STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

Love 12 涙

類&つくし
【涙】

ひとつのベッドに素肌を寄せて、包む相手がこれ程愛しいと思った事はない。

今迄は、自己満足で相手の想いを気遣う事無く「済ませる」と言う言い方が合う行為で過ぎて来た。
恋愛の過程としての行為と思い込み、好きだと想うより多分好きだと想う。そう言い聞かせて付き合った。相手にしたら、これ程の侮辱は無いのかも知れない。
だったら何故付き合うのか?
きっと、求めてた。石鹸に匂い。
付き合う相手は、不思議にナチュラルな相手が多かった。着飾りピンヒールで腰をくねらせる相手は選ばない。
メイクもスタイルにそれが言えた。

何を恋しがっていたか・・・牧野つくしと会社で会ったその時に懐かしさに包まれた。

今その想いが叶い、身体全部で受け入れたいと急ぐ気にはなれずに確かめる様に愛している。
「そう!好きよりもっと深かった。それに気付いた。」
「・・・・・」
何も答えずに居るけれど、胸元に微かな吐息が吹きかかる。
「可愛い。」
小さく被りを振る。
「ううん。心からそう想う。」
幼い子供の様に小さく思える掌が、吐息と一緒に胸元にある。類は思わず、その手を握り細い指にキスを落とす。
「後悔してない?」
「うん。」
元気一杯だったそれまでとは打って変わって、静かにそこに納まり小さく頷いた。
「初めてだったんだね。」
も一度頷いた。それきり顔を下にしたままが気になり、つくしの手を離し顎を優しく上に挙げて見た。
「泣いてるの?嫌だった?」
そうじゃないと首を横に振る。
「痛いから?
俺は男だから解らないけど、確かさっきも泣いてたね!」

類は、無理はすまいと強引な行為はしなかったつもりでいた。
でも、幾らそうでも初めてなら身体よりも心が涙を流させるのだと思い、心を贈る様にそっと指で涙を拭い、抱き締める事で自分の気持ちを伝えた気でいた。

「そうじゃ・・・ないんです。」
やっと聞く事が出来たつくしの言葉。

「幸せ過ぎて、夢が叶って、これで良いのかなって思ったら・・・涙が急に!

ここに来る前に、友達の事があったのに、申し訳無い気持ちより幸せイッパイの自分がいて・・・
1人で良かったって、想う自分がイヤで・・・・・」
言いながら、感情が膨れ出して涙が止まらない。
震えて泣くつくしを類は両手で抱え込んだ。
「そうだったね。親友を気にしてたんだったね。
ごめん。
俺も焦り過ぎた。牧野のせいだけじゃない。俺も悪い。
でもね。
全ては、生まれた時に神様が与えてくれているのかも知れない。
友達が来なかったのには、来てはいけない信号が点滅していたんだよ。旅先で、倒れでもしたら大変だって言う!
君が1人で来たのにも理由がある、
きっとそれは、俺と巡り会いこうする時間を持たせてくれる為。
だから、責めないで!」
言葉は無いけれど、何度も何度も頷いていた。

勝手な言い分。人に選ればそう答える人もいるだろう。
でも、本気でそう想う。
日本ではない地で、つくしが足を運ばなければ会う事はなかった2人。
そのチャンスを握ったのも2人。

ただ・・・頭を掠める「帰国」の2文字。
旅人は、家に帰らなければならない。住人は、踏み止まり暮らさなければならない。

つくしは、覚悟していた事。
家の違い、進むレール、未来の設計。しかも、息する場が違い過ぎる。
でも言わないで堪えた。
夢でも良い。描いていた時間が手に入れられただけで、心が満たされる。親友への想いも、今の言葉で僅かだけれど慰められた。
今はまだ、2人でいる事を大切にしなければと、必死で泣くのを堪える。

身体に残る類の余韻。
類でよかったと、顔を胸に埋めた。


11 Love 13 
Love 
12345678910111213

http://ping.blogmura.com/xmlrpc/bjk6h84usq7p
ブログランキング ブログ村 
関連記事

別窓 | 【完】 Love  | コメント:0 | トラックバック:0
∧top | under∨
<<ロード 1歩 スタートライン | STARLIGHT | Love 11 好き>>

この記事のコメント

∧top | under∨
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| STARLIGHT |