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好きな作品を流れのままに綴ります。 二次・オリジナルのお話です。よろしくお願いします。まずは【はじめに】からお入り下さい。

続・熱愛  11 完

2009-11-01 Sun 00:11

【永久に   完】

初春の静かな晴れ渡る空。
類とつくしは、私邸の全員が揃った顔を見ながらエントランスに起っていた。
家を背にする母と向かい合い、2人は互いに見合わせ笑顔で共にその人に瞳を向ける。
「お母さん。それでは、行って来ます。」
「行ってらっしゃい。
あなた達2人なら何があっても、切り抜けて行けるわ。
類、つくしさんを守るのよ。お父様が私にして下さった様に。」
「はい。守ります。お父さんの様に!」
「つくしさん、類をお願いします。あなたなら心配は無いわね。でも、無理をしてはダメよ。何でも相談してね。」
「はい。お母様。」
「「「「「「「うわぁ~!!!」」」」」」」
「みんな!つくしが『お母様』って言った位で喜ぶから、こいつ見た事無い位真っ赤だよ!」
「類ったら・・・」
「クスッ。ここに松尾がいたら何て言うかしら?」
「先に、家を綺麗にして置きますって。さっさとフランスへ行っちゃって。」
「つくしさんが可愛くてしかたないのよ。解ってあげなさい。それにああ見えて、フランス語お得意だって知ってた?」
「ええ。高校の頃、お客に流暢に話す姿見てますから。」
「松尾さんの事、ありがとうございます。でも、お母様にはご迷惑をお掛けしてすみません。」
「ううん。私も安心よ。」
「さあ、行こう!つくし」
「はい。」
「では。行って来ます。」
「行ってらっしゃい。・・・・・類・つくし!」
「「はい。」」

その頃フランスの新居では、松尾が現地で待機していた使用人にフランス語を存分に使い、掃除に専念していた。
『そこをもっと丁寧に!!』

アンティークのカップボードには【二つのチューリップのマグカップ】が大事そうに仕舞われて。



空港に向かう車の中で2人は
「怖くない?」
「うん。少しも。」
「仕事に未練は無い?」
「うん。事情を解って貰えたし、昨日お店と研修会場にも挨拶に行けたし。満足してる。」
「粕谷さん、寂しそうだったね。」
「関谷さん?あたしは、まだ名前馴染めなくて、それに、あそこでは関谷さんで暫く通すらしい。
後ね!寂しそうなのは、同期だもん。あたしでも、同じなら寂しそうな顔するよ!!」
「つくし、そのままでいてよ。助かるから。」
「うん。きっとあたしは、このままだよ。そうそう変われない。でも・・・・・なんで?」
「可愛いからさ!」
類はつくしの額にキスをした。

車は、間も無く空港に到着する。あのNYをふと思い出す2人。
「そう言えば、空港と類は縁があるね。」
「それは、俺の言う台詞。」
「空港とつくしは、縁がある。」
「なら、2人ともって事だね。」
「ああ。」
「みんな来てくれるって言ってたね。」
「うん。つくしのパパ・ママ・進君も。」
「うん。」
「式は、早く挙げようね。みんなを呼んで。」
「うん。でも、類の仕事の様子を見てからね。」
「つくし?」
「あたしは、こうして2人で居られるだけで充分。」

「ありがとう。」
「ん?」

「生まれて来てくれて!愛してるよ・・・つくし。」
「あたしも。愛してます。・・・花沢類!」

互いの手を結びあい、熱い心を通わせ、愛を伝え合う。
この先何年経とうと、この「熱愛」は冷める事は無いだろう。
互いに唇を寄せて誓い合う。

永久の愛を!!

      FIN

2部に渡る「熱愛」を完結させて頂きます。ご愛顧ありがとうございました。


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続・熱愛  10

2009-11-01 Sun 00:10

【夢の途中 10】

この日で、正月シフトが終わる。そして、その終了時間になろうとしていた。
正社員のメンバーが、研修生に近付くと
「ご苦労様、少し早いけど変わるよ!お茶でも飲んで帰ると良いよ。」
「エッ?でも、あと10分・・・・・」
「良いよ。お客様も切れた所だから。僕らも研修の時は、緊張したし焦り捲くりで、正月シフトはクタクタだった。
だから、特別さ!正社員になれば、金輪際無いから、気が変わらないうちに上がった方が良いよ。」
「「はい。」」
「「お疲れ様でした。」」
「お疲れ様。」
休憩室に戻ると、関谷仁がつくしに
「良かったら、お茶だけでも行きませんか?」
「うん。良いですよ!お礼もしたかったし。あたしにご馳走させて下さい。」
「いえ、僕が!」
「じゃあ、それは行ってからで、まずは出ましょうか?」
「そうですね。」
2人は店から数分のカフェに寄った。向かい合って座り、漸く気楽に話せる間柄に思える。
「お疲れ様でした。」
「牧野さんこそ!体調が大変だっただろうに、本当にご苦労様でした。」
「ううん。関谷さんのお陰ですっかり元気です。ありがとうございました。」
「良かった。この2・3日は出られるのかなって心配だったから。」
「それなら。根っから丈夫な性質ですから。」
「あの家の事で、話しておこうかと想いまして!」
「ううん。無理しなくて良いです。こう見えても、家の事情には慣れっこです。後継者になる様な家柄に生まれると、色々有るの知ってますから。」
「後継者って!やっぱり・・・?」
「あれっ!そうだったんですか?」
「エッ・・・・・知らないで言ったんですか?」
「はい。」
「そう言う人が、廻りに多いんですか?」
「そうですね。だから、何となく。」
「そうですか。牧野さんは、恋人いますか?」
「ストレートに来ますネ。・・・・・はい。います。将来も誓った人です。」
「そ・・・・そうですか・・・・・・」
「驚きました?こんなあたしにいるって事?」
「その逆です。」
「その逆って?」
「僕が、立候補したかったから。」
「何、言ってるんですか?冗談が好きですね。」
「牧野さんて、天然?」
「へっ?」
「良いです。そうですね。聞き流して下さい。なんか言えてスッキリしました。でも、牧野さんの恋人ってどんな人ですか?」
「優しくて、あったかくて、心の大きな人です。」
「そうですか。きっと素敵な人でしょうね?」
「はい。あたしには勿体無い人です。なのに、とても大切にしてくれる人です。何時か、一緒にお酒でも飲みましょう。」
「はい。是非。」
その時、つくしの携帯が鳴り、店の外に出て通話にすると
「うん。終わったよ!見て無い。ごめん。えっ?近く。うん。そこだよ。解った。」
店内に戻り
「関谷さん、ごめんなさい。迎えが来るの。何だか急いでるみたいで、これで帰らないと。」
「良いですよ!行って下さい。」
「あっ・・・今、向かっているので、あと10分はいられます。」
「そうですか。良かった。」
「変な関谷さん。」
「来週から研修会場になりますネ。」
「はい。明日から少しゆっくり出来ますネ。」
「ええ。何処かに行かれますか?」
「ううん。家でゆっくりします。」
「そう言えば、アパートを聞けませんでしたね!」
「そうですね。そのせいでご迷惑を掛けてしまってすみません。」
「いいえ。こうして、仲良く慣れたのは、その賜物ですから。」
「優しいんですね!」
そう言っていた時だった。2人のテーブルの横にスラリと伸びた足が視線を捉え、上を見上げた。
「類!」
「早く着いたから、一言ご挨拶しようと想って。」
「エッ・・・・・牧野さんの恋人の?」
「はい。花沢類です。つくしがお世話になっています。先日は、手厚い看護をして頂き、ありがとうございました。
ご挨拶に行かなくてはいけないと想いつつ、行けないままで申し訳ありません。今度、機会を持ちまして、食事でもご一緒しましょう。」
関谷は驚きの余り、一瞬見惚れて
「初めまして、こちらこそお世話になっています。良い同期に恵まれたと幸せに思っています。是非機会がありましたら、ご一緒しましょう。
あの、もしかしましたら、花沢物産のご子息では無いですか?」
「はい。お知り措き頂けて光栄です。」
「申し遅れました。研修上、已む追えず母方の姓を名乗っていますが、実は粕谷仁と言います。」
「それでは、創業者の?でしたら、何れ跡を?」
「はい。そうなると思います。」
「良い方と知り合いになれて嬉しいです。宜しくお願いします。」
「こちらこそ。花沢さんが羨ましい。」
つくしを2人で見るが、当の本人は何も解らず
「はい。最高に幸せ者です。」
「何が幸せ?」
「こうして、仲良くなれる仲間が増えて良かったって言ったの!」
「そう!ホントにそう想う。」
「天然ですか?以前から?」
「はい。知り合った高校の頃から既に。」
2人は立ったまま。つくし1人座った状況で会話は弾む
「でも、それで幸いした事も有りますから。」
「良く解ります。どうぞ、お幸せに。」
「はい。必ず。」
2人は握手を交わした。
「さあ、つくし行こう。」
「うん。」
「それじゃあ関谷さん、お先に失礼します。」
「はい。また!」

30分パーキングに駐車した類の車に乗り込み、家路に向かう。
「夕飯どうしよう?」
「大丈夫。家から【つくし様に食べて頂いて下さい】って、預かって来たから。デリバリーだよ!」
「嬉しい。早く食べたい。」
「それから、大事な話しがあるから。」
「うん。・・・・・凄く大事な事?」
「ああ。」
「困っちゃう位?」
「ああ。」
「それじゃあ・・・・・」
「つくし・・・・!!着いたら話すから!」
「はい。怒ったの?」
「ううん。ただ、しつこい!」
「ごめん。」


その後食事を終えて、類は話しを切り出した。
「驚かないで聴いて!」
「うん。」
「フランスに行く事になった。」
「エッ?・・・・・何時?」
「出来るだけ早くって言われてる。」
「何時帰れるの?」
「一時帰国は有るかも知れないけど、今回は暫くは帰れない。」
「どう・・・・・して?」
「向こうでトラブルがあって、今父さんが対処してる。でも、父さんは本社がある以上、俺が行く必要が出て来たんだ。
それで、つくしにも一緒に行って欲しい。両親は結婚を認めてくれた。これを呼んでくれる!」
父から息子に宛てた手紙をつくしに渡した。
読みながら、ポタポタ大粒の涙が手紙に落ちる。読み終えたつくしが話し出す。
「行くよ!勿論行くけど・・・・・」
「何、行くけど?その先は?」
「研修の途中で辞めるの?」
「それじゃあ。俺一人で、行けって言うの?結婚を許してくれたのに?」
「そうじゃないの!ただ・・・・・」
「ただ何?」
「怒ってるの?」
「そうじゃないけど。迷わず行くって言ってくれると思っていたから。」
「類・・・・・」
「今夜は、荷造りする様だから、別々に休もう。つくしも良く考えて!
良い?今回は手紙の通り、何時帰れるか解らないって事、覚えておいて!
新年の挨拶を本社にしに行くから、明後日までは絶対居るけど、それが済めば早々に発たなくてはならないんだからね。一応つくしの分もチケット用意させるから。」
心なしか、トーンが低くショックを隠せない類に声が掛けられず、リビングを出て自室に入った。
暮らし始めて、自分の部屋で初めて休む事になったつくし。窓辺に立ち夜空を見上げる。
冷静にそれまでを振り返る。
英徳からの一部始終を!

そして、あのNYでの自分が巻き込まれた事件の・・・あの時を!
他の誰でも無く、花沢類が全身全霊で助けに駆け付けてくれた事。類が居なければ、今が有るかどうか?
あの日から誓い合った2人の未来。
その為の、今の状況。
責任感で、大切な人を失う事になったらどうするのか?自分に問う。
手紙の中には、親の愛が溢れていた。
それは息子・類にだけでなく、自分・牧野つくしに対しても。
そこまで折れてくれる愛する人の親の想いを見過ごして良いのか?

つくしはベットから起きると、ワードローブに入っていた類の母からの手紙を取り出した。

『つくし様へ』

古い家具です。代々受け継がれ、類も使っていた物です。
2人の間に、受け継ぐ天使が舞い降りるまで、つくしさんに託します。
類の事、宜しくお願いします。
    母より    』

この愛を想い起し、さっきと同じ様に手紙の上に大粒の涙が落ちて行く。
「見誤る所でした。今すべき事を!」
手紙を握りしめ・・・・・

つくしは部屋を出て、まだ明かりの付いたリビングへ足を進める。
ソファーで1人ワインを飲む類の背後から、つくしは類を包み込んだ。
「あたしも連れて行って!」
「つくし!」
「ごめん。仕事をしている意味を見失いかけて。
2人の為にそうしてるのに、類が進まなくてはならない場所に行くなら、迷わずそれをあたしも選ぶべきなのに、変に責任感を持ち出して、大切な人を悲しませる所だったね。
ごめんね、類!」
「ううん。
少し・・そう迷うだろうって、そんな気がしてたから、スゴイショックは無かったけど
でも・・・実際にそれがホントになると寂しいと思ったよ。」
「これ見て!」
類の母の手紙を見せた。
「これ、ワードローブに入って手紙だよね!」
「うん。あたし、幸せ者だなって!」
「辛くない?」
「うん。ちっとも!」
「パパやママ、進君と、暫く離れ離れで会えないよ・・・・・・寂しくない?」
「類が居るもん。」
「きっと、俺、今の数倍忙しくなると想う。」
「雑草魂あるから!でも、松尾さんみたいな人が、1人でもいてくれたら心強いけど。そんな人はフランスにはいないだろうね?」
「探してあげるよ。つくしの為に。」
「うん。」
「明日、牧野パパとママの所に挨拶に行こう。お嬢さんをくださいって!
そして、フランスに暫く連れて行かせて下さいってさ!」
「きっと大喜びだよ。」
「つくし、こっちにおいで!ワインで乾杯しよう。」
「うん。」


翌日、類は母に連絡を入れた。
つくしも行くと言う事を伝えると、電話の向こうで声が掠れている。それが意味する事!
「類、あなたが支えてあげるのよ。見知らぬ土地に連れて行くのだから。
それから、式も挙げるのよ。本来なら盛大にしてあげたいけれど、フランスの事情が解らないから、何とも言え無くて・・・・・
日本での年明けの仕事が済み次第、私も向かうから、その時相談しましょう。」
「はい。」
「そうそう。松尾がフランスに同行したいと言い出しているんだけれど?」
「松尾が?」
「ええ。つくしさんが心配だって。どうする?」
「嬉しいです。昨日、つくしが『松尾さんみたいな人がいてくれたら』って、言っていた所です。でも、お母さんは良いんですか?」
「仕方ないわよ。大切な嫁をメンタルカウンセリングに通わせる様になったら大変だもの。」
「ありがとうございます。つくしに伝えます。」


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続・熱愛  9

2009-11-01 Sun 00:09

【新な1年へ 9】

つくしの、1日だけの正月休みは、賑やかに4人で終えた。
アクシデントはあったモノの楽しい元旦だった。
遊びに来た2人は、つくしの翌日の仕事を思い、泊まりたいと総二郎が言ったのをあきらが『別の日にしようぜ!』と言い聞かせ、深夜遅く帰って行った。
上機嫌な総二郎は、少し酔いが醒めかかったあきらの肩を貸り、類とつくしに見送られながら迎えの車に乗せられ『今度は泊まるよ~』と総二郎が叫びつつ2人は帰って行った。

部屋に戻るとつくしは想わず
「フゥ~!」
大きく溜息を漏らす。
「つくし、お疲れ様!ありがとう。」
「類も、お疲れ様!楽しかったね。」
「ああ。最初はどうなるかと思ったけどね!!ねっ・・・つくし?」
意味有り気につくしに向かい類が言うと
「どうしたの?」
「覚えて無いの?2人が来た時の自分の事?」
「・・・ごめなさ~い。半分寝ぼけてて、最初はうろ覚えなんだ?」
「じゃあ・・・俺のワイシャツを素肌に1枚で、2人の前に出た事は?」
「やだなぁ~、覚えてるよ!・・・・でも、それが薄っすらなんだ、覚えてはいるけど、何を言ったり聞いたりしたかは覚えて無いんだ。・・・・・ごめんなさい。」
舌を出し両肩を上げるつくし。
「ヤダ!!どんなに俺が焦ったか?
そうだ!!ねえ、つくし・・・・うん・・・そう・・・チョット想い付いた。」
「・・・・ん?・・」
行きなり、着ていたワイシャツを脱ぐとつくしに渡し
「ねえ・・・これ素肌に1枚で着てみて!・・・・・」
「今?」
「うん、今。」
「後でで、良いでしょ?・・・・・ネッ!る~いっ!」
「ううん。・・・い・ま・!!」
「もう・・・・・変な類?」
仕方なくパーカーを脱ぎ、ワイシャツに袖を通そうとした時
「素肌1枚にって言ったよね?」
「良いじゃん!」
「ううん。ダメ!取って。」
「変だよ?類・・・・・・」
「いいの・・・・・変でも!確かめないと今夜眠れない。」
しぶしぶ寝室に入り、ブラを取り去り直に着て、ジーンズも脱いで類の前に現れたつくし。
「・・・・・・エッ?・・・・・」
類の眼が点に・・・・・・
「どうしたの?このワイシャツは、生地も厚いし、それに2人も見えないって、言ってくれたんじゃ無いんだっけ?
・・・・・・でも・・・・・その様子じゃあ・・・・」
慌ててバスルームへ向かったつくし
「ワァ~・・・・・!!」
恐らく鏡で姿を確認し、驚いているつくし。類は後を追い、バスルームの洗面台前のつくしを後ろから抱きしめ、耳元で囁く
「解った?・・・・・参ったよ!!新年早々、あの2人に大きなお年玉あげちゃって!
良い?俺にだけだからね!
さあ、脱いで!俺もお年玉貰わなきゃ、眠れそうにないからさ!」
「・・・・・るいの・・・バカ・・・・・」

再び大晦日の様にとは行かないまでも、その晩も・・・類とつくしは、見られた事を払拭する様に愛し合ったのは言うまでも無い。つくしの身体に赤い印を咲かせながら。



翌日の2日
類の腕から身体からそっと外し、1人仕事の準備をしたつくし。類の朝食もテーブルに用意して!
何故か、喧嘩前の自分とは気持ちが違っていた。優しい気持ちになれている事に気づく。
1人コーヒーを飲みながら、朝のすがすがしい空気を窓を開け吸い込んだ。正月の静かな1日が、今また始まる。

数分後着替えを済ませたつくしは、眠る類の額にキスをして
「行って来ます。」
そう告げた後、テーブルに書き置きのメモを残し仕事に向かった。
【今日と明日は、終了時間は7時です。外で食事しましょう。待っていて下さい。    つくし】

2・3日は正月シフト、大晦日同様のスタッフでの仕事。
気になる事と言えば、その時に関谷に誘われた事が僅かばかり想い出された。
でも、つくしは深くは気付いてはいない。自分に向けられている好意に付いて。漸くわだかまりを取り去り、普通に話しが出来る様になった同期の仲間としてだろうとしか!相も変わらない鈍いつくし。
2日の日は誘われる事も無く、何事も無いままに店を出たつくし。すると、店近くに見覚えのあるシルエット。少し暗がりで、顔が見えない。しかし、薄っすら見える立ち姿で気付く。
「類?」
想わず駆け寄り、その人を確かめる。
「やっぱり類!何・・・迎えに来てくれたの?」
「うん。少しでも早く会いたくて。」
「携帯に連絡くれれば良いのに?寒かっただろうし、もし・・気付かないで帰っちゃったらどうするの?」
「ううん。気付かない筈無いよ。俺も、それにつくしも。」
「自信有るんだね?」
「うん。NYまで行って、探し当てた相手だもの。」
「類・・・・・」
NYと聞くと、胸がキュンとなる。余りに色々な事が有り過ぎたあの頃。そして何より、眼の前の人がいなかったら、今の自分はここに居るのだろうかと言う事。今が幸せすぎる気がした。
「さあ、行こうか?」
「うん。」
その場から手を取り合い歩きだした二人。
その直後、店から出た関田は、後姿の2人を捉えてしまっていた。呆然と・・・・・
「やっぱり、恋人いたんだね。」


翌日3日。
その朝、類はつくしと共に眼を覚まし、同じ様に出掛ける準備をしていた。
「類!帰りの時間は気にしなくて良いからね!あたしは1人で帰って来るから。」
「うん。ありがとう。」
「もっと先になる筈が、突然帰国して会おうだなんて。何だろう?」
「お父様が、急に呼ぶ位だから何か有るんだろうけど、少しドキドキする。」
「心配無いよ。俺達は認められてこうして居るんだし、2人の事より多分仕事も事だと想う。何れにしても、つくしが仕事を終えて、ここに帰って来る頃には帰れると思うから。」
「うん。」
「連絡するね。」
「待ってる。」
「さあ、送るよ!行こうか?」
「うん。」

その朝、前日に類の父からの突然の連絡で、私邸に戻る事になった類。つくしを見送り、その足で少しばかり重い気持ちを秘めながら私邸に向かった。

会えない筈のこの時期に急に呼び出され、私邸に戻った類。
何時もの顔は、まだ揃ってはいない。正月休みの最中。その中でも、両親に同行していた松尾は姿を見せ類を迎えた。
「松尾、お帰り!今年も宜しく。」
「こちらこそ、宜しくお願い致します。」
出迎えた全員に言った後で、部屋に連れ立って歩きながら類は新年の挨拶をした。
「つくし様は、お元気ですか?」
「ああ。元気だよ。」
「宜しく申していたとお伝え下さい。お会いしたいと申していたとも、お伝え下さい。」
「うん。言っておく。ありがとう、松尾。」
「勿体無い。」
父親の書斎の前
「類様が、お見えになりました。」
「どうぞ。」
松尾がドアを開け、類が部屋に入ると松尾は退いた。
部屋の中には、母一人が父親のデスクで書き物をしていた。
「明けましておめでとうございます。」
「おめでとう。良い顔をしているわね!2人が旨く行ってる証拠だわ。」
「はい。とても。」
「それは良かった。」
「それより、まだ旅行中の筈では無かったですか?それに、お父さんは?」
「ええ。実は訳があって、お父様はここにはいないの。それと、類を呼んだのは訳があって、話しをする為に来て貰ったのよ。」
意味有り気な母親の表情。重い空気が全身を覆う。
「お父様は今、フランスに居るわ。」
「何故、フランスに?明後日から仕事もスタートでは?」
「ええ。そうね!それも有って、類を呼んだのだけど。
お父様のフランスは理由があっての事で、私も昨日帰るまで一緒に居たの。でも、帰国してやるべき事もあるので、こうしてお父様の書斎で仕事をしているのよ。」
「何ですか?理由って?」
「実は・・・・・・・・・・                  」



そこから聞かされた内容では、フランスで間接的な企業では有るがトラブルが発生した。
場合に寄れば、花沢にも影響が出ないとも限らない事。本社社長が自ら出向き調査に当たっている。
花沢社長の信頼厚い現フランス支社長も。
しかし、その支社長は、それ以前からの要望で、あと僅かで退任の意向を示されていた。花沢社長の許しが有れば、子息にその席を開け渡したい。その希望を花沢社長には話してあった。
今回のトラブル!
「これを共に乗り越え、私の席をご子息に明け渡したい!」と申し出をしてきた。それが、全て。

「類!あなたの気持ちは、近くで見て来ただけに解るし、今の事情も母として痛い程解ってるつもり。でも、あなたの立場も解って頂戴。このまま、お父様がフランスに残る道は本社を揺るがし兼ねない。
やはり、あなたしか居ないの。」
「解りました。
それで、俺は何時発てばいいのでしょうか?」
「早ければ早い程助かるわ。でもその前に、本社でお父様の変わりに新年の挨拶をお願いね。」
「はい。・・・・・・それで、つくしは?」
「お父様からあなたに宛てた手紙よ!」
初めて受け取る父からの手紙

『類へ

明けましておめでとう。
良い新年を迎えたかな?
私の方は、旅行の筈が場所を変更した上に、楽しいとは言えない状況で、新年を迎える事になった。
しかし幸いにも、花沢には影響が今は無い事が漸く分った。
それでも、全く無いとは言い切れず、正念場を迎えないとは言い切れない。現社長が類と盤石な花沢を築きたいと申し出てくれた。それを見届け、類にその席を譲りたいと。

言い出した私が、変更したいと申し出る事を、類とつくしさんには心から詫びたい。
しかし、そのお詫びに勝手かも知れないが、2人を花沢類の父として認めよう。
そして、2人が望むなら、この機会に結婚をする事も快く許そう。
夫婦として、新天地で頑張っては貰えないだろうか?
重ね重ねの親の勝手な言い分。済まない。
もし、親の言い分を聞いて貰えるのなら、身ひとつで行ける様に全て準備させよう。
類、良い返事を待っているよ。

            父より  』

見終えた類の顔は高揚していた。瞳を潤ませながら。
1歩どころか、2歩も3歩も下がっての心を込めた父からの手紙。ソファーから暫し動けずにいると、母がそっと肩に手を置いた。
「解ってくれた?」
「・・・・・はい。」
「相談して、良い返事を聞かせてくれる?」
「はい。」

その日、久し振りにランチを母と共に摂った。
そして類は、私邸に戻り、自室でフランスへ向けての準備をし始める。
ふと脳裏を掠めるつくしの頑張り。父との約束を懸命に守り、倒れる程一生懸命に約束を果たそうとする愛する人。
あくまでも2人を認めて貰う為の条件だった就職。・・・・・の筈。
何でも懸命にこなそうとする姿と責任感に不安が過った。
「行かないなんて、言わないよね?」

もう直ぐ6時。つくしの終わるのは7時。嬉しさと不安の両方が入り混じった複雑な心境で時計を見つめた。
『迎えに行こう!』
携帯を手にメールを送る。
『迎えに行くよ!大切な話しが有る。』
携帯を閉じ、荷物の分別をし終えた類は部屋出ると、松尾に笑顔を向けた。
「フランスへ行くらしい。」
「類様がでしょうか?」
「ああ。松尾の様な人が向こうでも居てくれると良いな!行く前に挨拶にまた来るからね。」
「あのぉ~・・・・・類様、つくし様は?」
「行くと信じてる。」
それだけ言うと、エントランスから姿を消した。
姿を見送った松尾。暫し佇み、そして意を決したように書斎に向かった。


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続・熱愛  8

2009-11-01 Sun 00:08

【ふたり  8】

初めて経験する仕事上での師走の締め括りの大晦日。
明日に元日を控え、初詣の為に夕刻から外へと多くの人の足が必然的に向いて行く。
朝や昼頃から、正月に晴れ着を着る為に美容院へ髪や着付けに行く人。進学就職の神頼みに初詣に行き掛けている人。
それぞれの想いの中、路上は信じられない人の数になって行った。
その甲斐あってか予想通り、時間潰しや待ち合わせの為に、利用する来店者が引きも切らずに訪れる。
つくしは、関田に初めに礼を言い、忙しいシフトを頑張ろうと激励し合い戦闘に就いた。
先輩の社員辻も、今日は居てくれている。気の合う仲間との気合いこもる職場。つくしは、漸く仕事の楽しさを感じ始めていた。
忙しい為か時間の経過も早く感じる。気が付けば10時を回り、後1時間弱で研修社員の時間は終了する。社員が既に奥で待機し、交代時間前の暫しの寛ぎ時間を過ごしていた。
少し落ち着き、ホッとする間が出来た時だった。
「牧野さん、この後初詣に行きませんか?」
関田に誘われた。
「ごめんなさい。この後、迎えが来て、一緒に帰る約束してるから。行けない。ホントにごめんなさい。」
「良いんだよ。急に誘う僕の方が、不仕付けだったね。気にしないで。」
「うん。」
「さあ、後少し頑張ろう。」

心なしか気落ちした様に見える関田に、2人の遣り取りを見ていた辻は、つくしの様子からその相手が、友人以上の間柄だと直ぐに気付いたが、関田にそれが解ったのか?少々気になった。
『いがみ合ってた者が向き合うと、好意以上の想いが目覚め易い。特に男子に多い。』
そう心配しながら!
奥から社員が交代の為に姿を見せ、つくし達はそっと席を外しその日の仕事を終えた。

つくしは早々に着替え、薄化粧を施し、挨拶をし終えると一目散に店の外に飛び出して行った。
約束の場所に向かうつくし。人波を縫う様にそこへ向かう。
寒さも気にならず、きっと、もう来ているだろうと心を弾ませて、今の自分の顔は綻んでいる。嬉しくて!そんな事を想いながら先を目指した。
「類だ!」
人の頭一つ背の高い、スラリとした長身のお陰で直ぐに見つけられた。
「る~い~!!」
大きな声で思わず叫ぶ。1秒でも早く会いたくて!
自然に辺りが、一瞬静止した様になる。
つくしに視線が注がれた後、つくしが手を振り向ける視線の先に、周囲は「このお嬢さんの相手はどんな人?」そんな好奇な視線を一身に浴びる事になった類。
「うわぁ~!!素敵」「良い男だね~」「ドラマ見たい!」
そんな声があちこちから聞こえていた。
我・関せずで、気にもせずつくしの声に姿を探し、可愛い手に気が付くと、同じ様に嬉しさを素直に表し笑顔と一緒に手を振った。
「いいなぁ~!!」「変わりた~い!」「あの子可愛い!俺も変わりた~い」
ほろ酔い気分の人もいるせいか?言いたい事を周囲が言う中、2人は少しづつ距離を縮め、やがて周囲が好意的に背中を押しくれていた。
「お帰り!」
「ただいま!」
2人が手を取り会えたその瞬間を息を飲み、見届けた周囲の熱い眼差し。その時、何故か一斉に拍手が沸き起こった。
「会えて、おめでとう!」
「幸せになれよ!」
それに応え、類とつくしは周囲に笑顔を送った。
「「はい。」」
2人が言葉を送った後、周囲はそれぞれの大晦日に戻って行った。
「つくしと居ると、ドラマみたいな事が色々起こるね!」
「嫌だった?」
「ううん。その反対!すごく楽しい。NYの事もクリスマスの時も、そして今も・・・みんな素敵さ!」
「類!」
「さあ。俺達もお参りしに行かなくちゃ!」
「うん。」
「つくしの手、スッゴク冷たい。手袋は?」
「忘れちゃった。」
「俺が送り届けたせいだね?でも、こうすれば!」
類は自分の手袋の片手を外し、つくしの手にしてあげた。
「あったかい。」
「大きいけど我慢して!」
「うん。ありがと!」
「そして・・・こっちの手は!」
手袋無しの互いの手を握り合い、類のコートのポケットに仕舞い込む。
「どう?ホントにドラマみたいだろ?」
「うん。」
見つめ合い、互いの温度を通わせ合う。恋人同士の幸せなひと時。
「つくし、何の願い事するの?」
「類が、幸せで有ります様に!」
「つくしじゃないの?」
「類が幸せなら、それであたしも幸せだから!類は?」
「つくしが、幸せで有ります様に!」
「類!」
「俺達、幸せだね!」
「うん。こわい位に。」
「大丈夫。こわくないさ。ずっと年老いても、俺はこの手を放したりはしない!どんな事が有っても。」
「あたしも。」
交わす熱い瞳と瞳。
「疲れてるのに、お参り大丈夫?」
「うん。全然平気!寝らなくっても、大丈夫な位元気だよ!」
「良かった!」
「ん?」
「それで安心した。お参り済んで帰っても、寝かせられないみたいだから!」
「な・何・・・・・類?」
「何考えてる?2人でお酒飲みたいと思っただけだよ。」
「そ・・・そうだよね!」
「う・そ・だ・よ。・・・つくしを抱きたい。」
「ば・か・・・・・」
「さあ・・・早く済ませて帰ろう!!」

様々な出来事を乗り越えたこの年も、あと僅かで終わりを告げようとしていた。
この夜、厳かに除夜の百八つの金の音を、類とつくしは2人で聞いた。


新しい1年が幕を開けた。
昨夜の大晦日、つくしの仕事の終わるのを待ち、2人で早々に初詣は済ませて有る。
そして昨夜は、類の願い通り2人は眠れぬ夜を過ごした。
明けて新年、2人はのんびりと寛ぎの中に包まれていた。

それと言うのも、花沢の両親は旅行で不在。牧野の両親には、年末年始は研修の仕事で行けないと話してある事で、互いの親に挨拶に行かずに済んだ。

幸せを全身で感じられるこのひと時が、至福の時に他ならない。
「つくし、愛してる。」
まだ眠る可愛い寝顔に口付けをした。触れ合う素肌が心地良く。肩に掛かる吐息が想いをそそる。寝かせたいのに、触れたくて!
我儘な身体を抑えるのに必死になる類。知らずにその胸で眠るつくし。起こさないまでも、そっと華奢な身体を包み込んだ。
時計を見ると、時刻は昼を越え2時を過ぎ様としていた。

『ピンポーン・ピンポーン』
正月のしかも元旦に来客?
類は、見るまでも無く、エントランスの前にいる人物の顔が思い浮かんだ。
『ピンポーン・ピンポーン』
恐らく出るまで、鳴らせるつもりだろう!
寝室から、顔は見えないが受話器を取って相手を確認すると
「明けましておめでとう!祝いに来てやったぞ~」
少し酔っている様な総二郎の声。
「起きろ~入れろよぉ~!」
あきらも同じ様だ!
「ああ。今、解除したよ。部屋のドアは開けておくから入って来てくれる。なるべくゆっくり上がって来て!」
「「了解!!」」
何が了解だと言いたくなるが、2人のお陰でつくしと年が明けられた。それが有るから、嫌とは言えずに向かい入れる。
「つくし。起きて!あきらと総二郎が来るから!着替えてリビングに出るんだよ。良い?」
「うん。うん。解った!」
つくしが本当に解ったか心配ながら、類は着る為のワイシャツをベッドの上に置き、バスルームに入った。
類が入って数分後、間も無く出て来そうなその時、眼を覚ましたつくし。
「類?・・・あれっ・・・ああ・・リビングに居るって言ったよね?丁度ワイシャツが有る。2人だけだもん。良いよね!」
ワイシャツを着て下着だけ履き、寝室のドアを開けリビングに1歩踏み出した。
「アッ!!」
つくしは、眼が点になり瞬きを何度も繰り返し、身体が金縛りにあった様に動けず前を見据える。
そこには、見慣れた顔が2人が座っていた。そして、その2人と眼が合って。
「正月から、色っぽいね牧野!」
大きな類のワイシャツと、その中は下着を1枚付けただけの姿。
シャワールームから出て、つくしとワイシャツが無い為に、慌てて部屋を飛び出す類。
「つくし!・・・・・・着替えておいで!」
類は、驚いて動けずにいたつくしの手を取り、上半身裸のままで寝室に連れて行った。半分寝ぼけている様なつくし。それでも、バスルームに入れてドアを閉めた頃、我に返り1人騒いでいる様だった。

脱がしたワイシャツを羽織り、乾ききらない髪のまま2人の前に姿を見せると
「正月からお盛んですね!」
「それもこれも、俺らあっての事だよね?」
「解ってるから、入れたのに!」
「あれっ!類君、怒ってる?」
「ああ?・・・ヤキモチ妬いたんだ!牧野の色っぽい姿を俺らが見ちゃったから?」
「ごめん。でも、不可抗力だから、怒るなよ!」
「ああ!!!」
「さあさあ!4人でシャンパン飲もう!極上のシャンパンを家から4本も持って来ちゃったぜ。」
「つまみは・・・さっきの牧野!」
「総二郎っ!・・・いい加減にしろよ!!」
「悪いっ!ごめんっ!これ持ってきた。カウンターに置いたままにしていた袋をテーブルに持ってきた。
「スゴイ!どうしたの、これ?」
袋から取り出された3段重ねの重箱には、料亭料理がぎっしり詰め込まれていた。
「飯も入ってるぞ!予め、ここに来るつもりでいたから、家で注文した時に俺の分で1個多く注文させておいたんだ!美味いぞ!!」
「あきら・総二郎!ありがとう。・・・・・・でも・・・・・・」
「でも、何だ?」
「類君・・・俺達が、どれ位見たのか気になるんだろ?」
「・・・・・・・」
「類、大丈夫だよ!ワイシャツ着てただろ。足が何時もより余分に見えただけだよ!なあ、総二郎?」
「ああそうだよ!気にすんな。牧野にも話してやれよ。そんで、4人でお祝いしようぜ!」
「うん。今呼んでくる。」
機嫌を直し、寝室に入った類を見届け、総二郎はあきらに声を掛けた。

「あきらは、見えた?」
「み・・い・いいや・・・いや・・。みえ・・ないだろ!・・・だろ?」
「あ・・ああっ・・そう・・だな!」
「不味いだろ?みえてたら・・・・。なあ?」
「ああ・・そうだよな!」
「うん。」
意味有り気に、2人はにっこり笑顔を浮かべた。


話し終えた頃、類とつくしが姿を見せた。類に連れられて姿を見せたつくしは、ジーパンにパーカーを着ている!
2人に向かい
「お正月早々、スゴイカッコ見せてすみません。それに、年末もありがとうございました。」
「もう良いよ。硬い事抜きで、新年のお祝いしようぜ!」
「はい。」
つくしは、4人分の取り皿とシャンパングラスを出し、注ぎ終えると類の掛け声で乾杯をした。
類が用意していた2人分の「おせち」もテーブルに加え、和やかに初春を4人で祝い、この1年のそれぞれの願いが叶う事を祈って酒を酌み交わした。



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続・熱愛  7【R18】

2009-11-01 Sun 00:07

【R18】申し訳ありません。ご自身でご判断の上、お進みください。

【夢の中の人 7】

つくしは夢を見ていた。
【映画の様なワンシーン】暖炉の前に肩寄せ合う自分ともう1人。膝を一つのハーフケットで温め合う。それぞれの手にはアルコール入りのホットドリンク。寒い夜長を語り合う。時折どちらとも無く交わす口付け。ドリンクを飲み干す頃には寒さも癒え、互いの肌を求め合う。少し大きめなソファーの上。何時しか身体を組み敷かれて行く。そして・・・・・・

「・・・・・つくし。着替えよう?」
優しい声が現実に引き戻す。もう少し甘い夢を見て居たかったと思う気持ちと、眼の前の優しい声に安らぎを覚えながら。
「着替え?」
「ああ。凄い汗で、パジャマが濡れてるから。このままは身体に良くない。乾いたパジャマを用意したよ。さあ、濡れたパジャマを脱がせるよ。」
「うん。」
つくしは類に優しくされながら、夢を想い起していた。
暖炉の前で触れ合う相手の顔。何故、思い浮かばない?
露わになった肩や胸。恥ずかしさは、交わりを交わした間柄になっても変わりはしない。
両手で隠し片腕ずつ袖を通す。時折類が何気なく首筋や肩に唇を寄せる度、風邪のせいでは無い震えが身体を包む。
「汗が熱を取り去ってくれたみたいだね。」
「類。ありがとう。」
「でも、身体が震えてる。」
「それは・・・・・」
「俺のせい・・・・・だろ?こうするから」
ボタンを掛けずにいるつくしのパジャマの中。類はそっと膨らみに手を当てる。
「ん・・うっ・・・るい・・・・・」
「つくし・・・愛しても良い?」
「う・・ん」
それだけ言うのが精一杯な程に、既に類の手は触れた先を揉みし抱いている。
先を転がし包みこみながら。唇を塞がれ舌を絡ませ離そうとはしない。
つくしは病み上がり。類を案じ唇を離そうと胸を押す。しかし、類の欲求はそれを望まない。
水分が汗で出たばかりのつくしの口腔内を潤す様に類の舌が絡みつく。次第に先を求める様に、唇で首筋へ鎖骨へ滑り降り、着替えを仕掛けて居たパジャマが邪魔になる。
脱がないまでも、前は大きく開かれて身体に類の瞳が降り注ぐ。膨らみに舌を滑らせ、蕾に辿り着くと甘噛みしながら舌と唇で弄ぶ。
片手をもう一方へ宛がうとゆっくり両方を味わっていた。
つくしの体が、耐えきれないと言う様に反らせながら、甘い声でそれを知らせる。類は高ぶる気持ちの抑えが利かず、声を聞けば聞く程、求めずにはいられない。
何時しか手も唇も求める先を彷徨わせ、知り始めたばかりの園を目差して手が触れる。そして指が!その指先が捉え、動かずにはいられない。
「ああ・・・んっ・・あ・ああ・・るい・・・きょうは・・そこは・・・だめ・・・」
「どうして?こんなに求めてくれてるのに・・・」
「きれいじゃないもの・・・」
「何時だって・・キレイな身体だよ・・・だから、止めない。いや・・・止められないんだ!」
「るい・・・」

指先は感じる部分を放さず、つくしの逸らそうとする動きも叶わない位に愛し続けた。
やがて全身を震わせながら、更に甘い声が漏れると、触れる部分も動きを指に教える。ゆっくり入口に指を進め、中の様子を伺う様に、徐々に奥へと移動させた。指でさえも絡みつき締められる程のその場所。さっきまで離せずにいた園の敏感になっている部分にキスをし、舌で味わう。ゆっくりゆっくりと。やがて意識を遠のかせていたつくしが、漸く気が付き、その状況に驚き類の体を拒もうとする。
でも、やはり類の身体はピクリとも動かないまま行為は続けられて行く。
「あっ・・ああ・・ふぅ・・んあああ・・もうダメ・・・るい!」
再び白い世界に行かされながら、類の愛の深さを想い知らされて。
「ごめん。止めてあげられなくて・・・・・」
上からつくしを見降ろしながら、頬と額にキスを落とし、答えの無いつくしを抱き締める。再び白い世界から気が付いたつくしも類の体を抱き締めて。
「類。愛してる。」
「愛してる。完全に戻っていない身体を抱いてごめん。」
「ううん。最後まで抱いて!」
「でも、大丈夫?」
「今頃聞く方がおかしいよ。それに、これで終わりには出来ないって身体が教えてるモノ。」
「うん。ダメって言われても、するつもりだった!」
「ばかっ・・・・・」
充分過ぎる潤いの場所に類自身を貫いて。ゆっくりそして動きを付けて。壁に突き当たり掻き乱しながら、想いを打ち付ける。何度も何度も・・・・・。
「ああ・・・あああ・ん・・るい・・・・・」
「つくし・・・・」
動きは速さを増し、類だけでなくつくしも伴う様に、喜びの世界へ2人一緒に導かれて行った。


眠ってしまっていた2人。
その時に見たつくしの夢。
その中で、リフレインする様な場面。それは暖炉で肩寄せ合うあの夢。
顔が見えずに眼が覚めたつくしだった。それが今、キスを放す相手の顔が少しづつ形を露わにして行く。
そして・・・・・
「つくし愛してる!」
「・・・るい・・・類!!」
紛れも無く、その人は類!

「・・つくし・・・つくし?どうした?」
現実の世界に呼び起こされた。そして、その呼び声は再び愛する人。
「類!良かった類で。」
「俺を呼ぶから!夢でも何か有ったかって心配になった。」
「ううん。夢でも、現実でもあたしには類しか居ない。」
「つくし。俺も。」

そして、2人は窓の外の夕闇で夜の訪れを知った。
「お腹空いたろ?用意して有るよ。」
「類。ありがとう。」
「つくし無しでは、居られない事を解って貰えた?」
「・・・・・・ごめんなさい。」
「何処にも行かないでおくれよ。行っても、つくしの帰る場所はここだからね。」
「うん。ここしか無い。類の場所しか・・・・・」

つくしの身体の熱は上がる事無く、それは、2人の心に移動した様に甘い熱を更に募らせて行く。

いよいよ、明日から年末シフトの後期期間。


明けて大晦日。
今日で、この一年が幕を閉じる。
類とつくしにとって、NYに引き続いて激動の1年だった。
あの時は、愛する人の身を案じて!
そして今、2人は結婚を親にも認められ、カウントダウン寸前の状況。
後は、どれ程揺るぎない想いが続いているか知って貰うだけ。事実上認めてくれているのだから。

2人が背負う今の状況は、道明寺司への配慮から。
手前上を繕っての事と類もつくしも解っている。
類とつくしに出された課題。
つくしに取って、他でも無い愛する人の親からならば、是が非でも叶えさせなければならない。
生きて来た生活レベルの異なる2人。しかも「息子の親友」と婚約間近だった。
平凡な家庭であっても、反対されないとも限らない出来事。
なのに、熱意を受け入れてくれた愛する人の両親に、どうしても誠意を見せたかった。
慣れない家事と研修に、戸惑い・疲れたつくしの限界ぎりぎりの状況が、一時は危機を匂わせた。
しかし幸いにも、友人の手助けもあり、元の鞘に戻る事が出来た。

類は、状況を話し理解を得たい事がある。
その為に、父親に相談があると連絡を入れた。しかし、年末年始は既に予定が埋め尽くされ、息子であっても会えそうに無い状態だと知る。会えるのは、年明け3日以降に成りそうだった。
と言うのは、母を伴い、数人の役員家族を誘っての旅行を計画しているらしい。
類は已む無く諦め、1月のスケジュールを見て、会う事にして貰った。

この日、類はつくしに合わせ、同じ様に眼を覚まし食事を摂ると車で送る事を申し出た。
始めは「いい」と断ったつくしだが、もう隠さないで行こう。と心に決め、送って欲しいと類に告げる。
「いいの?嫌だったんじゃない?」
少し寂しそうにしている類に
「ううん。類に申し訳ない気がして。それに、カッコ良過ぎる彼氏で、目立ち過ぎるから!」
周囲に花沢の子息と知られたくない。それが本音。でも、類が気にすると想えば口には出来ない。
類は、倒れたつくしを運んで来たあきらと総二郎から、関田仁の事を聞かされた。
その同僚が乗る車からして、親のレベルの高さを想像した矢先、自分達の親が住む私邸に劣らない豪邸に入った関田とつくしの話し。そこで、具合が悪いつくしを看護してくれたらしい事。そして、その祖父は、今つくしが研修を受けている会社の創業者で、どうやら関田は孫?ではないかと言う事。

類は何れにしても、これを機につくしに恋人がいる事を他の人間に知らしめたいと想った。
総二郎は、些か関田のつくしを見つめる眼が、類に似ていたとは言え無かった。言えば看病の件もある以上、直接会いに行かないとも限らない。研修が終われば接触はし難くなるだろう。
2人の未来が掛かっているのなら、つくしを信じて類にはそれは言わない事にした。

レストランが見える場所に車を停めて貰い、つくしは車を降りた。歩道のあちこちに、露天商が初詣を見据え出店準備に大忙しで用意をしている。綿菓子・たこ焼き・りんご飴。つくしは窓越しから類に告げる。
「帰りは、迎えに来ては貰えそうに無いね?」
「そうなりそうだね!歩いて迎えに来ても良い?」
「えっ?」
「初詣に行こうよ!りんご飴食べながら。」
「クスッ。心にも思って無いくせに。」
「何がさ?」
「りんご飴!信憑性が無いよ。それを言うなら、たこ焼き位にすれば良いのに。」
「じゃあ・・・たこ焼き。」
「うん。解った。でも今夜は、研修生でも終わるのは11時に成るけど良い?」
「それなら尚の事、迎えに来なけりゃ心配。11時には此処に居るね。」
「遅れたらどうする?」
「携帯があるじゃ無い!」
「うん。それじゃあ、行って来ます。」
「行ってらっしゃい。」

つくしは、関田仁の事を類が知っているとは知らない。
知らないと言うより、知る必要性が有るとは思ってもいない。
関田仁は、つくしの中では、好ましいとは言えない同僚だった。行動・態度、何れも苦手の部類。
ある日店で、関田が商品を壊した少年を諭し、一緒に責任者に詫びる姿を見る場に居合わせた。
その諭す態度から、子供嫌いは払拭したとも言える。そして、付き合い難く、サボってばかりだと言う事も、事情があっての事と知る。そして見方を変えると、関田に問題があると言うより、多少自分の見方にも問題があったと、考えが変わっていた。
だからだろうか、倒れたあの日。何故か不快に思う事無く好意に甘えられ、送ると言ってくれた言葉も受け入れられた。
ただ不覚にも、送られる途中で熱の為に朦朧となってしまった事。自宅を案内して貰えない様子から、関田は困り果て、自宅に連れ帰った。そして、そこで知った、力を持った親を持つ子息らしい事実。何処か人を寄せ付け難い雰囲気は、その為かも知れない。そんな事情が、徐々に関田への態度を一変させて!



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