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Love 11 好き

2010-09-12 Sun 17:01

類&つくし

【好き】

ディナークルーズを終えてそぞろ歩く2人。宵の風につくしは、瞼を閉じて身を任せる様に大きく両手を広げて見せた。
どう見ても無防備なその仕草。

〈どうして、もっとずっと前に気付かなかったんだろう?〉
類は想う。

高校の頃の類は、ささくれたっていた。
見掛けや家で自分を見られている様に想えて仕方ない。
「中身の俺を見ようともしない癖に!」
そんな想いが露骨に表れ、周囲にウンザリする心が態度に出てしまう。しかも、リーダー的存在の親友が荒れる姿を間近にして、以心伝心がなかったとは言い切れえない。

だからだろうか?
仲間と離れた非常階段に行くと気持ちが一掃された。好きな空間で息をする心地良さ。
共有する存在にも違和感はなく。むしろ興味が湧き、擦れ違うその時々に声を掛けたい想いに駆られる。なのに、その学生は自分を気にも止めては居ない素振りで駆け抜けて行く。
しかし、それが新鮮で心惹かれた。
何しろ、そこ以外は猫なで声で近付く、眼先に囚われ打算を持った女子ばかり。その匂いにも気分が悪くなる。香りだと想うのは自己満足に過ぎない本人の考え。
でも、階段で擦れ違い様に鼻をくすぐる石鹸の様な落ち付く香り。いつまでも嗅いでいたいとさえ想う。
落し物を拾い拾われ、その時に「どうぞ!」「ありがとう。」それしか交わさないままに会えなくなった後輩。
その時に、拾ったノートやネームプレートで知った牧野つくしと言う名前。
大学で出会ったら、その時は声を掛け様と決めていた。
でも・・・・・

その女子が、今自分の目の前に居る。しかも、2人の時間を持つ相手として。
会ったばかり。
初対面。その枠を越えている。嘘の様に飛び交う言葉。旅は心を広くする。だから親しくなれたのだろうか?

旅び途中で親しくなった相手が自分で良かった。でなければ、危険もあるかも知れない。類は、そう想う意味に問い掛ける。何で良かったのか?・・・それはもう気が付いてる。
惹かれてる。イヤ・・・忘れられずにいた。

今夜の様な姿をこれから社会に出れば、数多く人に見せるのか?不意に切ない思いが心にドキンと音をたてた。

「先輩!先輩の服・・・ホテルでしょ?さあ・・・帰りましょ!」
「ああ。それより、大丈夫?」
「勿論。まだまだ飲めます。」
「明日は?ツアーはどう言う予定?」
「ん?どうだったろう?」
類は少しばかり、ほっておき過ぎた事を後悔した。つくしは旅行者。予定を踏まえて行動している。
「ごめん。そんなに飲ませるんじゃ無かった。」
「何で謝るんですか?先輩は、悪くないのに。」
「さあ!帰ろうな。」
類は、つくしの手を握り歩き出す。幼い子の様にその手をギュッと握り返し笑顔を返すつくし。
「ダメだよ!押さえてるのに。そんな顔見せないで。」
小声で言ったが、聞こえたのか?
「ん?すみません。」ちょこんと頭を下げるつくし。その肩を抱き、頭を肩に凭れさせて歩く類。
〈平常心!平常心!〉

ホテルに着き、これ以上一緒はイケないと言い聞かせ、左右に別れた2人。
「おやすみなさい。」
お辞儀をして踵を返したつくしを類は少しの間見送った。それから、クロークに行き服を受け取る。
「大丈夫かな?明日の事は確認したかな?」
心配は尽きない。迷いに迷った挙句。深呼吸をして意を決した。
「平常心で!」
客室のエレベーター近く、左右に揺れながら椅子に座るつくしが居た。
「牧野さん!」
駆け寄り声を掛けた。
「アッ!先輩。フゥ~何でもありません。ではこれで!」
立ち上がったが、そのままにしてはおけない。類は、身体を支えエレベーターのボタンを押した。

「ルームカードは?」
「はい。」
バッグから差し出すつくし。類は、受け取り部屋に入る。ホテルのコンセプトで部屋の造りが幾分広めに設定されているツインルーム。確か親友と来る筈だったと言っていた。
ベッドに座らせ、予定表がどこか尋ねる類。デスクにあると指を指した方を見ると、その言葉通り予定表がそこにあった。
ウトウトするつくしが聞いているかいないのか?それでも類は、気を紛らす様に話し掛けた。
ベッドの上なら心配はないが、身動きしないまま座って寝ている様に見える姿。
「これじゃあ、明日はやっぱり無理そうだね。」
添乗員同行のツアーと聞いていた。
自分が電話を掛ければ、変に誤解されたら可哀そうだと閃き、知り合いの日本女性に類の代わりに外部からガイドに電話を賭けて貰った。

つくしが、酔ってもう寝てしまった事。明日は、現地に住む友人の自分と行動するから参加は出来ないと。

疑われる事無く上手く行ったと連絡が入る。ただし『どう言う相手か、後で聞かせて!』と、ひと言言われた類。
「明日は、ここでショッピングか!なら問題ないだろう。」
「さあ、もう寝ると良いよ。明日はゆっくり起きられるよ。俺も責任とって、仕事休んで側に居るから。
良かったよ。忙しい仕事が済んだ後で。」

一方のベッドの布団を開けて、そこに寝かせる事にした。
抱き抱えて降ろした。
降ろしながら、甘い吐息が顔に掛かり揺れる心。

ほんの少しだけ!

そう言い聞かせ、唇に触れてみた。すると、想った以上に柔らかい。昂る想いは次を求めてしまう。

「ごめん。一度だけ!」

そっと唇を重ねる類。触れるか触れないかの切ないキス。
動機を鎮めようと類はもうひとつのベッドに腰掛けた。
瞼を閉じて深呼吸。
落ち着かせる為に、予定表を手にして確認する。
「明日までここに居たら、その後は・・・アッ!シドニーを観光して帰国なんだね。」
そうしながらも、時折つくしの寝顔を見つめてしまう。近くに居るのに遠いその関係。

すると、その時だった。
「・・ぱい・すき・・」
「エッ?俺の・・事?」
寝言で言った言葉。「せんぱいすきです。」そう言った様に解釈してしまう。
もう会えないかも知れないと想う気持ちが、その場を去りがたくしていた。
思わず抱きしめたつくしの身体。頭を支え口付けをしていた類。

「起きて!」
つくしの瞼がゆっくり開いて行く。初めは「ハッ!」と大きく瞳を見開いた。
「ごめん。寝ている君にキスをして。」
「う・・ううん。」
つくしは、首を振る。まだ何処か半分夢の中なのかと思わないでは無い表情。
「抱きたいと言ったら、どうする?」
じっと虚ろな瞳に問い掛ける。
「嫌なら無理には、したりしない。このまま帰るよ。」
ただ、黙ったまま視線を落とした。
「そうだよね。無理を言ってごめん。でも、誰にでも言ったりしたりする事じゃない。
好きな君だから、抱きたいと思ったんだ。」
額にキスを落とし、立ち上がろうとした。
すると・・・
「誰にでも言う事じゃないんですね?」
手首を掴まれて、言葉を返して来た。
きっとボンヤリしてた気持ちを類の言葉が目覚めさせたに違いない。
「牧野さん?」
「好きでした。
ううん。
一度は諦めて・・・想い出にしてました。でも、再会して、前より「好き」が大きくなって。」
「俺も。信じないかも知れないけど、高校の頃から君を見ていた。
偶然は必然。
今もそう信じてる。再会は本当に嬉しかった。」

「花沢さん。」
「牧野。本気にするよ・・・その言葉。」
「はい。」
帰り掛けたのを再びその人の元に行き、思い切り抱きしめた。そしてキスをする。
想いを込めて。一度きりのアバンチュールなどでは無いと言う様に!


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コメント

★ Re: 可愛すぎです

h*n*m*m*様
気に入って頂けて嬉しいです。これからも宜しくお願いします。
ピュアさをキープできるかな?

2010-10-12 Tue 10:07 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]

★ Re: タイトルなし

2*い*こ様
ご覧頂ける様になったとの事。良かったです。末長いお付き合いをお願いします。

2010-10-12 Tue 10:17 URL | ルナミミ #-[ 内容変更]
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