取りをさすがに断られお金を出して処分した。今夜から、安ものとは云え新品の羽毛布団で眠れる嬉しさでワクワクしていた。

3人が帰り、家具も揃い、つくしが落ちついた頃、父親から贈られた箱を開けて見た。すると、その中には【1000円札が300枚】10枚づつの束がつくしの瞳を見開かせた。
そして、手紙が添えられてある。


つくしへ
入学おめでとう。心から喜んでいます。
パパとママは心配していました。大学は諦めるんじゃないかと。エスカレーター式とは云っても多額の入学金を払える余裕がない私たち両親を想い、きっとつくしは断念するんじゃないかとパパと話していました。
今は、どうにか3人で埼玉で仕事を得て、進も無事に公立高へ進学し、今ではバイトで得た収入の一部を家に入れてもくれています。
これは、3人がそれぞれ得た収入の一部をつくしの為に箱に入れていたお金です。
両替をようかと考えましたが、進がこのまま渡して欲しいと望み、1000円札で箱のまま贈ります。
どれ程、家族が進学を願っているかを知って欲しいからだと進が言ってますよ。
ただ、この金額を贈っても一部にもならないのは承知しています。

つくしが、学費の安い学校を受験すると言ったあの日。つくしが帰った後で、3人が箱を前にどんなに嬉しかったか!
このお金が少しは役に立つと思ったからです。
道明寺さんとの事は良いんですか?
後悔しないでね。
体に気をつけて。たまには顔を見せてください。
                       ママより      



「もう・・・こんなの知ったら、使えないじゃない!
それと、道明寺との事は、ママ・・・これで良いんだよ。
あいつとあたしは、やっぱり住む世界が違うんだ。それが解った。
ううん。知ってはいたけど、認めないままあいつの気持ちに押されてた。ただ嬉しかった。
でも、あたしは・・・あたし。・・・牧野つくし。
ママの娘だったんだよ!
そして、あいつは道明寺。その母親の子供だった!
それだけ・・・・・」

「いつか話すね!
でも、もう少し待ってて・・・ねっ・・・」
箱と手紙に向い気持ちを言った。例え聞こえなくても。


その日の夜
眠る前べッドに腰掛け、携帯のアドレスを開き削除を選んだ・・・
「美作さん
西門さん
滋さん
桜子・・・

道明寺

花沢類

元気でね!
あたし・・・頑張るから・・・」

ポトリ「涙の粒」が携帯に幾つも幾つも落ちて行った。



桜から桃の花の咲く頃。

「約束は破る為にある。」
誰が言った言葉かなんて、あたしは知らない。
そして、そんな言葉にも惑わされない約束は沢山ある。他人事のように思えた文章。

今は、自分の信じる道をただひたすらに真っ直ぐに進むだけ!



《回想・1年前》

道明寺がNYに旅立つ前に、公表したつくしとの将来の約束。

想えば、この時から黒い影が近づいていた。
道明寺は勿論。美作あきらも西門総二朗も・・花沢類も気づいてはいなかっただけ。

テレビに、インタビューを受ける道明寺司の姿が映し出された。
その画面に映る見覚えある青年を食い入る様に見た。
『確か、このお坊ちゃんの相手は民間人。しかも、かなり生活に困ってたんじゃなかったか?
チョット面白いかも知れませよ!・・・』
薄笑いを浮かべ独り言を言う男。点けたばかりのタバコの火を消し手帳を開いた。

『これだ!・・・金になるかもな。』

道明寺がNYに行き1ヶ月が過ぎた。つくしの生活は、相変わらずバイト三昧。
その中で、ひとつ変わった事。
それは両親の生活。つくしの父・晴男が、高校時代の友人の元で働く事が出来た事だ。
その仕事は、新聞販売員。
晴男は勿論、母・千恵子も早朝の広告を入れる作業に加わり働いている。進も配達に回り親子3人雇って貰えた。しかも住まいは、住み込み従業員の為のアパートが老朽化しているものの用意されていた。
6畳2間と台所があるだけの住まい。しかも、賃貸料を払う代わりに周囲の掃除やゴミの管理をすればお金は要らないと言われ快く引き受けた。

こうして、つくしは1人東京に残り英徳3年の春を迎える。

一方、テレビを見ていたフリーライターの小菅徹には悪い噂があった。
外国には、パパラッチと悪名高いどこまでも記事の為に付きまとう記者がいるが、この小菅は、その同類。狙った獲物は収穫があるまで付きまとう。
さながらそれは、ハイエナの様だと仲間内でささやかれていた。

ターゲットは、小者は狙わない。あくまでも世間に知られては支障が出るような大物を狙って、これまで報酬を得て来た。
この所、良いネタがなくて懐も底を突きかけ、鵜の目鷹の目でネタを探していた所だった。

『手始めに、牧野つくしの身辺を調べるか。』
直ぐにハイエナは獲物の所在を嗅ぎつけると、その直後からつくしの身辺を探った。バイトや足取りまでも。
その日、都心と埼玉を結ぶ路線につくしは乗り込んだ。小菅も電車に乗り込む。そして着いた先は、田園風景が視界に入る街。駅から歩き、やがて2階屋の建物の前に着いた。入り口には、小池新聞店宿舎とあった。
つくしは、建物を前に立ち止まり、全様を見渡して小さく頷く仕草をし終えてから錆びの付いた手摺りに触れながら外階段を跳ねる様に駆け上がって行った。

『誰がいるんだ?』
小菅は眉間にシワを寄せながら、カメラを使える準備を整えた。
2時間はとうに過ぎた気がする。その足元には吸殻が数を増やし、苛付き始めた頃。部屋からつくしを先頭に3人が後から出て来た。
「じやあね!」
「お姉ちゃん。気を付けてね!」
「無理するなよ!」
「道明寺さんに連絡するのよ!」
「やだ!!ママこんなとこで大きな声で言わないで!
じゃあね。ここで良いから。進、パパをちゃんと監視してよね!ギャンブルしない様に」
「うん!任せて。」
「イヤだなぁ・・・・・もう、シナイよ。ねえ、ママ!・・・」
「つくしの言う通りよ。
パパ今度借金でも作ったら、つくしと道明寺さんが一緒になれないかも知れませんからね!
進とママでしっかり見張ってるから・・・」
「うん。じゃあホントに行くね!」
階段の下と上での家族の会話。単なる通行人なら、その会話は明るい家族の話でしかない・・・ハズだった。

「来た甲斐も待った甲斐もあったよ!!お嬢ちゃん!」
ハイエナはニヤリ笑うと、つくしの後を追うのではなく、3人が消えた扉をジッと見つめた。



ロード 2

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