STARLIGHT

好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

Love 5 再び

5【再び】

花沢類は、牧野と言う名を覚えていた。
いや、覚えていたのではなく・・・忘れられずにいた名前。



4年前に自分から声もかけられないまま終わった学生時代の想い出。その中の1学年下の女子学生。
同じ大切な空間を共有していた。

すれ違いざまに見る弾ける笑顔と動き。鼻をくすぐる石鹸の匂い。廻りには到底存在しないその子が、類には新鮮で気になる存在だった。

キッカケがないまま話しも出来ず、大学と高校に居場所が別れ、いずれ大学で出会えると信じていたその子。
しかし、予想を反して、それ以降会えなかった。

もう会えないと諦めていた人。

それが今日
日本から遠い島国で、その女子学生に出会えた。
気が付くとその名を口にし、知り合いのように振る舞っている。


「嘘みたいだ!」
歩きながら類が切り出す。
「はい?」
ここがオーストラリアなのに隣りに君が居るってことが、あまりに不思議で!」
日本でロクに言葉も交わせなかった相手が、異国の場で2人キリで会話をしている。それが信じられない。

「はい。あたしもそう思います。
絶大な人気がある花沢類さんが、隣に居て・・・しかも話してるのが夢みたいです。」

「今日で仕事が終わったから、明日は時間が作れると思う。
朝から会って、ビーチか動物園・・・行かない?」
「エッ?あたし・・・と行ってくれるんですか?」
「嫌?」
「と・とんでもないです。嬉し過ぎて・・・驚いてます。」
「俺もだよ!」
「や・やだ・・・そんなこと言わないでください。」
「なぜ?」
「そんな綺麗な顔で見られた上に、甘い声で言われたら、あたしみたいな女子でもバカなこと考えてしまいます。」
「それは・・・   」
「アッ!い・いいです。その先は言わないでください。明日も会えるだけで幸せですから。」
類がその先を言おうとしたが、制止されて言えず仕舞い。
まさか、花沢類は学生時代に牧野つくしに淡い恋心を抱いていたとは、その当の本人は夢にも思っていない。告白のチャンスをまたしても逃した。
まだ明日があるさ!類はそう言いきかす。

「お腹空かない?」
「はい。空きました。ペコペコです。」
「クスッ。」
「アッ!こんなにハッキリ言う女子も初めてなんですね?」
「うん。」
「やだ!恥ずかしい。言わなきゃ良かった。」
「ううん。その逆。だから嬉しい。気取った事を答える相手なら、やっぱり都合があったとか言って行かない気がする。
でも、君は違う。素直に表現してくれる。すごくいい。」
キラキラした笑顔をつくしに向けて言う。つくしは、その視線に目が逸らせない。

「じゃあ行こう!旨いロブスターを食べさせてくれる店があるんだ!」
「はい。」
自然な振る舞いで手を握られ、軽やかに前に進む。斜め前を次元の違う美形男子が笑顔で自分の手を握り歩くのを不思議な感覚で見つめていた。
バカンスラブ?
またそれとは違う。でも、旅先での意外性が生む思わぬ出来事。
きっと・・・ただそれだけの事。でも、それでも幸せ。

日本に帰れば、もう学生の気軽な感覚では過ごせない。今だけ夢を見ていたい。
ぼんやりとつくしはシンデレラのひと時を味わっていた。



4 Love 6.

Love 
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この記事のコメント

ミミルナ様

お忙しい所、度々申し訳ありません! パスが届かず、今QUIET HEARTを閲覧させて頂こうと思ったら既に見る事が出来なくなっておりました!
本当に申し訳ないのですがパスワードを送って頂けませんか?
2010-09-07 Tue 12:25 | URL | りこ #-[ 内容変更] | top↑
り*様
楽しんでいらっしゃいますか?
2010-10-12 Tue 09:37 | URL | ルナミミ #-[ 内容変更] | top↑
き*た様
何度でも何かあればお越し下さい。
2010-10-12 Tue 09:42 | URL | ルナミミ #-[ 内容変更] | top↑
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