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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

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流星 前編 夏祭り

2010-11-01 Mon 00:00

1【夏祭り】前篇

司がNYに行き初めての夏休み。

そして、夏祭り。

ボーイフレンドが出来た優紀はすまなそうに

「あれがなければね!」

そう言った。
今年は団子屋のバイトが入っていた。
しかも、夜の9時まで!
夏祭りは稼ぎ時とばかりに、女将さんから優紀と交代で店番を頼まれている。それが有るから、今年のお祭りは行けないと諦めていた。

つくしのバイトは初日の1日目。

浴衣に結い上げた髪にかんざし姿の通行人。

手を繋ぎ満面の笑みで前を通る同年代のカップル。ショーケースに頬杖を付き眺めるつくし。

これが遠距離恋愛の辛いところ。
まさか、こんな時ばかり当てにするのは気が引ける。
それに、きっともう誘う相手は出来ただろう?
だってあれ程の人だもの!
美作さんも西門さんも、この日の為に最近の中で一番の美人をキープしたとつい3日前に店に冷やかしに寄って言っていた。
優紀に彼氏が出来たのを知り気が落ち着いたのか西門さんは良く店に和菓子を買いに寄る様になった。

優紀が親友2人に聞いてくれた。
「花沢さんは?」
夏休みに入り会っていないとも言っていた。

そう言えば、つくしも夏休みになってから一度も会っていない。
やっぱり彼女出来たんだろう!
それで忙しいのかも?
でも、つくしは気にする立場にはないと言い聞かせた。

今日は夏祭り。
夜までのバイトの日。一応おいしいバイトでも有る。
本来時給900円が、この日は時給1500円に上げてくれた。しかも、お弁当付き。

午後の1時にバイトに入り、入れ換わる様に優紀は1時に帰って行った。

少し羨ましい想いで、綺麗に成った親友を見送る。

「今夜は綺麗に星が見える!雨は降らなそうだ!」

去年、優紀と団子屋のバイト帰りに露天でたこ焼きを買って行こうと遠回りして買った直後に夕立に遭い、濡れながら走った事を想い出す。

そう言えばあの日、途中で花沢類が声を掛けてくれて、つくしはずぶ濡れに成らずにすんだ。
「あっ!
あの日何であそこに居たんだろう?花沢類」
ラッキーとだけ想い気に成らなかった。

あの頃、道明寺に振り回される毎日のせいも有り深く気にした事が無かった。

気が付くと何時も、どうしようかと想う時に隣に居たのは『花沢類』だと云う事に・・・今頃気が付いた。
「フフッ!
何だかスーパーマンみたい!」

店番をしながら、色んな事を想い出せた今夜のバイト。それが嬉しくも有った。

客足も女将さんの狙い通り、思っていた以上に好評だった。

「この分だと、来年もって言われるネ!」

独り言を言いながら、気が付けばもうじき店仕舞い。
それではと集計を始めたその時。

「それなら、来年は初日を休んでくれる?」
「そんなの分かんないよ!
・・・・・エッ?」
独り言を言ってた筈が、返事を返され答えたモノのその相手を見て驚いた。

「花沢類?」
「こんなに遅くまでバイト?
もう終わるみたいだね。
帰ろう!」

「う・うん。
でも、どうしてここだって解ったの?」
「何となく。」

「何となく?
変なの!」
つくしは店仕舞いをして、類と共に外に出た。

「牧野。明日行こうか?
お祭り」
「エッ?
あっ・う・うん。そうだね。行こうか!」

何処に行っていたのかも
何で急に現れたのかも、2人には必要無い気がした。そんな自然な空気がそこにはあった。

「花沢類、どこに行くの?」
「送って行くよ。牧野を!」

「あ・ありがとう。」

そのまま2人は、特にあれこれ語る訳でもなく歩いた。なのに、楽しく嬉しい!

「アッ!流れ星だ。」
「エッ?花沢類お祈りした?」

「ううん。」
「勿体無いな!見たら願い事言わなくちゃ!」

「祈らなくても、取り合えず1つ叶ったから良いかも・・・」
「何?どんな事?」

「聞きたい?」
「あっ・・・い・いいよ!取り敢えずなら、途中で願いが途切れちゃうから?」

「そう?なら、言わないでおく。」
「うん。それが良いよ。」

「ありがとう。ここで良いよ。あの角を曲がれば直ぐだから。」
「うん。解った。それじゃあ明日。」

「どこで待ち合わせする?」
「ここに来るよ。」

「そうだ!
お店の先に時計塔が有るの知ってた?」
「そう言えば、今日初めて気が付いたよ。その時計塔。」

「あそこにしない?
そんな待ち合わせした事無いからしてみたい!」
「牧野がそうしたいって言うなら、明日そこにしよう。」

「あいがとう!花沢類」
「うん。じゃあ、5時で良い?」

「良いよ。お休み。花沢類」
「お休み。牧野。見てるから行きな!」

「うん。」
つくしは角まで手を振った。振りかえりもう一度手を振って消えて行った。

目覚めて、今日の祭りの支度を、つくしは迷いに迷っていた。
去年の夏の終わりに、処分品で見つけた「浴衣セット」白地に桜の柄の浴衣。残っているのが不思議な位綺麗な柄だった。付いている帯は、形が作られていて、直ぐに着られる様に出来ていた。
「着て行こうかな?」
今日もバイトは1時まである。昨日の優紀と同じだ。団子屋に行きその話をしていたら、女将さんが昨夜の客の具合を聞きに店に顔を見せた。
昨夜の客の入りが良かった事を話し、ついでに浴衣の着方を教えて貰おうと聞いたら、バイトのご褒美と言って着つけてくれる事に成った。待ち合わせ場所を聞かれ、直ぐ裏に5時だと云うと4時に来る様に女将さんはつくしに言ってくれた。
「良かったね、つくし!」
優紀も昨日お母さんに着付けて貰い、浴衣デートをしたと言っていた。
「あたしの場合、彼氏じゃ無いんだけど?」
「良いなつくし。彼氏じゃない人が、あんなに綺麗な人で。」
「う・うん。その分、あたしと比べられちゃうんだけどね!」
「つくし、綺麗に成ったよ!お世辞じゃ無く。」
「ありがと、優紀!お世辞でも嬉しいよ。」
「つくしったら、ホントだよ!」

そんな会話の中、2時近くにまでなり慌てて帰って行った。
アパートに着くと、開店時間の3時に銭湯へ掛け込んだ。それから、部屋に戻り髪をポニーテールにまとめ、浴衣を持ち団子屋に向かう。慌ただしい時間を過ごし、ふと思った。
「ホントにデートみたい!」
女将さんに着付けて貰い、時間を見ると4時半。早めに用意が出来た事に胸を撫で下ろす。
「髪をまとめてあげるね!」浴衣に合う様にポニーテールを団子にし、店でディスプレイで使用していた飾りを髪に着けてくれた。
「かわいい。」
優紀がつくし以上に喜んでいる。口紅をさされ、見違えるほど綺麗に成った。
「時間に成るよ!」
「あっ!ホントだ・・・・・女将さん、ありがとうございました。」
「楽しんでね!」

飛ぶ様に出て行ったつくしを2人は、複雑な気持ちで見送った。
「花沢さんと付き合えばいいのにね!」

時計塔めがけて浴衣にも拘らず駆け寄るつくし。
「まだ来て無いね!」
時計塔の時刻は4時50分
きんちゃく袋一つ手に持って、チョコンとその場に立って類を待つ。
不意に後ろから眼隠しをされた。
「エッ・・な何?」
「折角の浴衣なのに駆けたら駄目だよ!」
落ち着いて確かめれば直ぐに解るのに、眼隠しをされて気が動転し慌てたつくしは
「この香り、花沢類!」
「あたり。」
「何だ人が悪い!居たんだね?」
「うん。牧野がどんな風に来るか知りたくて、あそこで見てた。」
「やだなぁ!そう言うの趣味が悪いって言うんだよ。」
「でも、そうして良かった。あんなに必死になって来てくれる牧野を見られたもの。」
「花沢類!」
「それにしても、可愛いね。約束してホント良かった。」
つくしは、じっと見つめる類の方を向けずにいる。何でなのか?今までに無い、類の行動と、言動。
『何か有ったんだね?』
直感でそう想った。そんなつくしにお構いなしに類はつくしの手を握り、歩き出す。
「何したい?金魚を取るやつ?小さな輪を投げるやつが良い?」
「ん?あっ、何にしよう?」
初めて見るはしゃぎ回る類の姿に、楽しいと云うより不安が過った。
この日2人は遊びまくった。金魚すくい・輪投げ・くじ引き・ヨーヨー釣り。かき氷を1つを2人で食べ、綿菓子を買い、りんご飴も買った。
「牧野、アパート寄っても良い?」
唐突に真顔で言われ、つい頷いた。
「ありがとう。だったら、もう帰ろう!」
「うん。」
類の歩るくスピードは速く、手を繋いだままグイグイ先を急いだ。
「ま・待って・・・もう少しゆっくり歩いてくれない?」
「どうかした?」
つくしはずっと鼻緒の痛みに耐えていた。足に視線を落としたつくしを見て、そこを見ると
「赤いじゃない?言えば良いのに。」
「うん。履きなれないから毎年なるんだ!何時もは絆創膏持って来るのに、今日は忘れて来ちゃってさ!ごめんね、花沢類。」
「バカ!こんな時に謝らない!」
目と鼻の先に近付いたつくしのアパート。類がつくしの前に背中を見せて、ちいさく屈んだ。
「ほら、乗って!」
「嫌だよ。重いし、はずかしい。」
「ここからなら、人通りが少ないもの大丈夫だよ。早く!」
「う・うん。」
仕方なくその背中に背負われた。何故か切なくて仕方無い。
「ねえ・・・あのさ?」
「なに?」
「ううん。やっぱり何でも無い」
「ほら着いたよ!」
「アッ!階段は自分で行くよ!」
「良いよ。」
そんなやり取りの中、部屋に付いていた。
漸く降りると、鍵を開け中には入った。
「どうぞ!」
類を中に入れ、自分はタオルを濡らし足を拭いた。手を洗いやかんを掛ける。
「お茶は要らないから、此処に来て。」
「う・うん。」
類の前に座ったつくしを、凝視する類
「留学する事になった。」
いきなりだった。余りに唐突で、返事が出来ない。
「司の4年より長くなるかも知れない。MBAも取る様に言われてるから。聞いてる?」
「・・・・あ・・あう・うん・・・きいて・・るよ」
「一緒に来てくれない?」
「ど・・・何処へ?」
「俺と留学先に」
「なな・・なんで・・?」
「ほって行けないから。」
「だ・だって・・あたしは・・」
「解ってる。司の事でしょ?でも、聞きたい。牧野の今の気持ち。」
「ずるいよ・・・」
「ずるい?」
「自分は言いたい事言って。やりたい事やって。結論は出せって、決めさせる。」
「牧野?」
「知ってるくせに。あたしが、悩んでる事。花沢類を好きだって・・・知ってるくせに!」
「牧野・・・俺・・」
「でも、どうにも成らないじゃ無い。2人は親友なんだもの。あたしなんかの為に、壊せる訳ないじゃ無い!」
泣いた、どうしようもなく泣けて、不安は的中し内容は計り知れない事だった。
「花沢類」
「ん?」
「元気でね!」
「牧野?」
「今のあたしには、これしか言えない。お祭り誘ってくれて嬉しかった。2人で居られて楽しかったよ!・・・ウゥ・・」
類が近づき、つくしを抱き締めた。
「司が言う前に、俺が言えば良かったのかな?」
「・・・・・」
「待っててとは言えないのかな?」
「・・・・・」
「でも、離したく無い。」
「来年のバイト初日はしないで何て、嘘つきだね!」
抱かれた腕の中で、泣きながら呟いた。
「牧野も嘘つきだ。」
「なんで?流れ星に祈れば、叶うって言ったじゃない。昨日あれから願ったのに!」
「じぁあ・・・おあいこだね!」
「お仕置きして良い?」
「良いよ。それで気が済むなら」
「済む訳ないじゃない!でも・・・・・」
類はつくしの唇を塞いだ。NYの時の様なフレンチキスでは無く。想いの全てを伝える様なキス。
身を離し
「さよならは言わないで行くね!きっと、これで暫く会えないと想うけど。
牧野、愛してる。ずっとこれからも。体、大切にして!」
そう言って、出て行った。

「ずるいよ・・・花沢類・・・・・」

翌日人前に出られない程、瞼を腫らしたつくし。道明寺との別れでも、これ程には成らなかった。
昨夜のヨーヨーがテーブルに転がり、洗面器には金魚が泳いでいる。明らかに夢ではない現実。
受け止めるしかない着き付けられたセレブと庶民の生活レベルの隔たり。
道明寺司との恋愛も、もう一度見直してみよう。お互いの為に。
つくしは、心に問いかけていた。


流星
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